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ニュースレター(機関紙)

小児科医からのアドバイス 3 子どものワクチン
NL11050109
医療情報、小児科、海外渡航

小児科医からのアドバイス 3 子どものワクチン

東京医科大学病院
渡航者医療センター
小児科医師 福島慎二

みなさん、お元気ですか? ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?

ゴールデンウィーク中は、病院で勤務をしていた僕も、5月8~12日の5日間は学会に参加するためボストンに行ってきました。Conference of the International society of Travel Medicineという国際学会で、日本語では国際渡航医学会と呼ばれています。その中で「The Pediatric Traveler」というセッションに参加していきましたので、海外に渡航する小児が受けておくと良いワクチンの話を紹介します。

【前回まで】
さて、前回は、海外で生活する日本人の子どもにとって、かかりやすい病気は「かぜ」と「胃腸炎」、「みずぼうそう」や「おたふくかぜ」など、子どもにとってcommon diseaseといわれる通常の病気が多いことをお話ししました。そのため、「手洗い」と「うがい」が予防の基本であり、ワクチンで予防できる病気に対してもワクチンを接種しておきたいですね。

【予防接種の優先順位】
海外渡航する小児への予防接種を考えるにあたり、3つの「R」(Routine、Required、Recommend)を頭に思い浮かべ、優先順位を考えます。

まず、Routineとは、渡航に関わらず、どこに住んでいても小児が受けておくべきワクチンです。日本に住んでいる小児の場合、日本の予防接種プログラムに則り、年齢や月齢相応の定期接種(母子手帳に記載された公費で接種できるワクチン)を受けましょう。ただし、海外と日本では、Routineワクチンの種類と回数が異なるのです。海外の方がワクチンの種類や回数が日本よりも多いことが一般的です。このため、Hib、肺炎球菌、みずぼうそう、おたふくかぜ、などは任意接種ですが、これらのワクチンも年齢や月齢相応に接種しておくことをお勧めします。

さらに、RequiredとRecommendは、海外に渡航する際に選択するトラベラーズワクチンになります。渡航国や都市に応じて、これらのワクチンを、Routineのスケジュールに組み入れていきます。

また、海外に長期間滞在する場合には、滞在国の予防接種プログラムに合わせて、現地で追加接種する場面もでてきます。このため、日本で接種したワクチンの種類と回数を記載した英文予防接種証明書を持参すると便利です。英文予防接種証明書は、かかりつけの小児科医やトラベルクリニックで記載してもらえます。

【Routineワクチン】
日本では、BCG、三種混合(DPT)、ポリオ、MR(はしか、風しん)、日本脳炎が定期接種となっています。一方、アメリカでは、Hib、肺炎球菌、B型肝炎、おたふくかぜ、みずぼうそう、などもRoutineのワクチンに含まれます。

【トラベラーズワクチン(Required, Recommend)】
黄熱、A型肝炎、狂犬病、(B型肝炎)、(日本脳炎)を、渡航地域に応じて接種します。黄熱ワクチンは、検疫所など接種できる医療機関が限られるため、アフリカや南米に渡航する方で黄熱ワクチン接種が必要な方は、早めにスケジュールを立てることをお勧めします。

トラベラーズワクチンには、腸チフスや髄膜炎菌、コレラワクチンなども含まれますが、日本には存在しません。海外から個人輸入している医療機関でのみ接種できます。

【ボストンでは】
念願だったボストンへの学会。時間を見つけては、ボストンの街中をゆっくり散歩。日本よりも少し肌寒い天候でしたが、新緑がうるおうパブリックガーデンやチャールズ川の遊歩道での、ゆったりした時間は、日頃のあわただしい生活から自分を解放してくれるようでした。
また、レストランを巡り、クラムチャウダー、生ガキ、ロブスター、ステーキなど、美味しい物を堪能してきました。お腹もお肌もプリプリになった感じです。「やっぱり旅行は良いなー。」
 
次回は、各トラベラーズワクチンについて説明していこうと思います。ぜひご期待を。




◇編集部より◇ 新年号より新たに渡航医学に詳しい小児科の先生からご寄稿をいただいております。昨年9月より東京医科大学病院に開設された渡航者医療センターでご活躍中の福島慎二先生が隔月で登場です。(次回は7月掲載の予定です。)子ども帯同の海外渡航者には心強い専門家です。読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。
●「小児科医からのアドバイス」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/html/jigyou_iryou2_4.html#indch

著者の所属先サイト:東京医科大学病院渡航者医療センターはこちらから
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/tokou/index.html