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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL11030101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会クリニック
日暮 浩実

◇鍼灸師でもある西洋医学医師

シンガポールには、西洋医学の医師免許をもった医師を対象に、鍼灸の技術を英語で教えるコースを開いている学校があります。この学校は“Singapore College of traditional Chinese Medicine”という名称でToa Payo地区にある“中華医院”の中にあります。ちなみにこの中華医院は5階建てのこじんまりとした中国風の建物でしかありませんすが、1-2階が外来病院施設になっていて、月に2万8000人もの患者さんが訪れています。西洋医学的に言えば大学病院といったところでしょうか。

この鍼灸コースは、シンガポール厚生省から正式に認められたコースで、坐学(土日)、実習(平日夜)を含めて、履修期間は1年半ほどです。通常の鍼灸の学校に比べて履修期間が短いのは、入学条件が、既に西洋医学の医師として働いている人となっているからだと思います。

授業は一般的な中国伝統医学の基礎理論から始まり、中国伝統医学的な解剖学(臓器の説明)、それぞれの経絡やつぼの説明、そして臨床医学へと広がっていきます。大まかな流れは西洋医学の学校と同じです。

2006年に第一期生49名が入学し、翌年、筆記、口頭試問、実技を含めた3日間の国家試験に臨んだ全員が合格しました。幸運にも私もこの中に入ることができました。この国家試験については中国の北京中医科大学からも試験官が派遣されてきて、その内容が審査されたため、試験内容は中国北京のものと同等のものであると認められました。その後、現在までに97名の医師が鍼灸師の資格を得ています。この97名のうち、88名が実際の鍼灸師として登録しています。

私の同級生の専門科を見ると、家庭医のほか、整形外科、皮膚科、産婦人科、耳鼻科、小児科、などいろいろです。それぞれが、それぞれの分野で鍼灸を治療法のひとつとして取り入れています。

以前にも書きましたが、シンガポールでの中国伝統医学の人気は根強く、シンガポールで一日に医療を受ける患者さんの12%は伝統的中国医療を行う施設を受診しています。

伝統的中国医療を行う施設は各地にあります。個人経営の小さなものから、大きな病院に入っている施設など様々です。例えば、タントクセン病院という1844年創立の大病院(1400床、国の伝染病センターも併設)がありますが、この中にも中国伝統医学のクリニック(鍼灸師2名、中医師5名)があり、昨年1年間で2万1000人の患者さんが利用しています。また、シンガポールの中核病院であるシンガポール総合病院(1821 年創立、1500床)にも同様の施設があります。

シンガポールの医師数は約8000名、中医師、鍼灸師は合わせて2000名程度です。この97名がこの二つの橋渡しとなれればよいと思います。

 

◆マニラ

マニラ日本人会診療所
菊地 宏久

◇紫外線の予防について(1)

フィリピンは雨の少ない乾期の季節になってきました。先日現地の人が、Getting hot, Need a hat!と大切な洒落を言っていました。熱帯・亜熱帯地域のフィリピンでは日本のような温帯地域よりも日光による紫外線は強く、皮膚にも大量の紫外線を浴びます。特に4月から10月の10時から14時ころが最も紫外線照射が強いとされています。
紫外線には良い面と悪い面があります。ビタミンD産生に関わったり免疫細胞を活発化させる良い働きもありますが、一方紫外線障害による“悪い面”もあります。適度の散歩や日光浴は必要ですが、紫外線を浴びすぎると様々な健康障害も出てきます。

紫外線には波長の長いUVA(ultra violet A)、中波長紫外線UVB、短波長紫外線UVCがあります。UVCは成層圏のオゾン層でほとんどが吸収され地上には届きません。日焼けを起こす原因はUVAとUVBです。

UVAの特徴
皮膚の表皮よりも深い真皮に直接到達
コラーゲン変性(光老化)を引きおこし、しわ、たるみの原因になる
炎症作用はUVBより弱い


UVBの特徴
表皮に主に吸収される
発癌作用がある
熱傷のような炎症を引き起こす
波長が短いため反射しやすい(地面や水面からも反射して人に照射する)
ビタミンD生合成に関わっている(良いこと)


