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ニュースレター(機関紙)

渡航医学のABC その9 はしかと海外渡航
NL09040105
医療情報、海外渡航



渡航医学のABC その9 はしかと海外渡航

渡航医学センター 西新橋クリニック 院長
日本渡航医学会 副理事長
元日本航空インターナショナル 主席医師
大越裕文

はしかは大人もかかる
はしか(麻疹)は病名がひらがなであるせいか、子供の病気でたいしたことがないと誤解されがちですが、実は非常に感染力が強く、江戸時代には“はしかの命定め”と言われたくらいこわい病気です。子どもだけではなく、大人も感染します。はしかの好発年齢は、1才前後の子供と20歳前後の若者で、30代や40代の方もはしかにかかっています。

予防接種は2回
はしか予防の基本は、予防接種を受けることです。日本は、最近まで、はしかの予防接種は1回しか行ってきませんでしたが、1回だけでは十分な効果が得られない人が数%います。また、1回接種だけだとその効果は年々落ちていくため、予防接種を受けた人でもはしかにかかってしまう可能性があります。そこで、現在は予防接種を2回受けることが国際的に推奨されています。欧米では、2回接種の推進により、すでに自国内での発生をほぼゼロにまで減少させています。お隣の韓国でも2回接種によりはしかを根絶させました。

はしかの輸出国日本
一方、日本はつい最近まではしかの予防接種は1回だけだったために、毎年春にはしかの流行が認められます。困ったことに、日本人が海外ではしかを発症して渡航先に迷惑をかけた事例が相次いで発生しています。代表的なケースは、2007年に北米を修学旅行中だった日本人高校生がはしかを発病し、発病者だけでなく引率者を含む参加者が現地に留めおかれたケースです。日本は、はしかの輸出国と世界から非難されています。
海外ではしかを発症すると、渡航者自身だけにとどまらず、滞在先や取引先の方々に多大な迷惑をかけることになることをよくご理解ください。

今年もすでに流行
このような海外でのトラブルを日本政府は深刻に捉え、2012年までにはしかを根絶することを目標に、小児や学生に2回の予防接種を行うことを決定しました。しかし、当面は国内での流行は起こるでしょう。すでに今年の国内のはしかの流行は始まっています。また、海外でもはしかの流行が報告されています。
海外へ渡航される方は、ご自身やお子様がはしかの免疫があるかどうかを確認して対策を講じてください。

はしかに対する免疫の確認方法(日本渡航医学会のガイドラインより)
1)過去にはしかにかかった
過去にはしかにかかったことがある方は、受診した医療機関に確認しましょう。確認できない場合は、新たに血液中の抗体検査を受けましょう。
2)過去にはしかのワクチン接種
ワクチンを1回しか接種されていない方は、はしかの抗体検査を受けるか、ワクチンを過去の接種も含めて2回接種を受けるようにしましょう。
3)血液中のはしかの抗体測定
血液中の抗体があるレベル以上であれば免疫があること(抗体陽性)の証拠になります。

免疫のない方はワクチン接種を受け、英文の証明書を携帯
免疫がないことが判明した方は、はしかのワクチン接種を受けてください。過去のワクチン接種を含め計2回の接種が必要です。そして、トラブルを避けるために、海外渡航前にはしかに免疫のあることを記載した英文の抗体証明書か英文の予防接種証明書のいずれかを持参してください。英文の証明書は、ワクチン接種や抗体検査を受けた医療施設やトラベルクリニックで発行してもらいましょう。

はしかのシーズンにすでに始まっています。海外に渡航する予定のある従業員の方(特に30歳未満の方や帯同小児)には、対策方法をアドバイスしてください。





編集部より:昨年8月より渡航医学の専門家によるシリーズを開始しました。ご執筆頂く大越裕文先生は航空医学の専門家でもあります。読後の感想、意見、質問および今後取り上げて欲しい話題のリクエストなどを受け付けます。
ニュースレター連絡コーナーhttp://www.jomf.or.jp/ninq/index.htmlからご連絡お願い申し上げます。

著者のサイト:渡航医学センター 西新橋クリニック
http://www.tramedic.com
「渡航医学のABC」索引コーナー
http://www.jomf.or.jp/jyouhou/jigyou_iryou2/jigyou_iryou2_4.html#abc