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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL11020101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会クリニック
日暮 浩実

◇寅年はプチ丙午?

先ごろ発表されたデータによると2010年のシンガポールの合計特殊出生率(一生の間に一人の女性が産む子供の数、以後<出生率>と記します)が統計のある1957年以降で最低の1.16となりました。日本でも少子化が問題となり、出生率の低下が問題となっていましたが、最低は2005年の1.26で、2009年には1.37にまで回復しています。ちなみに韓国は1.15、台湾に至っては0.91と世界で最も低くなっています。人口を維持するには2.1程度の出生率が必要とされていますので、かなり低い数字であることがわかります。ちなみにアメリカ、イギリス、フランスなどは2前後でほぼ現在の人口を維持できるだけの出生率となっています。

人種別に見てみますと、シンガポールの人口の75%を占める中華系が特に低く、2008年1.14、2009年1.08、2010年は1.02でした。人口の14%を占めるマレー系は2008年1.91、2009年1.82, 2010年1.65、人口の8%を占めるインド系は2008年1.19、2009年1.14、2010年1.13となっています。なぜ、中華系が低く、マレー系が高めなのかは、不明ですが、世帯の経済状況と関連があるのかもしれません。経済的に豊かになっていくと、少子化が進むことが世界一般に見られる現象ですが、シンガポールおいて中華系世帯はマレー系世帯の2倍近い収入があるという統計がでています

国全体では2008年は1.28、2009年では1.22でした。これからさらに下がった理由として、一つには教育費や不動産価格その他の物価の上昇、、二つ目には寅年であったためという理由が挙げられています。この二つ目の理由ですが、寅年に生まれた女子は強くなりすぎて、不運になることが多いといった迷信があるのだそうです。日本の丙午の迷信に似ています。ちなみに、日本では丙午だった1966年には前年に比べ、出生率が約25%も落ち込み、1.58となったことがありました。翌年にはむしろ反動で2.2を超えましたが、シンガポールも2011年の出生率がどうなるか、興味深いところです。しかしながら、過去のトレンドをみてみますと、12年に一回訪れる寅年の度に出生率が落ち込んでいるようには見えないので、寅年だからという理由は少なくとも主要な理由ではないようです。実際に出生率は多少の上下はあるものの、長期低落傾向が続いています。

この長期低落の理由としては、まず、晩婚化と未婚率の上昇傾向が挙げられるようです。ヨーロッパ諸国など婚外子の割合が全出生数の半分近くを占める国々では、結婚は必ずしも子供を設ける前提にはなっていませんが、婚外子のほとんどいないシンガポール(たとえば日本でも婚外子の割合はわずか2%にしかすぎない)では結婚をすることがまず、子供を産む前提条件となっています。

少し古い統計ですが、2005年のシンガポールの女性25-29歳の未婚率は46%で1995年と比べ5%増加しました。男性では71%で4%の増加でした。30-34歳でも女性では22%が未婚で、1995年に比べて2%の増加です。男性は34%が未婚です。 
ちなみに日本ではもっと深刻で2005年女性では25-29歳59%、30-34歳でも32%が未婚です。これは1995年では48%、19.7%でしたので、大幅に増加しています。男性では2005年では25-29歳が71.4%、30-34歳の47.1%が未婚です。1995年では、それぞれ66.9%、37.3%でした。
 
そこで、シンガポール政府は自ら資金を出して、男女が出会う機会を増やすためにDating Agencyという組織を作るなどして婚姻率を上昇させるべく努力しています。また、2008年8月からは子供が生まれるとBaby bonusとして 第1、2子には4000ドル、第3,4子では6000ドルが現金で貰えるようになりました。また、税金も少なくなるなど、子供を持つ世帯にはさまざまな特典が用意されています。ただ、明らかな効果が上がっていないのが現状のようです。

