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ニュースレター(機関紙)

小児科医からのアドバイス 2 こどもの病気と事故
NL11030109
医療情報、小児科、海外渡航

小児科医からのアドバイス 2 こどもの病気と事故


東京医科大学病院
渡航者医療センター
小児科医師 福島慎二

さて、1月にひきつづき「小児科医からのアドバイス」と題して、子どもに関わる様々なテーマを小児科医の視点から皆様にお伝えしたいと思います。

【海外でかかりやすい病気】
海外で生活する日本人の子どもにとって、かかりやすい病気は「かぜ」と「胃腸炎」です。渡航前には、現地特有の感染症を心配することが多いのですが、重症・軽症は別として、頻度の高い病気は「かぜ」と「胃腸炎」です。

そのため、予防の基本は、「手洗い」と「うがい」です。「えー。それでは、日本に居るときと変わらない」と、思うかもしれません。でも、その通りです。基本は「手洗い」なんです。外来をしていて、自分が病気にかからないようにするためにも、「手洗い」と「うがい」は心がけています。

そして、その他に、子どもの中で流行しやすい病気は、「みずぼうそう」や「おたふくかぜ」などです。「みずぼうそう」や「おたふくかぜ」も、時に、脳炎や髄膜炎など怖い合併症を引き起こすことがあります。日本では任意接種ということで接種していない子どもが多いのですが、ぜひワクチンを接種して、予防しておきたいですね。
 
【予防できる小児の事故】
その他、事故やけがも見逃せません。子どもでは、多少のけがはつきもの、と思いがちですが、事故やけがは重篤な健康問題になりかねないのです。

事故の中には、「不慮」によるものと、「意図的」なものの2つに分けられ、前者は交通事故、溺水、やけど、誤飲・中毒、誤嚥などを含み、後者には自殺、虐待などがあります。
国内のデータでは1960年以降、0歳を除いた1~9歳の子どもの死因の第1位は、「不慮の事故」であり、とくに交通事故、溺水、窒息が多いと分析されています。ただし、これらは氷山の一角であり、報告に至らない事故の数はもっと多いでしょう。
小児科の外来をしていると、タバコや貨幣・おもちゃ・電池の誤飲なども多く経験します。
すなわち、事故も病気と同様、子どもの生命を脅かす健康問題なのです。

海外で生活している日本人の子どもたちの事故のデータはないため、日本国内より多いのか少ないのかは分かりません。しかし、各家庭で日頃から事故予防に取り組んでおくことは重要です。
海外の研究者の間では、「事故」を表す英語は、Accidentではなく、Injuryが使用されています。この理由は、Accidentには「避けることができない」というニュアンスが含まれているのに対して、Injuryには「予測できる、予防できる」というニュアンスが含まれているからです。

【でも、とほほ…な出来事】
でも恥ずかしながら、僕の自宅でも、1歳の二男がやけどをしました。風呂場で熱湯側の給湯部をさわったのです。右掌の全体が、みずぶくれ・・・。その後、毎日通院するはめになり、へこんでいた僕に、長男が一言。「パパは医者なのに治せないの?」 子どもは正直かつ残酷だな・・・と、思う次第。事前に、給湯部分が熱いかどうかを確かめておけば良かった。

子どもの事故は起きてから対処をするよりも予防するほうが、精神的にも、経済的にも、効率的です。そう考えると、予防が大事ですね。

それでは次回も、海外で子どもが元気に過ごすための話をしていきます。


3月11日金曜日に発生した東北関東大地震は未曾有の災害となっています。
 被災者の皆様には心からお見舞いを申し上げます。
 皆さまの安全と一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。




◇編集部より◇ 新年号より新たに渡航医学に詳しい小児科の先生からご寄稿をいただくことになりました。昨年9月より東京医科大学病院に開設された渡航者医療センターでご活躍中の福島慎二先生が隔月で登場です。子ども帯同の海外渡航者には心強い専門家です。読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。
●「小児科医からのアドバイス」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/html/jigyou_iryou2_4.html#indch

著者の所属先サイト:東京医科大学病院渡航者医療センターはこちらから
http://hospinfo.tokyo-med.ac.jp/shinryo/tokou/index.html