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ニュースレター(機関紙)

海外勤務者のための渡航医学 その3 海外赴任前の教育
NL10030105
医療情報、海外渡航

海外勤務者のための渡航医学 その3 海外赴任前の教育

渡航医学センター 西新橋クリニック 院長
株式会社 渡航医学センター 代表取締役
日本渡航医学会 副理事長
大越裕文

今回は、海外赴任者並び帯同家族を対象とした赴任前教育について紹介します。教育方法は、企業独自でセミナーを開催する場合や外部のセミナーに参加してもらうことが多いようです。いずれの方法であっても、赴任前教育には取り入れなくてはいけない項目がいくつかあります。以下のポイントを赴任者の皆さまにご指導ください。

赴任する前の準備

□ 赴任国の情報の入手
赴任国の気候、風土、衛生環境、医療情報を入手することが大切です。途上国の場合は、流行している病気、必要な予防接種、受診できそうな医療機関についても入手してください。
・厚生労働省検疫所ホームページ
http://www.forth.go.jp/
・外務省海外安全ホームページ 世界の医療情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html
・海外邦人医療基金 海外での医療機関情報
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/

□ 健康診断の受診
6か月以上、海外で勤務される方は、健康診断が法律で義務付けられています。早目に受診し、再検あるいは精密検査が指示された場合には、日本で行うようにしてください。また、ご家族も健康診断を受けるようにしてください。お子様の場合は、かかりつけの小児科の先生のところで年齢に応じた健診を受け、滞在中の注意について相談しておいてください。

□ 英文医療情報の準備
持病やアレルギーがある場合は、病名、内服中の薬(商品名と一般名)、アレルギーについて英文で記載された医療情報と検査データのコピーを準備してください。健康診断結果の英訳でもかまいません。また、お子様の母子健康手帳は、英文で翻訳をしてもらいましょう。お子様が予防接種を受ける際など医療機関を受診する際に役立ちます。

□ 予防接種
まず、黄熱病ワクチンの接種が義務づけられている国へ赴任される場合は、検疫所で予防接種を受けなければなりません。
・黄熱病予防接種要求国
http://www.forth.go.jp/tourist/useful/01_yobou.html

次は、赴任先の衛生状態に合わせた予防接種を受けてください。途上国の場合は、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病、日本脳炎などのワクチンが主に推奨されています。通常の医療機関で取り扱わない腸チフス、髄膜炎菌、狂犬病ワクチンの接種が必要な場合は、トラベルクリニックで相談してください。
・トラベルクリニック情報
http://www.travelmed.gr.jp/travel_clinic/travel_clinic.html
現地の学校に入学されるお子様がいらっしゃる場合は、入学に必要なワクチンがあるかどうか確かめてください。必要な場合は、早めに予防接種の準備をしましょう。

□ 市販薬の準備
海外の市販薬は、日本の市販薬に比べ一般的に強く、また種類が少ないといわれています。また、途上国では品質に問題のある薬もありますので、飲み慣れた薬を日本から持参するようにてください。

□ 医療機関の受診方法
赴任先で病気になった時に困らないように、医療機関の情報提供や支払いを含めた受診の方法を確認しましょう。あらかじめ受診する医療機関(ホームドクター)の候補を調べておくことも大切です。

□ 歯の治療
海外での歯科の治療費は、日本に比べると高額で、海外旅行保険ではほとんどカバーされません。治療方法も日本とは異なりますので、歯科治療は日本で受けるようにしてください。

□ 海外生活の心構え
慣れない海外での生活は、運動不足やストレスが溜まりやすくなります。現地でもできる運動やリラクゼーションの方法を予め考えておきましょう。気候が厳しいところや治安が悪いところでは、室内でできる運動がよいでしょう。
また、体調が悪くなった時に相談できるように、会社の海外担当者や産業保健スタッフと顔見知りになっておきましょう。

□ 緊急時の対応
赴任中にけがや病気になった際の緊急連絡先や会社の基本対応も確認しておきましょう。

滞在中の注意

□ 気候にあった生活をしましょう
赴任先の気候にあった生活を心がけましょう。赴任地が熱帯の場合は、日中の運動や外出を避け、水分補給に努め、毎日シャワーを浴び皮膚を清潔に保つことが大切です。

□ 生活習慣病の予防
海外では、運動不足や食生活の変化で生活習慣病が悪化しやすくなります。海外の食事は、高カロリー、高脂肪が多いことから、食事の量を控えめにし、野菜を多めにとるようにしてください。また、適度な運動を定期的に行ってください。食後2時間以内に、10?30分続けると効果的です。自宅で血圧、体重を定期的に測定するように心がけましょう。

□ 健康チェックと健康診断
赴任中も年に1 回は健康診断を受けてください。日本に一時帰国して際に受診するか、現地あるいは近隣の先進国で受診しましょう。

□ 感染症対策
赴任した国の衛生事情や流行している感染症の対策を行いましょう。水や飲食物の注意、蚊に刺されない対策などが特に大切です。

□ 医療保険の確認とホームドクター
赴任地で病気やけがをしたときに使用できる医療保険を確認し、その保険が利用できる医療機関も確認しておきましょう。できるだけ早い時期にホームドクターや緊急で受診できる病院も決めておきましょう。

□ メンタルヘルス
ストレス発散をするために、積極的に運動やリラックスできる方法を実践してください。また、辛いことがあったら、早めに自分をよく知っている人に相談しましょう。



◇編集部より◇ 昨年までの連載「渡航医学のABC」は、1月より新シリーズ「海外勤務者のための渡航医学」として引き続き大越先生にご執筆いただいております。読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。

著者のサイト:渡航医学センター 西新橋クリニック
http://www.tramedic.com
「渡航医学のABC」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#abc
「海外勤務者のための渡航医学」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#yomo