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ニュースレター(機関紙)

海外勤務者のための予防接種Q&A その2 黄熱ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン
NL10110105
医療情報、海外渡航、予防接種

海外勤務者のための予防接種Q&A その2 黄熱ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン

渡航医学センター 西新橋クリニック 院長
株式会社 渡航医学センター 代表取締役
日本渡航医学会 副理事長
大越裕文

前回より、JOMF主催セミナー“海外に人を派遣する企業の為の予防接種Q&A ”で皆様から寄せられた予防接種に関する質問とその回答を紹介しております。

第2回目は、黄熱ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎に関するQ&Aを紹介いたします。

黄熱ワクチン

Q)渡航先が、黄熱予防接種の国際証明書を入国時に要求する国ではないのですが、感染する危険のある国の場合、黄熱予防接種はどうしたらよいですか?
A)渡航先が、証明書の提示を求めない国であっても、 黄熱に感染する危険のある国あるいは地域であれば、予防接種が推奨されています。ブラジルのように大きな国では流行地域と非流行地域がわかれていますので、検疫所のホームページなどを参考にして接種の必要性を検討してください。
ただし、複数の国に渡航する場合、 “黄熱に感染する危険のある国”の滞在後、アフリカ、東南アジア、南アジア、中国、オセアニアに入国する際には、証明書の提示を求められる場合がありますので、注意が必要です。下記サイトでご確認ください。
◇黄熱に感染する危険のある国
http://www.forth.go.jp/03_carefull/yellowfever_vaccine.html
Q)黄熱ワクチンは、一般のクリニックでは接種できないと聞きました。どこで接種ができるのでしょうか?
A)日本では、検疫所と検疫所が指定した医療機関、また検疫衛生協会でしか接種できません。大変込み合っていますので、早目に予約してください。
◇黄熱ワクチンが接種できる検疫所
http://www.forth.go.jp/07_list/index.html
◇黄熱ワクチンが接種できる検疫所以外の医療施設
http://www.forth.go.jp/07_list/index_2.html
Q)黄熱ワクチンの有効性を教えてください。
A)接種後14日で、ほぼ100%の方が抗体(免疫)を獲得できます。接種証明書は、接種後10日目より10年有効となります。したがって、現地到着10日前に接種を完了しなければなりません。
Q)危険な副作用はありますか?
A)黄熱ワクチンは、鶏卵由来でゼラチンを含みますので、卵や鶏肉蛋白、ゼラチンに重症のアレルギーがある人には接種できません。その他、重篤な副作用として、脳症(20万人に一人)や多臓器不全(40万人に一人程度)が報告されており、特に高齢者は死亡例も報告されています。また、9か月未満の乳幼児は、脳症のリスクが高いことから、接種できません。
Q)A型肝炎など、ほかのワクチンを接種する場合はどうするのか?
A)海外では、生ワクチンと不活化ワクチンはいつ接種してもよいことになっていますが、日本のやりかたでは、生ワクチン接種後4週間はほかのワクチンの接種ができません。黄熱ワクチンは生ワクチンですので、まず、他のワクチンをまず接種し、最後に黄熱ワクチンを接種するようにしてください。


A型肝炎ワクチン

Q)年齢によって予防接種の適応がありますか?
A)衛生状態が悪い国では、幼少期にA型肝炎に自然感染して多くの人が免疫を持ちます。かつて日本もそのような状態でしたが、戦後急激に衛生状態が改善されたため、1950年以降に生まれた方々は、ほとんどの方が免疫をもっていません。したがって、汚染国に渡航する場合には予防接種が必要です。ただし、日本製ワクチンは16歳未満に対する接種は未承認です。
Q)A型肝炎ワクチンの3回接種後の追加接種はどうすればよいですか?
A)日本には追加接種の指針がありません。10年たったら、抗体検査で免疫の有無を確認する、あるいは1回追加接種するのが一般的や対応です。
Q)子供にA型肝炎ワクチンは必要ですか。その場合、どのように接種するのですか?
A)5歳未満の小児は不顕性感染(発症しないで治る)が多いため、感染予防だけの目的ではあまり必要ありませんが、5歳以上の小児や大人に感染させてしまう危険が生ずるため、1歳以上の小児にもA型感染ワクチンの接種が推奨される傾向にあります。米国では、定期予防接種に導入しています。海外のワクチンであれば、1歳以上の小児に接種可能です。日本製のワクチンは16歳未満は未承認ですが、すでに、臨床試験は行われており、成人と同量の1回0.5ml 接種で、十分な効果が得られていますので、保護者からの希望があり、又、その保護者が十分な説明を受け、納得が得られる場合には、医師の判断により接種ができます。
○海外赴任と予防接種(南里清一郎先生監修)
http://www.jomf.or.jp/html/yobou.html
Q)途上国の中で、A型肝炎の流行の報告がない国は、安全と考えてよいですか?
A)これは間違いです。A型肝炎に高度に汚染されている地域は国民の多くが幼少期に不顕性感染をしているため、流行が起こりません。もっとも危険な地域と認識すべきです。


B型肝炎ワクチン

Q)赴任先で3回目接種する場合、海外のワクチンでも抗体は獲得できますか?
A)日本製のワクチンは、基本的に日本でしか流通していないために、海外のワクチンとの互換性が確認されていませんが、一般的に欧米製のワクチンであれば、問題ないと考えられています。B型肝炎ワクチンのヘプタバックスIIは、メルク社からの輸入なので、一部の海外のワクチンとの互換性は確認されています。
Q)ワクチンの有効性はどれくらいですか?
A)日本の報告では、3回接種で95%の方が抗体陽性となります。残念ながら、3回接種で免疫ができない人がいますので、3回接種後抗体確認のための検査をお勧めします。
Q)3回接種後、抗体を確認する時期はいつごろですか?
A)基本接種1-2カ月後に抗体検査することが推奨されています。抗体ができていなければ、追加接種を1回行うのが日本のやり方です。アメリカはできていなければもう3回接種し、それでもできなければ、ワクチンの追加は行わず、B型肝炎感染の危険がある血液などに暴露された場合、γグロブリン(抗体)を接種します。
Q)B型肝炎は性行為等などで感染するのであれば、海外出張や赴任に予防接種は本当に必要でしょうか?
A)B型肝炎は日本人渡航者が感染する感染症の中で、頻度の高い疾患となっています。B型肝炎に感染に感染すると、2,3か月の休養が必要となりますので、感染経路にとらわれず、業務への影響を考慮すべきです。なお、性感染症は、B型肝炎だけではありませんので、性行為などのリスクや予防について教育すべきことは言うまでもありません。



◇編集部より◇ 今年9月開催のセミナーは大越先生を講師にお迎えして、お陰様で好評を頂きました。セミナーでの活発なQ&Aをもとに、これまでのシリーズ「渡航医学のABC」、「海外勤務者のための渡航医学」に引続き「海外勤務者のための予防接種Q&A」として先月より連載開始となりました。
・セミナー東京会場
http://www.jomf.or.jp/html/doc/seminar201009_1.pdf
・セミナー大阪会場
http://www.jomf.or.jp/html/pdf/20101025_00.pdf

読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。

著者のサイト:渡航医学センター 西新橋クリニック
http://www.tramedic.com
「渡航医学のABC」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#abc
「海外勤務者のための渡航医学」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#yomo