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ニュースレター(機関紙)

北京の街角から~中国医療現場からの報告~第26章「露骨な序列主義」
NL10090104
医療情報、中国


北京の街角から~中国医療現場からの報告~
第26章「露骨な序列主義」


北京天衛診所顧問歯科医
中華人民共和国 歯科認定医
田中健一

いつも鋭い質問をする中国人スタッフである王看護師が、ある時「日本で最もレベルの高い大学はどこですか?」と私に聞いてきました。(最近の入学試験状況は不案内でありますが) 私は東京大学だと思うよ、と答えたのです。以下彼女とのこの件をめぐるやり取りです。

王看護師:東京大学には国家の趨威を集めた医療機器が揃っているんですか?

:もちろんです、でも同じ医療機器は他の大学でも持っていますよ。

王看護師:じゃあ、著明な教授が揃っているんですか?

:もちろんです、でも著明な教授は他の大学にもいますよ。

王看護師:じゃあ、国家の実力総合評価によって1位なんですか?

:日本では週刊誌が良い大学や病院を評価することはあるけど、日本という国家が実力総合評価なんかしてしまったら、序列を煽るものとして大問題になってしまうよ。

王看護師:ならなぜ東京大学が一番とわかるのですか?

:(この鋭い質問には返答に窮しましたが)それは、大学入学試験の成績が一番だからです。

王看護師:え?、大学入学試験の成績ってそれは10代のことであって、その後も1位を維持するためには、研究費、器材、人材計画において専門に優遇をしていかないと1位とはいえないのではないですか?

:多少は優遇があるにせよ(この考え正しいですか?、以前、東大で雨漏りのする実験室があると報じられたことがありましたが)、国家が露骨に東大を優遇したといったら、輿論も黙っていないと思いますね。


では中国ではレベルを評価することにおいて明確な基準を有しているのですか? と逆に私が聞いたのです。

王看護師は、私も基準はわからないけどあるはずです、と答えました。私はこの点が気になったので、実際のところを調べてみました。その結果たるや「唖然!」そのものです。

中国では医学校のレベルは、きれいに序列化され国家によっ上位50位までの大学(病院は176)が公表されます。その基準は国家が定める重点学科の有無、実験室、教官のうち博士号・修士号を有するものの人数、国家が認定する著明学者の数、論文数量、博士過程の学生を指導する教官数、国家の人材計画に取り入れられているか否か、附属病院のレベル、など11項目にわたります。

そして順位付けされた結果が評価を受け、研究費や器材費という形で配分されるのです。高い評価の医学院には多くのお金を、低い評価のところには少しのお金を、です。それにより、より良い結果を出すため猛烈な競争がはじまるのです。

アメとムチを使い分けることによって全体のレベルのアップを中国ははかっていることがわかったきたのです。これって共産主義の考えと齟齬をきたさないのだろうか?と考えざるをえないのですが、それはさておき、ここから言えることは日中の間において基準の取り方が大きく異なっていることです。

日本でも(財)医療評価機構が認定を出していますが、それはあくまでも合否であり、順位までは出ません。こうしてみると、どちらが良いかは一目瞭然と私は思います。
中国が、科挙の例を引き出すまでもなく、学歴社会になっているのも、このような制度のもとではある面致し方ないかと思うようになりました。

以下、中国の上位10医学校です。特徴は北京、上海にある医学院はレベルが高いのは理解できますが、8,9,10位に軍医大学(日本でいえば防衛医科大学)が入っているのも中国の特徴といえるやもしれません。

1.清華大学 北京協和医学院
2.北京大学医学部
3.復旦大学 上海医学院
4.上海交通医学院
5.華中科技大学 同済医学院 (武漢)
6.中山大学中山医学院
7.四川大学華西医学中心 (成都)
8.第二軍医大学 (上海)
9.第四軍医大学 (西安)
10.第三軍医大学 (重慶)





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