国土が狭く、天然資源がほとんどないシンガポールでは、極端に言えば人だけが資源といってもよいぐらいですので、少子化は今後の経済に大きな影を投げかけます。そんな中、少子高齢化が著しい日本を反面教師として、若い移住者を歓迎するという政府高官の見解も出ています。



◆マニラ

マニラ日本人会診療所
菊地 宏久

◇入院中の食事

入院している患者さんにとって“食事”はとても重要な問題だ。
当地における日本人の入院疾患は、肺炎、デング熱、アメーバ赤痢、腸チフス、インフルエンザなどが多い。多くは、“高熱のために食事が食べられない”、“重症下痢や吐き気のために食べられない”、などの訴えがある。

しかし日本人患者さんたちが入院する病院から処方される食事は“極めてカロリーが高く、豪華”である。ココナツオイル煮込みで白く光った鳥肉料理、油こってりで炒めた野菜類、ミリエンダにはラザニア風スパゲッティ、健康人が食べるのにも多すぎるぐらいの料理が出てくる。鶏のから揚げがゴロンと皿にのっているのを見て食欲が出る下痢の患者さんはいないだろう。看護師は「十分食べないと元気になれないですよ」と吐き気をそそるほどに食事を勧める。親切心で勧めてくれるのはわかるが患者さんにとっては少し見当違いなアドバイスだ。
 
マニラに赴任して約1年になる。当初は病院側へ「できるだけ患者さんの病態に合った食事」への変更を訴えてもなかなか対応してもらえなかったが、最近は有難いことに病院側の日本人患者さんへの理解が少しずつ深まってきているように感じる。顔なじみになった当地医師の場合は「日本人患者さんになるべく合わせて」と考えてくれるようになってきた。病態が改善し、患者さんから「食欲が出てきました」という言葉を聞いた時には何とうれしいことか。

文化が異なっても食は元気の源である。患者さんの気持ちをできるだけ考えながら、健康改善のため当地のスタッフに理解していただけるよう努めていきたいと考えている。



◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
原 稔  

◇解熱鎮痛薬

風邪をひいたので家にあったバファリンを飲みました、という方がよくいらっしゃいますが、「バファリン」には幾つかの種類があり、使ってはいけない場合があります。成分として、アセチルサリチル酸(アスピリン)が含まれているものは、デング熱には使えません。
 
現在、病院で処方される「バファリン」の主成分は、アセチルサリチル酸です。これに胃を保護する成分が配合されています。1錠に含まれるアセチルサリチル酸の量の違いで、「バファリン配合錠A330」と「バファリン配合錠A81」とがあります。前者は解熱鎮痛薬として、後者は抗血栓薬として用います。抗血栓薬は血を固まりにくくするもので、脳や心臓の血管が詰まるのを予防する目的で使います。

これに対して、市販の「バファリン」は大人用と子供用があり、以下のようになっています。
大人用の「バファリンA」「バファリン顆粒」は、アセチルサリチル酸を主成分とします。「バファリンプラスS」はアセチルサリチル酸とアセトアミノフェンの両方が配合されています。
小児用の「小児用バファリンCⅡ」「小児用バファリンチュアブル」はアセトアミノフェンです。

デング熱の場合、対症療法としてアセトアミノフェンを用います。アセチルサリチル酸(アスピリン)は使用しません。血を固まりにくくする性質が望ましくないからです。
典型的には高熱と頭痛を伴いますが、はじめは「風邪かなあ」と感じる人もいます。いつもの風邪に比べて頭痛がひどく、熱も高い場合は、デング熱の可能性があります。特に、喉の痛みや咳・くしゃみ・鼻水といった、一般に言う風邪の症状に乏しい場合は要注意です。

医療機関受診が必要なのはもちろんですが、家庭薬を使用される場合もアセトアミノフェンをお使いください。

インドネシアでは、アセトアミノフェン(またの名をパラセタモール)はPANADOLという商品名でコンビニにも売っています。パッケージの色が青のものが、アセトアミノフェンのみを含んでいます。

(以上)