次に紫外線による障害を、急性障害と慢性障害に分けてみてみます。
急性障害
日焼け(日光皮膚炎)
日焼けは重症になると“熱傷”と同じ障害になる
眼の炎症(角膜びらん、流涙、結膜炎)を引き起こす


慢性障害
皮膚老化の促進、老人性色素斑(シミ)、しわ、たるみを引き起こす
悪性腫瘍発生(DNAを傷害し、有棘細胞がん、基底細胞がん、悪性黒色腫など)
白内障の発生


最後に日焼け対策について
短時間で一気に肌を焼くことは避ける
日焼け止め(★★★サンスクリーン⇒次号参照)を使用する
肌の露出部に気をつける
つばの広い帽子をかぶる(7cmのつばで顔に降り注ぐ紫外線を60%カット)
紫外線カットのサングラスを使用するーファッション性より機能性を重視する
 =顔のカーブに沿った形のサングラスがよい
 =レンズの濃さと紫外線遮断率は比例しないので注意


治療
皮膚が赤くはれていたり灼熱感(痛い、熱い)がある場合には流水や氷で冷やす
日陰や屋内に移動する
水分を経口摂取する


☆☆水泡形成や日焼けが広範囲に及ぶ場合、発熱、脱水症状などがある場合は重篤な状態におちる可能性もあります。ただちに医療機関を受診してください。



★★★日焼け止めサンスクリーンには効果の目安としてSPF(Sun Protection Factor)とPA(Protection grade of UVA)が表示されています。数字が高いほうが効果も高いことを意味しますが、副作用やアレルギー反応などの問題もありますので用途に応じて適切なものを使用することが大切です。ご心配な方は医師・薬剤師にご相談ください。
SPFとPAについては次号で話をします。

参考
・日本皮膚科学会資料
・世界保健機関WHO資料



◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
原 稔  

◇ジャカルタでMRI

MRI検査を受けました。右肩の痛みが続き、自らの診断は肩関節周囲炎。所謂40肩・50肩です。

日本人がよく利用する病院です。飾り気のない入口を入るとすぐ正面に受付。愛想のいい受付嬢が二人。幼稚園児レベル以下のインドネシア語(の単語)とでたらめ英語で、MRIの予約をとっていることを伝えると、向かって右手にある放射線科の受付へと案内されました。そこで紹介状を出し、受付用紙に必要事項を記入。請求書らしき紙を渡され、検査の前に費用を払うように案内されます。別の場所にある支払い窓口に行く必要があります。ここが日本人にとって最も違和感があるところでしょう。このときは外国人ということもあってか、職員が一人、一緒に付いてきてくれました。支払いを済ませ、領収書と思しき紙を持って先ほどの放射線科の受付へ戻ると、検査室へと案内されました。あとは検査技師さんの指示に従って検査を受けるだけです。検査着に着替えて装置の上に寝かされ、何かあった時に押すブザーを渡されて検査開始です。ヘッドホンで音楽を聴きながら。日本で受けるのと変わりません。検査終了後は、再度、放射線科の受付へ行き、結果を受け取りに来る日時を確認して無事終了です。

ちょうど一年前。鎖骨を折り、ジャカルタで整形外科を受診しました。その時の状況を、「これを自分一人でこなすのは、外国人にはかなりハードルが高いと感じました。」と、この場で書いています。対して、今回は余りストレスを感じずにすみました。一度経験しておくと全く違いますね。

必要性に迫られる前に医療機関を見学しておくと、いざという時落ち着いて行動出来ると思います。ジャカルタに赴任された方は、受診する可能性のあるところを見ておいては如何でしょうか?

さて、肝心の検査結果は。症状と矛盾しない内容であったことはもちろんです。放射線科医の読影レポートを日本の整形外科医に見せました。「そのレベルまで読影できるならば、しっかりした放射線科医が診てくれている印象を受ける。」とのコメントです。

「ジャカルタの病院には検査機器は一流のものが揃っているらしいが、それを使いこなせる医者は居るのか?」といった疑問を耳にすることがあります。少なくとも今回に関しては、しっかり使いこなしていると言えます。

巡り合わせが良かっただけかもしれません。インドネシアに限らず日本でも、施設・医者個人により差があるのは確かです。セカンドオピニオンが必要な場合はお知らせください。



(以上)