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ニュースレター(機関紙)

海外メンタルヘルスの現場から(80)海外赴任者のストレス~連休と単身・独身赴任
NL10010102
メンタルヘルス、海外赴任、ストレス

海外赴任者のストレス~連休と単身・独身赴任

シンガポール日本人会クリニック
小川原 純子

2009年が終わり、新年を海外で迎えられた方も少なくない時代です。シンガポールでは、このシーズン、地元小学校も冬休みに入り、ショッピングの中心地オーチャードロードにクリスマスの飾り付けが施され、夜間のライトアップの下、多くの家族連れやカップルが楽しそうに歩いています。

みんなが家族と連れ立って歩くような時期だからこそ、単身赴任者は「時間を持て余す感覚」や「孤独感」を感じ易くなっているようです。毎日、没頭し続けられる趣味を持っている人は、どれ程いらっしゃるでしょうか?自分独りの生活では、大掃除も新年の準備も雰囲気が出ません。
とにかく「時間が長い!!」これが海外単身生活の最大の弱点です。
自然と、飲酒量が増えてしまったり、休日の日中からお酒を飲んで、昼寝をして時間を潰すようになったりしてしまうこともしばしば。
「会社が始まった方が、生活し易い。」というご意見も伺います。

海外在住のご主人が、「年末年始帰ろうかなあ~」と電話口でつぶやいたら、奥さんは「いいわよ、別に。そんな無理して帰らなくても・・・」と答えてしまうかもしれません。実は、この「帰ろうかな~」は、「いや~、時間がありすぎてどうしたものかな・・・」という結構つらい悩みの表れです。「そっちで、独りの新年じゃ可哀相よね・・」とご家族に気持ちを酌んで頂けると助かります。
こんな時期だからこそ、ご家族や親戚にシンガポールに来て頂いて、一緒に新年を祝うなどの工夫も必要かもしれません。「家族がシンガポールにやってきて、自分の案内で色々と楽しんで帰ってもらう。」というのは、ご主人の結構な楽しみになるものです。
自分が来られなければ、時間が過ごし易くなるような、DVDや雑誌などを共有し、会話が増えてゆくようだといいですね。

「いや~、先生、海外単身赴任は精神的に堪えます。こちらで、親しい異性の友達でも作ったら、癒されますかね・・・」と、冗談交じりに話になりますが、この人恋しさは分からないでもないです。「海外生活における家族の存在」というものは、実に大きなものなのです。
かなり以前に、「バンコク駐在者は、既婚で家族帯同の赴任が可能な勤務者を選ぶようにしています。」という企業人事担当者のお話を伺ったことがありました。時代が変化し、多くの独身者・単身赴任者が海外生活を送るようになっていますが、多くの孤独な赴任者と外来で出会うにつけ、「的を得た選択基準だったのではないかな・・・」と実感する次第です。

赴任地によっては、暦が大きくちがいます。当地では、これから「Chinese New year」を迎え、中国系国民の新年をお祝いします。今年は、土日と重なり、4連休・5連休という企業もあるようです。大きなショッピングセンターもお休みとなり、日本のお正月と同様、街がシーンと静けさに包まれます。外国人は、家族旅行に出かける人も少なくありません。皆さんが、単身赴任であったなら、どのように過ごされますか?誰とも会わず、一言も会話をしない4連休は、私には耐えられないかもしれません・・・。

コスト削減やリスク軽減の為に、海外単身・独身赴任者が今後も増えてゆくでしょう。また、赴任者自身の都合、例えば、介護や子供の進学などの理由で、単身赴任を選択せざるを得ない方々もいらっしゃるでしょう。赴任期間や日本出張の頻度などを含め、会社側の適切な理解と適度なフォローアップは不可欠です。