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ニュースレター(機関紙)

海外健康相談レポート~2006年度マニラ皮膚科相談
NL07020104
健康相談、皮膚科



編集部より:当基金では毎年独自の専門科目海外健康相談を実施しております。2006年度はクアラルンプール、フランクフルト、マニラ、バンコク、シンガポール、ジャカルタ(実施順、ジャカルタは3月上旬に実施予定)の6都市で医師、歯科医師、保健師等による相談を開催いたしました。
マニラにおいては、昨年までの小児科、皮膚科の他に、新たに歯科相談も行われました。今回は昨年に引き続き3回目の皮膚科相談を実施した岸川智子先生(宇治武田病院皮膚科医長)のレポートをご紹介します。

過去の健康相談レポートはこちらからご覧になれます。
http://www.jomf.or.jp/html/jigyou_iryou2_4.html#o


海外健康相談レポート~2006年度マニラ皮膚科相談


宇治武田病院皮膚科医長
岸川智子

2006年12月8日から同月10日までの3日間、フィリピン国マカティ市のマニラ日本人会診療所にて、皮膚科健康相談を行いました。
相談者数は、12月8日に25人、12月9日に21人、12月10日に24人で、合計は70人でした。年齢は4ヶ月から67歳までで、男性21人、女性49人でした。
アトピー性皮膚炎、急性湿疹、慢性湿疹、接触皮膚炎、慢性蕁麻疹などのアレルギー性疾患の相談が最も多いものでした。他には、足白癬や爪白癬といった真菌感染症、尋常性疣贅、伝染性軟属腫や単純性疱疹といったウイルス感染症、母斑細胞母斑、列序性母斑、苺状血管腫や青色母斑といった母斑症、神経線維腫、粉瘤やアクロコルドンといった良性腫瘍、尋常性ざ瘡、毛包炎や機械性脱毛症といった付属器疾患、尋常性乾癬といった角化異常性疾患、また、熱傷などのご相談がありました。
熱帯地方という環境要因に付随して発症しやすい皮膚疾患として受けた相談には、特に、日光皮膚炎、汗疱、汗疹、虫刺症が挙げられます。

ご相談が多くあった日光皮膚炎(いわゆる、日焼け)については、皆さんが案外、無頓着な印象を受けましたので、今回は取り上げてご説明させて頂きたいと思います。紫外線を避けるためには、サンスクリーン(SPF30~50、PA++~+++)を塗りましょう。各々のサンスクリーン剤の指示に従い、数時間毎に厚めに塗ります。顔のみではなく、耳、首、腕、手、足など、洋服で隠れていない部位に塗り忘れないで下さい。

それから、皮膚の露出を避けるために、長袖・長ズボン、カーディガン、帽子、スカーフ、手袋、日傘、サンバイザーなどを併用するのも一案です。尚、これらの色については、白っぽい色ではなく、黒や濃紺の方が遮光率が高くなります。

もしも、ひどく日焼けしてしまったときの対処法は以下のとおりです。
軽度であれば、通常使用している化粧水があれば、スプレー式化粧ビンに詰め替えて持ち歩き、ほてりを感じる度に皮膚にスプレーすることで、ある程度は落ち着くでしょう。そして、やはりほてった部位が日光に当たらないように気をつけましょう。
赤くなったり(紅斑)、水ぶくれ(水疱)を生じて、痛みを伴うようなら、皮膚科受診が必要です。日焼けでも重症の場合は、ステロイド外用剤を1日に1~2回外用したり、ステロイド内服療法も必要となります。

生活の注意点としましては、入浴やシャワーは、ぬるま湯か水を用いて、熱い湯を避けましょう。体を洗う時は、タオルは使わずに手のひらで優しく洗いましょう。石鹸は、特に刺激を感じないようでしたら、使用しても構いません。日中は、海岸の白浜、都会のアスファルトなど、日光が地上で反射する場所では紫外線量が増量しますので、特に注意が必要です。また、飛行機内でも、日光が差し込む時間帯に搭乗するならば、サンスクリーンを塗りましょう。窓際席を避けて、中央列の席を選ぶのも一案です。

尚、学術調査をしたわけではないので、あくまで余談として、少々、お話させて頂きます。フィリピン人の褐色の肌は日本人に比べて日光に対して強いせいなのか、フィリピン人の方にお聞きしたところ、サンスクリーン剤を塗布する方はあまり多くはないような印象を受けました。そのせいか、フィリピンでは日本の店頭に売られているようにはサンスクリーン剤を見かけないといったお話をお聞きしました。ですから、渡航前に日本国内でサンスクリーン剤を多めに購入していくことをお勧めします。