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ニュースレター(機関紙)

海外メンタルヘルスの現場から(30)「 海外赴任者のストレス~夫婦喧嘩の果てに 」
NL05050102
メンタルヘルス、海外赴任、ストレス

海外赴任者のストレス~夫婦喧嘩の果てに

シンガポール日本人会診療所
小川原 純子

先週末、日系のデパートに買出しに出かけると、まあ本当によく知り合いに会うこと、会うこと。仲のよい友人から、「あっ、この方なんとなく知ってる」という方、「患者さん」、全員と立ち話をしたら、「買い物が終わらない」と、心配するほどです。人に接する機会の多い職業であることも大いに関係しますが、シンガポールの地理・地域的特徴を反映しています。
家族で買い物組も多いもので、女性同士の知り合いがご主人を紹介する場面もあるようです。皆さん、どのご夫婦も、「絵に描いたような理想的カップル」のように見え、羨ましい限りですが・・・

実際、心療内科の外来には、「なんとなくイライラして、主人にきつくあたってしまい、喧嘩が絶えず相談に来ました」という女性の相談を受ける機会も多くあります。時には「出産後から、ずっとそんな状態で、既に数年が経過し、夫婦関係が修復不可能なほど離れてきてしまっている」という深刻な相談も少なくありません。
「自分の意見や気持ちを、唯一の成人家族である夫には理解していて欲しい。かといって、夫婦でもめてしまうと、心が本当に疲弊するし、いくら突き詰めて話しても、何も変わらない」
本当であれば、他人になんか話したくない自分の私生活の混乱を、心療内科に相談に来てくださる女性陣はどなたも一見そんな悩みとは無縁のような、「理想の奥様」という印象なのです。

海外で、家族の歯車が微妙に狂い出したとき、「自分ならどうする」という問いは私自身にとっても重要な課題です。すぐに誰かに腹を割って相談できる?相談した方がよいの?-自分だったら、絶対に人には話せない。他人の前で「良い夫婦」を演じてしまうかもしれない・・・と秘かに思っています。だからこそ、相談に来てくださった方の思いは大事にし、少し時間が掛かっても、「あの時、相談に行って良かった」と言われるような専門的サポートを提供したいと思っています。