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ニュースレター(機関紙)

海外巡回健康相談に参加して(東アフリカ)
NL04070104
タンザニア、ケニア、エチオピア、エジプト、医療事情

和歌山労災病院 呼吸器科第二部長
辰田仁美

 平成16年6月2日から16日間東アフリカへの海外巡回健康相談に参加した。
成田を6月2日に出発し、アムステルダムでトランジットのため1泊した。夕刻に到着したが残念ながら雨で肌寒く、町の情景を堪能することはできなかった。日没が遅く、10時ごろまで明るいのには驚いた。
 翌日、ケニアに向けて出発した。地中海を渡り終わったあと見えたアフリカ大陸は赤茶けたと言うより、肌色に近い色で一眠りしてもまだ景色は変わっておらず広大な砂漠を実感した。10時間という長いフライトであったため雲の上の夕焼けを見ることができた。

都市名:ダルエスサラーム(タンザニア連合共和国)
滞在期間:平成16年6月3日から6月5日

1.都市の様子

 22時にタンザニアに到着したため、町の様子はよくわからなかったが、空港から中心部への道路は日本政府が無償で建設したとのことであった。翌日健康相談場所の日本語補修校へ海岸線を移動した道路では日本車が多く、渋滞もみられた。首都のダラエスサラームは高層ビルがなく‘ヨーロッパ人がバカンスに訪れる美しい海のあるのどかな町’という印象である。
 電気事情は悪く、電圧が一定せずに停電がよく起こり、家電の寿命は3年ぐらいとのことであった。夕刻には多くの人が海岸で散歩を楽しんでいたが日本人の姿はなかった。

2.健康相談結果について

 6月4日、日本語補修校に併設された日本人会ホールで行われた。建物は老朽化していたが、健康相談に際し問題はなく設営して頂いていた。ハエがやや多いのは気になったが不潔と言うほどではなかった。
 ダラエスサラーム在住の日本人は減少しつつあり、130人程度とのことであった。今回の健康相談には49名参加した。
  
都市名:ナイロビ(ケニア共和国)
滞在期間:平成16年6月5日から6月10日

1.都市の様子

 ダルエスサラームから飛行機で1時間でナイロビに着いた。途中、キリマンジャロが頂上に雪をたたえている姿を見ることができた。
 首都ナイロビは高層ビルが立ち並び、近代化が進んでいるように思われたが貧富の差が激しく治安は良くないらしい。ホテルからの外出はできず、移動はすべて車であった。これは在留日本人でも同様であり、散歩・ジョギングなどはできず、ゴルフ・ジムなどで運動しているとのことであった。車は古いものも多く、10から20年前の日本車もかなり走っており有鉛ガソリンを使用しているものもある。
 韓国人の経営する日本料理は、ラーメン・お寿司・豆腐などもあり、おいしかった。

2.健康相談結果について

 初日はJICA事務所で行い、50名相談に訪れた。事前にアガカーン病院でうけたレントゲン・血液検査・エコー検査を持参する人が多かった。検査結果としては肝機能障害が散見され、貧血のある女性がいた。胸部レントゲンで陰影が疑われた女性にはCT検査を指示した。
 
 2日目は日本人学校で学童・職員の健康相談を行った。相談人数は成人・学童を合わせて57名であった。学童の健康相談では日本と違い肥満者が少なく健康そうであった。先生に話を聞くと、間食が少なく職員も赴任後やせる人が多いとのことであった

3.ナクルのICROSS視察

 ナイロビからナクルまで車で3時間弱かかった。行程のナイロビから半分までは高速道路(?)がある程度整備されていたが、その後のナクルまではかなり道路事情が悪かった。ケニアではHIV陽性者が15%と高く、日本とアメリカの援助で検診センターが建設されていた。


都市名:アジス・アベバ(エチオピア連邦民主共和国)
滞在期間:平成16年6月9日から6月10日

1.都市の様子

 ケニアから2時間のフライトでエチオピアに着いた。空港ターミナルは1年前に建設されてガラス張りで新しく、関西空港の小規模なもののようであった。標高2400mと高く、はじめはわからなかったが階段を上ると息切れがひどかった。赤道直下であるが、高地のためすごしやすい。都市はナイロビほどではないが、車が多く、排気ガスで空気がかなり汚れている。旧ソ連製の古いタクシーと日本製の乗り合いバスが大量に使われており噴煙をまき散らしている。治安はナイロビほど悪くはないが、日本人の移動はすべて車のようである。

2.健康相談結果について

 日本大使館で36名の健康相談を行った。
 糖尿病の人が数名おり、食事療法の指導を行った。食生活は魚が手に入らないため、ほとんど肉になっており、相対的に摂取カロリーが多いと思われた。運動については町の治安状況からなかなか難しいようである。大使館職員とJICA関係者がほとんどであり、健康管理もなされている。生肉を食べてサナダムシが寄生した職員から話を聞くことができた。
 当地では講演会が実施され、関先生(山口労災病院循環器内科部長)が生活習慣病について話をされた。

都市名:カイロ(エジプト)
滞在期間:平成16年6月11日から6月15日

1.都市の様子

 アジスアベバ発0時35分の真夜中のフライトで5時間でカイロに着いた。途中、スーダンで40分のトランジットがあり、飛行機内で眠れずにカイロに着いたため、1日目の午前中はホテルで休息した。
 エジプトは前の3国とは異なりアフリカと言うよりも文化も人種も中東諸国に近い国であった。首都カイロは大都市で治安も比較的良好とのことであった。砂漠とピラミッドは印象的であるが高地アジスアベバからカイロに来ると暑さが身にこたえた。とは言うもののGIZAのピラミッドは近くから見ると、スケールの大きさは予想以上で、考古学博物館のツタンカーメンの秘宝は黄金に輝き、4000年も前のものとは思えなかった。 

2.健康相談結果について

 1日目、2日目は宿泊中のホテルにて行われた。1日目は75名、2日目は43名の健康相談を行った。赴任後期間の短い人は下痢などの消化器症状が見られたが、徐々に改善しているようであった。他の3カ国に比べ、治安がよく夜間の外出も可能とのことでそれに対するストレスは少ないが、エジプト人と結婚された女性は週末に親戚付き合いをしないといけないので疲れると言っておられた。現地で前立腺癌の手術をし、その後も当地で定期的に経過観察をしている人もおられた。食生活のためか、生活習慣病の懸念のある人が散見され、食事療法・運動療法の指導を行った。

 3日目はカイロ日本人学校において行われ、46名の健康相談を行った。尿蛋白陽性者が1名いたが、ほかに問題となる疾患は見られなかった。学校の設備もよく整備されており、既往の疾患、障害についてもよく理解されていた。ゴミ捨て場が整備され、昨年よりはハエが減っているらしい

3.病院視察

 シャーラン外科センターを見学した。基本的に日帰り手術を行っておりクリティカルパス様に診療がプログラムされていた。一般診療を行う施設も併設されており、内科・外科・皮膚科・眼科など外部の医師が担当しているとのことであった。日本人の利用は月に1名程度でおそらく緊急手術は行っていないと思われた。
 カイロの医療施設は比較的充実しているがすべて個人負担でされており、大企業や国などの援助のない自営業者などの利用は限られたものになっている可能性がある。