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ニュースレター(機関紙)

海外勤務者のための予防接種Q&A その4 BCG、日本脳炎、ポリオワクチン
NL11010105
医療情報、海外渡航、予防接種

海外勤務者のための予防接種Q&A その4 BCG、日本脳炎、ポリオワクチン


渡航医学センター 西新橋クリニック 院長
株式会社 渡航医学センター 代表取締役
日本渡航医学会 副理事長
大越裕文

2010年9月開催のJOMF主催セミナー“海外に人を派遣する企業の為の予防接種Q&A ”で皆様から寄せられた予防接種に関する質問とその回答を紹介しております。

第4回は、BCG(結核のワクチン)、日本脳炎、ポリオワクチンに関するQ&Aを紹介いたします。

BCG
Q) アメリカに赴任している社員から次のような報告を受けました。
“子供がツベルクリン反応検査(ツ反)を現地で受け、陽性であったことから、胸部レントゲン検査を受けさせられました。結果は問題ないと診断されましたが、結核の薬を処方され、家族も全員ツ反を受けさせられました。”
どうしてこのようなことになるのでしょうか。また、その対策を教えてください。
A) アメリカでよくあるトラブルです。まず、日本とアメリカの結核への対応方法(BCG接種、ツ反)の違いを理解してください。日本では、生後6ヵ月未満の小児にBCGを行っていますが、アメリカはBCG 接種を行わず、入園・入学時にツベルクリン反応検査を行い、結核に感染しているかどうかをチェックします。ツ反の結果が陽性であれば、結核に感染していると判断し、胸部X 線撮影を行い、治療(予防投薬)されることがあります。一方、日本では、BCG 接種しているので、当然ツベルクリン反応が陽性になる可能性が高くなります。すなわち、日本では、ツ反陽性は正常、アメリカでは、ツ反陽性は結核に感染と考えるということです。アメリカでトラブルにならないように、医師からBCG 接種を受けた旨を予防接種証明書に明記してもらってください。
なお、ツ反の判定基準も日本と海外では異なります。日本では、発赤の直径で判定しますが、海外では、硬結(膨疹)の大きさで判定します。したがって、赤くなっていても、硬くなっていなければ陰性となります。

詳しくは>>南里清一郎教授 海外赴任と予防接種http://www.jomf.or.jp/html/yobou.html





日本脳炎ワクチン
Q) 日本脳炎ワクチンは、H17年5月より積極的勧奨が控えられていましたが、現状はどうなっていますか。
A) 日本脳炎ワクチンと急性散在性脳脊髄炎という脳神経の病気との関連が否定できないとの理由で積極的な勧奨が差し控えられましたが、新しい細胞培養型のワクチンが利用可能となったことから、2010年4月より積極的勧奨が再開されています。
Q) 日本脳炎は、今でも日本で患者は発生しているのですか。また、海外での流行地はどこですか?
A) 西日本中心に年間10例弱の日本脳炎患者が発生しています。また、海外では、アジアを中心に流行が続いていますので、渡航前には接種することが推奨されています。



Distribution of Japanese Encephalitis in Asia, 1970-1998 CDC
http://www.cdc.gov/ncidod/dvbid/jencephalitis/map.htm

Q) 基礎接種完了者であれば、最終接種から20年以上経過していても追加1回で抗体獲得可能ですか?
A) 基礎接種がスケジュール通り3回接種されていれば、1回接種で抗体の獲得は期待できます。



ポリオワクチン
Q) 日本はなぜ経口生ワクチンなのですか?
A) 過去にポリオが大流行しました。その際にワクチンが不足していたために、生ワクチンを緊急輸入接種することにより、ポリオの患者数を激減させることに成功しました。しかし、その後も生ワクチンから不活化ワクチンに切り替えませんでした。生ワクチンは、接種された人だけではなく、免疫のない家族に副作用が報告されていることから、早く日本も切り替える必要があります。ちなみに、多くの先進国ではすでに不活化ワクチンを接種しています。
Q) ポリオが流行している国はどこですか?
A) アフガニスタン・インド・ナイジェリア・パキスタンが常在国です。 最近中央アジアで流行し、問題となっています。


ポリオの常在国と予防接種が推奨されている国(WHO)


(上記の図をクリックすると拡大表示します。)
http://gamapserver.who.int/mapLibrary/Files/Maps/Global_PolioRisk_ITHRiskMap.png


国別ポリオ患者数(WHO 2011年1月11日現在)


(上記の図をクリックすると拡大表示します。)
http://www.polioeradication.org/Dataandmonitoring/Poliothisweek.aspx


Q) なぜ、 1975年から 77年生まれの人は、ポリオワクチンの追加接種が推奨されているのですか?
A) 1975年から 77年生まれの方に接種されたポリオワクチンの効果が低かったために、ポリオワクチンの追加接種を厚生労働省は推奨しています。 ポリオ常在国に渡航する方、或いは、子供がポリオワクチンを接種する場合には接種を受けてください。





◇編集部より◇ 昨年9月に開催のセミナーは大越先生を講師にお迎えして、お陰様で好評を頂きました。セミナーでの活発なQ&Aをもとに、これまでのシリーズ「渡航医学のABC」、「海外勤務者のための渡航医学」に引続き「海外勤務者のための予防接種Q&A」として連載させていただきます。
・セミナー東京会場レポート
http://www.jomf.or.jp/html/doc/seminar201009_1.pdf
・セミナー大阪会場レポート
http://www.jomf.or.jp/html/pdf/20101025_00.pdf

読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。

著者のサイト:渡航医学センター 西新橋クリニック
http://www.tramedic.com
「渡航医学のABC」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#abc
「海外勤務者のための渡航医学」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#yomo
「海外勤務者のための予防接種Q&A」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#yobo