• ホーム
  • 基金について
  • 海外医療情報
  • お勧めリンク集
  • よくある質問

ホーム > 海外医療情報 > ニュースレター(機関紙)

ニュースレター(機関紙)

海外勤務者のための予防接種Q&A その5 腸チフス、髄膜炎菌、麻疹、コレラ
NL11020105
医療情報、海外渡航、予防接種

海外勤務者のための予防接種Q&A その5
-腸チフス、髄膜炎菌、麻疹、コレラ-


渡航医学センター 西新橋クリニック 院長
株式会社 渡航医学センター 代表取締役
日本渡航医学会 副理事長
大越裕文

2010年9月開催のJOMF主催セミナー“海外に人を派遣する企業の為の予防接種Q&A ”で皆様から寄せられた予防接種に関する質問とその回答を紹介しております。

第5回は、腸チフス、髄膜炎菌、麻疹、コレラのワクチンに関するQ&Aを紹介いたします。

腸チフス
Q) 腸チフスに感染するリスクの高い国はどこですか。
A) 腸チフスは経口感染症ですので、途上国で観戦するリスクが高くなります。日本で発症する腸チフス患者をみると、そのほとんどは、南アジア・東南アジアからの帰国者です。そのほか、アフリカ・中南米の途上国も感染するリスクがあります。




感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/350/graph/f3503j.gif

Q) 腸チフスワクチンは日本で接種できるのですか。
A) 日本では未承認ですが、一部のトラベルクリニックで取り扱っています。腸チフスワクチンは、経口生ワクチンと不活化ワクチン(注射)がありますが、ほとんどのクリニックは、1回接種で済む不活化ワクチンを使用しているようです。ワクチン接種後、70%くらいの方が免疫を獲得し、その効果は3年間持続します。流行地に長期滞在する方や短期でも衛生状態の悪い地域に渡航される方は接種が推奨されるワクチンです。



髄膜炎菌ワクチン
Q) 髄膜炎菌ワクチンをアメリカの大学に入学する際に接種を要求されることがありますが、なぜですか?
A) 米国の大学の寮でしばしば髄膜炎菌の流行が見られたことから、入学に際して要求されるようになりました。
Q) 髄膜炎菌が主に流行しているところはどこですか?
A) 流行性髄膜炎はアフリカの髄膜炎ベルト地帯(赤道から北緯20°間)とサウジアラビア(イスラムの巡礼時期)が流行地です。イスラムの巡礼時期にサウジアラビアへ入国する時に要求されることがあります。




CDC YellowBook
http://wwwnc.cdc.gov/travel/yellowbook/2010/chapter-2/meningococcal-disease.aspx
 髄膜炎菌のワクチンは、2価(A・C)と4価(A・B・C・W‐135)の2種類がありますが、A・B・C・W‐135の血清型を含む4価のワクチン接種を推奨されています。
 (南里清一郎教授 海外赴任と予防接種より http://www.jomf.or.jp/html/yobou.html
 髄膜炎菌ワクチンも日本製はありませんので、ご希望の方はトラベルクリニックで接種を受けてください。

麻疹ワクチン
Q) 2,3年前、カナダでから麻疹に感染した修学旅行生が出て、同行した生徒や先生が出国停止となる事態が発生しましたが、何故あのようにカナダは厳しい措置をとったのでしょうか?
A) 麻疹は子供がかかる軽い病気と思われがちですが、実は極めて感染力が強く、重症の感染症です。現在、カナダ・アメリカでは、麻疹ワクチンの2回接種の徹底により、自国内感染数をほぼゼロにまで減少させています。しかし、海外から麻疹患者が入国すると、ワクチンのまだ接種できない乳幼児や免疫のできない人に感染させてしまう危険があります。そのため、厳しい措置を取っています。
 特に日本は、日本国内で感染し人がアメリカ・カナダで発症した事例が相次いために、麻疹の輸出国と非難されています。渡航者の中で、特に30歳未満の方は、日本渡航医学会のガイドラインを参考に対策をとることを推奨します。

参考)海外渡航者に対する麻疹対策ガイドラインより一部抜粋
2008年4月1日 日本渡航医学会
http://www.travelmed.gr.jp/

渡航を予定している社員の方々に下記の対策を推奨してください。
・麻疹に対する免疫の確認(抗体検査)。
・免疫のない場合は、ワクチン接種。
・免疫を証明する英文の証明書の持参。



コレラワクチン
Q) 現在もハイチやアフリカなどでコレラが流行していますが、コレラワクチンをあまり接種しなくなったのはなぜですか?
A) コレラはいまだに、世界に広く分布する感染症であることには変わりはありません。しかし、現在流行しているエルトール型コレラは1960年頃まで流行したアジア型コレラと異なります。エルトール型はアジア型より病原性が低く、従来の注射型のワクチンの効果もあまり高くないことから、ワクチンは接種されなくなりました。
 エルトール型コレラに効果のあるワクチンは、経口型(飲むワクチン)のワクチンで、海外製ですので、トラベルクリニックで接種可能です。感染症にかかりやすい人や救援活動などで流行地に滞在する方に推奨されています。






◇編集部より◇ 昨年9月に開催のセミナーは大越先生を講師にお迎えして、お陰様で好評を頂きました。セミナーでの活発なQ&Aをもとに、これまでのシリーズ「渡航医学のABC」、「海外勤務者のための渡航医学」に引続き「海外勤務者のための予防接種Q&A」として連載させていただきます。
・セミナー東京会場レポート
http://www.jomf.or.jp/html/doc/seminar201009_1.pdf
・セミナー大阪会場レポート
http://www.jomf.or.jp/html/pdf/20101025_00.pdf

読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。

著者のサイト:渡航医学センター 西新橋クリニック
http://www.tramedic.com
「渡航医学のABC」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#abc
「海外勤務者のための渡航医学」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#yomo
「海外勤務者のための予防接種Q&A」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#yobo