• ホーム
  • 基金について
  • 海外医療情報
  • お勧めリンク集
  • よくある質問

ホーム > 海外医療情報 > ニュースレター(機関紙)

ニュースレター(機関紙)

海外勤務者のための予防接種Q&A その3 破傷風トキソイド、狂犬病ワクチン
NL10120105
医療情報、海外渡航、予防接種

海外勤務者のための予防接種Q&A その3 破傷風トキソイド、狂犬病ワクチン


渡航医学センター 西新橋クリニック 院長
株式会社 渡航医学センター 代表取締役
日本渡航医学会 副理事長
大越裕文

2010年9月開催のJOMF主催セミナー“海外に人を派遣する企業の為の予防接種Q&A ”で皆様から寄せられた予防接種に関する質問とその回答を紹介しております。

第3回目は、破傷風と狂犬病に関するQ&Aを紹介いたします。

破傷風トキソイド
Q)1968年以降生まれで、定期予防接種でDPT(三種混合)、DT(二種混合)を接種している場合で、小児期以降、破傷風の予防接種をしていないとき、何年あいていても1回の追加接種でいいでしょうか?
A)基礎接種がきちんとなされていれば、1回の接種で十分です。10年間有効です。
Q)1968年以降生まれの人は、小児期にDPT、DTの接種をしているものとしていいのでしょうか。母子手帳等で接種が確認できない限り、はじめから接種するとした方がよいのでしょうか?
A)大多数の方が、接種していますが、まれに接種をしていない方もいます。母子手帳で確認してください。特に、1968年から1973年までの定期予防接種への移行期には接種していない方がいるようです。接種したかどうか不明の場合は、基礎接種3回を行うべきです。
Q)破傷風は、先進国へ渡航する場合も必要ですか?
A)必要です。先進国を含め、世界中で破傷風感染の報告があります。日本でも2008年1年で、123名の患者が報告されています。
Q)成人にも小児と同じように三種混合ワクチンの接種をすべきとの意見がありますが、必要でしょうか?
A)最近、先進国で成人の百日咳の患者が増加し、米国では成人も三種混合ワクチンを追加接種するように推奨されています。日本で三種混合ワクチンを接種する場合、日本製には成人用がありませんので、海外製の輸入ワクチンを使用するか、日本製の小児三種混合ワクチンを少量接種する方法があります。



狂犬病ワクチン
Q)事前の接種に関係なく、犬に咬まれたらワクチンを接種しなければならないのであれば、事前接種は無駄ではないでしょうか。
A)狂犬病は発症した場合、ほぼ100%死亡する感染症のため、暴露前(咬まれる前)接種を行っていない場合は、緊急に免疫グロブリンと狂犬病ワクチンを接種しなければなりません。しかし、途上国では、免疫グロブリンを入手することは多くの場合困難です。また、安全な狂犬病ワクチン接種ができる保証がありませんので、リスクが高く、医療レベルの不安のある地域に渡航される場合は、事前にワクチンを接種しておくことを推奨します。
Q)犬に咬まれた後、海外ワクチンを接種した後、日本製のワクチンを接種しても大丈夫ですか?
A)海外製と日本製ワクチンの互換性については検証されていませんが、海外のワクチン接種後に日本のワクチンを接種した場合でも、十分に抗体が上昇していることが確認されており、狂犬病を発症した方もいません。アメリカ疾病予防センターもベロ細胞あるいはニワトリ胚細胞培養によるワクチンであれば、アメリカが販売許可していないブランドの製品を使用しても問題ないとしています。
Q)狂犬病のリスク国で、動物に噛まれることが多い国はどこでしょうか?
A)都立駒込病院に暴露後接種で来院された方の渡航先をみると、タイ・中国・インド・フィリピン・インドネシアが多いようです。狂犬病患者数では、インド、中国、東南アジアの国々です。


(上記の図をクリックすると拡大表示します。)

厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/index.html



Q)日本のワクチン接種スケジュールは、3回接種するのに6カ月を要しますが、日本製のワクチンをWHO方式(0、7、21-28日の3回接種)で接種して効果は期待できるのでしょうか?
A)日本製ワクチンをWHO方式で接種しても免疫ができることが報告されていますが、ワクチンに問題があった場合の補償が受けられない可能性がありますので、推奨するのはひかえるべきではないかと思います。短期間で接種したい場合は、輸入ワクチンで行うべきではないかと思います。
Q)狂犬病が感染するかもしれない動物は国によって異なりますか?
A)異なります。犬が圧倒的に多いのですが、欧米では犬よりも野生動物にリスクがあります。


厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/index.html








◇編集部より◇ 本年9月に開催のセミナーは大越先生を講師にお迎えして、お陰様で好評を頂きました。セミナーでの活発なQ&Aをもとに、これまでのシリーズ「渡航医学のABC」、「海外勤務者のための渡航医学」に引続き「海外勤務者のための予防接種Q&A」として連載させていただきます。
・セミナー東京会場
http://www.jomf.or.jp/html/doc/seminar201009_1.pdf
・セミナー大阪会場
http://www.jomf.or.jp/html/pdf/20101025_00.pdf

読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。

著者のサイト:渡航医学センター 西新橋クリニック
http://www.tramedic.com
「渡航医学のABC」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#abc
「海外勤務者のための渡航医学」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#yomo