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ニュースレター(機関紙)

海外赴任者のための健康管理ガイド1 
NL99120104


総論:出発準備から帰国まで

                    海外勤務健康管理センター
                    濱田 篤郎

 海外では気候や食生活など環境の変化から体調不良となる人が数多く見られます。海外でかかる病気の大部分は、事前に知識があれば予防することが可能です。また、いざ病気になっても受診方法を理解していれば、海外でも快適な医療を受けることが出来ます。
今回は海外で健康な生活を送るために必要な事項を、出発前から帰国後まで順をおって解説いたします。

1 出発前に準備すること
1)健康診断と英文診断書
 仕事で6か月以上海外に滞在される方は、出発前に健康診断を受けることが法律で義務付けられています。出発前に自分の健康状態を知っておくことは医学的にも大切なことです。出発の1-2か月前までに保健所や一般の健診センターで受けてください。健診結果は英文に翻訳してもらいましょう。なお、持病があり海外でも継続的な診療が必要な方は、主治医に英文診断書を作成してもらってください。
2)歯の検査と治療
 海外で歯科治療を受けると医療費が高額であるばかりでなく、技術面で不安な点が多々あります。そこで出発前に歯科検診を受け、必要なら治療をしておくことをおすすめします。
3)予防接種
 海外に滞在する際には、子供だけでなく大人も予防接種が必要となります。出発前の早い時期に接種を受けておきましょう。
4)現地の医療情報の収集
 滞在する国(都市)ではどんな病気が流行しているか、どの医療機関を受診すればよいかなどの医療情報を収集してください。
5)海外旅行傷害保険への加入
 海外に滞在される前には、必ず海外旅行傷害保険の加入手続きを済ませておきましょう。欧米諸国で現地の医療保険に加入される方も、到着直後の病気には海外旅行傷害保険の利用が便利です。
6)携帯医薬品の準備
 カゼ薬や下痢止めなど日常使用する医薬品は日本から持参することをおすすめします。かかりつけの医師などに相談して準備してください。
7)家庭の医学書
 海外に滞在中は、軽い病気は自分で診断し治療する機会が多くなります。そこで、簡単な診断法や治療法の解説してある家庭の医学書を持参してください。

2 現地で注意する5つのポイント
1)気候に順応する
 現地の気候に順応できないと体調不良をおこす原因となります。それぞれの気候にあった生活を心がけましょう。
2)ストレスをためない
 海外では様々な原因でストレスがたまりやすくなります。できるだけストレスをためない生活を送ってください。
3)感染症に対する注意
 発展途上国では様々な感染症が流行しています。特に日本人にしばしば見られるのは、飲食物から感染する病気、蚊の吸血で感染する病気、性行為で感染する病気です。予防法を充分に理解してください。
4)生活習慣病を予防する
 生活習慣病は食生活の問題、運動不足、飲酒、喫煙などが原因でおこります。海外では特に食生活の面での注意が必要です。食事の量を腹八分目とし、なるたけ脂肪分の少ない食事をとるように心掛けてください。また肉類を控えめにし、野菜を多めにとることも大切です。さらに適度の運動を定期的に取り入れてください。
5)定期的に健康診断
 赴任中も年に1回は健康診断を受けて下さい。生活習慣病や感染症の早期発見に有効です。また日頃から体温、体重、血圧を測定し、自分の健康度をチェックするように心掛けましょう。

3 現地で体調に異常を感じたら
1)医療機関を受診する
 現地で体の不調を感じたり、心配な症状があったら、躊躇することなく現地の医療機関を受診してください。
2)海外の薬剤事情
 海外の薬局で医師の処方箋なしに買える薬は、欧米諸国では限られていますが、発展途上国ではかなり広範囲です。海外の薬剤は日本のものに比べ分量が多いことがあり、胃を傷害することもあるので注意して服用してください。また発展途上国では品質に問題のある薬剤が販売されていることもあります。なるたけ欧米のブランド品を購入しましょう。
3)日本への医療相談
 病気に関しては日本の医師に相談したいと考えている方も多いことでしょう。このような方には、海外からの医療相談サービスの利用をおすすめします。日本国内にはこのようなサービスを提供している会社がいくつかあります。当センターでもFAXによる医療相談(045-474-6098)を無料で提供していますのでご利用ください。
4)緊急アシスタンスサービスの利用
 海外で重篤な病気になった時は、日本に帰国したり最寄りの国に移動し治療を受けることも必要になります。このような患者搬送に伴う費用はかなり高額になることから、事前に海外での患者搬送を扱う緊急アシスタンスサービスに加入しておくことをおすすめします。

4 帰国後の注意
 6か月以上海外に滞在された方については、帰国時も健康診断を受けることが法律で義務付けられています。帰国後早い時期に健康診断を受けてください。また発展途上国に滞在された方は、帰国後1年間は感染症の発病に注意する必要があります。体調不良があったら早目に医療機関を受診し、海外に滞在した事を医師に伝えてください。

(編集部注:今回は総論を述べていただきました。詳細は次号以降に順次掲載します。また本稿の基になっている小冊子「海外赴任者のための健康管理ガイドブック」を入手希望の方はJOHAC研究情報部(FAX:045-474-6098)へご連絡下さい。)