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ニュースレター(機関紙)

渡航医学のABC その17 紫外線対策
NL09120105
医療情報、海外渡航


渡航医学のABC その17 紫外線対策

渡航医学センター 西新橋クリニック 院長
日本渡航医学会 副理事長
元日本航空インターナショナル 主席医師
大越裕文

Slip!Slop!Slap!
海外に滞在する場合、普段より多くの紫外線(Ultraviolet UV)を浴びる可能性があります。特に、南半球のオーストラリアは、太陽から来る紫外線をブロックしている大気中のオゾンの層に穴(オゾンホール)ができてしまったために、紫外線が非常に強いことが問題となっています。「Slip!Slop!Slap!」というスローガンを掲げて紫外線対策を行っています。
 SLIP ON A SHIRT!(長袖を着よう)
 SLOP ON SUNSCREEN!(日焼け止めを塗ろう)
 SLAP ON HAT!(帽子をかぶろう)
子供達が外で遊ぶときはつばの大きな帽子や首まで隠れる帽子をかぶっています。このように紫外線対策に力を入れている背景には、人種的に白人が最も紫外線に弱く、皮膚癌が非常に多いためです。

その他、渡航中に紫外線に注意をしなければならない場所は、緯度が低い所(熱帯地方)、高地などです。このような場所では、晴れている日だけではなく,曇っている日も対策が必要です。日本人は、白人よりも紫外線に強いと言われていますが、最近皮膚がんが増加しています。紫外線対策はきちんと行いましょう。

紫外線のABC
紫外線は、名前の通り光のスペクトルで紫よりも外側になる光線です。紫外線は、殺菌消毒、ビタミンDの合成、生体に対しての血行や新陳代謝の促進、皮膚の抵抗力を強くする効果があります。しかし、これらの効果を期待して日光浴をすることは危険です。

紫外線は、AとBとCの3種類に分けられますが、紫外線Cは通常は大気を通過することができないため、問題になるのは紫外線AとBです。紫外線Bは、皮膚に日焼けを起こし、皮膚がんの原因にもなります。紫外線Aは、皮膚の老化を早めますので、女性のお肌の大敵です。

紫外線を浴びると、4~8時間後に肌が赤く炎症を起こします。この炎症を起した状態がサンバーン(紫外線Bの作用)です。 数日経過すると次第に炎症は治まっていき、褐色の色素沈着が起こります。これは紫外線Aによってメラニンが生成された結果です。これがサンタンです。その後は、皮膚の水分量が極端に減少するので皮膚の皮が剥けたり、また肌荒れを引き起こしたりします。

すぐに赤くなる人は危険
日焼けの反応は個人差がかなりあります。特に注意をしなければならない人は、日焼けした後にすぐに肌が赤く炎症を起す人です。このタイプの人は非常に敏感な肌をしており、紫外線Bの影響を受けやすい人たちです。日本人の約20%の方がこのタイプです。できるだけ日焼けをしないようにするか野外で活動する際は、入念な紫外線対策を行う必要があります。
一方、日焼け後すぐに赤くならず、数日経つと肌が黒くなってしまうタイプの人は、紫外線に比較的強い肌です。しかし、油断せずに基本的な紫外線対策は行っておきましょう。

紫外線対策の基本
まず、外に出るときは紫外線の少ない時間を選ぶことです。熱帯地方では、日中(10時頃から14時頃)を避け、朝方や夕方に海水浴や野外活動を楽しみましょう。

次は、日焼け止めです。日焼け止めには、SPFとかPAという文字が表記されています。このSPFとは、紫外線のBの予防効果を、PAは、紫外線Aの予防効果を表しています。紫外線の強い地域で外出する際は、少なくともSPFで20から30、PAは++以上のものを使用しましょう。海水浴やスポーツなどでは、発汗や水泳によって日焼け止めが落ちやすいので、こまめに日焼け止めを塗る必要があります。注意としては、日焼け止めは、長時間の使用は肌に悪影響を与える可能性があるため、使用後は、石鹸またはクレンジング剤で洗い流してください。
また、サングラスは、必ず紫外線カットのサングラスを使用しましょう。

日焼け後の注意
日焼け直後は肌が乾燥しているので、化粧水や乳液などで保湿を行いましょう。 赤みを感じる時は冷やしたタオルなどでほてりを抑え、消炎ローションを塗りましょう。
日焼け後に皮膚が浮き、めくれてきても無理には剥がさないようにしましょう。自然に剥がれてきたら薬品やクリームなどで、皮膚の手入れを行う。日焼けの後のケアを継続することで、日焼けによるシミやソバカスは徐々に薄くなり、やがて消えていきます。





◇編集部より◇ 昨年8月より渡航医学の専門家によるシリーズを開始しました。ご執筆頂く大越裕文先生は航空医学の専門家でもあります。読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。

著者のサイト:渡航医学センター 西新橋クリニック
http://www.tramedic.com
「渡航医学のABC」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#abc