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ニュースレター(機関紙)

健康コラム―中国人の生活の知恵(20) 食べ物の「五つの色・味」と五行説
NL11020106
健康、中国


健康コラム―中国人の生活の知恵(20)
食べ物の「五つの色・味」と五行説


北京グローリークリニック
院長 朴順子



私たちの毎日の食卓を賑わす食品、ことに色とりどりの野菜や脂がのった魚は旬のものならではです。それぞれの季節に収穫される旬の食品は、ハウスものや冷凍品に比べ、格段に味が良く、栄養価も高いですし、他の季節より安価な点も有り難いことです。旬の味を大切にする日本料理が「健康」の面からも見直され、世界各国の人々から好評を得ているのも頷けます。
中国の伝統医学では、食材の色(白・黒・緑・赤・黄の5つ)と味(辛・塩・酸・苦・甘の5つ)は五臓(肺・腎・肝・心・脾)、五行(金・水・木・火・土)、五官(鼻・耳・目・舌・口)と密接な関わりがあり、身体の状態に合わせてバランスよく摂取することが肝要とされています。

ところで、五行の相関関係について付け加えますと、「金は水を生かし、水は木を生かし、木は火を生かし、火は土を生かし、土は金を生かす」(相生関係)、「金は木を抑え、水は火を抑え、木は土を抑え、火は金を抑え、土は水を抑える」(相克関係)とされます。この「五行思想」は中国古代夏王朝の創始者「禹王」が発案したもので、万物は「木火土金水」という五つの要素により成り立つとする説です。後の春秋戦国時代に、斉国の陰陽家の鄒衍により、5つの惑星と、さらにその後様々な事象と結び付けられ、陰陽思想と五行説が統合されて観念的な陰陽五行思想として完成しました。

「黄帝内経」は今から2000年以上も前の前漢時代に編纂された中国最古の医学書で、日本では京都の仁和寺に日本最古の『黄帝内経太素』の写本が所蔵されているそうですが、この書のなかでは「食物の酸味は肝臓と関連があり、肝機能を高め、苦味は心臓と関連していて、心機能を強める。また甘味は脾臓と繋がり、脾臓を強化し、辛味は肺と照応していて、肺臓機能を活発にするし、塩味は腎臓と関連があって、腎機能を強くする」と書かれています。

しかし、食物を選択する際には、五つの味をバランスよく摂ってこそ健康につながります。どれか一方に偏った食生活をしていると病気を引き起こす結果になりかねません。例えば、酸味ばかり食べ過ぎれば、肝臓の気が旺盛になりすぎて脾臓と胃の機能を損ないますし(木が土を抑える)、苦味が過ぎれば、心臓の気が度を過ぎて肺を損ない(火が金を抑える)、甘味が過ぎれば脾臓と胃の気が膨張して腎臓を損ないます(土が水を抑える)。同様に、辛味は肺の気を、塩味は腎臓の気を旺盛にしすぎて、それぞれ肝臓の気と心臓の気を損なう(金は木を抑え、水は火を抑える)、とされます。
 
現代でも、例えば赤・緑・黄等の色彩は緑黄色野菜の色そのもので、積極的な摂取が奨励されていますし、また生活習慣病の予防にはレモンやすだちの酸味で味を調え、塩分はできるだけ控え目にするのがよいとされていますが、これは中国伝統医学の考え方と一脈通じるものがあります。
現代医学では、塩分(塩化ナトリウム)を体内に取り込みすぎると高血圧を招き、血管を痛めて、さまざまな心臓疾患の原因となることが知られていますが、まさに「水(塩、腎臓)が火(心臓)を抑える」という言葉のとおりです。すでに2000年も前にこのような医学思想が書かれていたことは驚くほかありません。

こうした先人の叡智にもとづき、自分の健康状態に合わせて、色彩と食味それぞれのバランスを取りつつ、しかも美味しく食べることができれば、まさに「医食同源」といえますね。






◇編集部より◇2009年7月よりコラム「中国人の生活の知恵」を開始しました。中国四千年とも五千年とも言われる長い歴史の中で培われた先人の深い知恵と最新の医学情報に基づいた、日々を健康に過ごすためのアドバイスを北京グローリークリニック(http://www.glory-clinic.com/)朴院長がお届けします。読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。

「健康コラム―中国人の生活の知恵」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#chie

10月のお知らせ続報です。北京グローリークリニック(http://www.glory-clinic.com/)は昨年9月に中日青年交流センター内に新築された「二十一世紀大厦」の1階と2階の2フロア(北京市朝陽区亮馬橋路甲40号、TEL:010-8444-6168(代表))に移転、近日中にグランドオープンの予定です。これまで同様に皆さまの健康をまもるパートナーとしてご利用ください。