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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL10010101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会クリニック
日暮 浩実

◇肺炎球菌ワクチン定期予防接種へ

シンガポールでは2009年11月から、小児の定期予防接種に肺炎球菌ワクチンが組み入れられました。

肺炎球菌は小児における肺炎、敗血症、細菌性髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎などの主な原因菌です。中でも肺炎球菌を原因菌とする菌血症性肺炎、菌血症、髄膜炎は侵襲性肺炎球菌性疾患と呼ばれ、重症で死亡の主要原因ともなります。世界保健機構(WHO)によれば毎年世界で160万人が肺炎球菌を原因とする疾患で死亡し、そのうちの70-100万人が5歳未満の小児であるとのことです。また、肺炎球菌感染症は小児期におけるワクチンで予防できる死因の最上位となっています。

細菌性髄膜炎の原因菌としては、b型インフルエンザ菌*1(Hib、ヒブ)に次いで報告例が多いものです。日本での肺炎球菌性髄膜炎の発症頻度は正確にはわかりませんがb型インフルエンザ菌性髄膜炎の約1/4~1/3と推察されていますので、日本での発生は5歳未満人口10万人あたり2~3前後、年間200人前後と推定されています。

シンガポール国内では、肺炎球菌感染症で重症化した場合の死亡率は約6%と報告されています。

肺炎球菌感染症の治療には抗生剤が使われますが、世界的に薬が効かない、または効きにくい菌の割合が近年増加してきており、その割合は約65%に達していると報告されています。つまり、薬がきちんと効く例は3分の1ぐらいしかないということです。薬の効きが悪いということであれば、病気にならないようにすること、つまり予防接種が重要であるということになります。

こうした状況が進展しつつあった今から約10年前に、侵襲性肺炎球菌感染症を予防する小児用7価肺炎球菌ワクチン<プレベナー>が開発されました。肺炎球菌には90種類ほどの少しずつ異なる型がありますが、そのうちの7種類で原因の約80%を占めるとされています。7価というのはこの7種の型に対するワクチンということです。

米国においては2000年に<プレベナー>が承認されました。2001年には、2歳以下における7価ワクチン関連肺炎球菌感染症は78~50%低下し、2003年には5歳未満の小児の同じく関連血清型侵襲性肺炎球菌性疾患は94%低下したと報告されています。また、定期接種とした結果、多くの小児が免疫を得ることになり集団としての免疫力が高まり、副次的な効果として高齢者における罹患数も65%減少したこという報告もあります。

発売から昨年までの10年で、世界で3億本が接種されています。
WHO は2007年、<プレベナー>の安全性と有効性を考慮した結果、このワクチンを国家の予防接種計画に組み込んでいくべきであると発表しています。

シンガポールでは2005年10月から既に<プレベナー>の接種が可能となっていましたが、昨年11月1日、シンガポール政府は世界で41番目の国として、小児の定期予防接種に肺炎球菌ワクチンを組み入れました。

日本ではどうかと言いますと、漸く昨年の10月に、世界で98番目の国として国内の認可が下りたところで、一般に打てるようになるにはまだ数カ月かかるようです。(また、定期予防接種ではなく任意接種です。)

このワクチンの接種可能年齢は生後満2カ月を越えてから、9歳までです。

シンガポールの定期接種では1回目が生後3カ月、2回目が生後5カ月、3回目が1歳台となっています。日本人の居住者の場合にはこの年齢より後になってから開始される方も多いと思われます。接種回数は接種開始年齢によって異なります。1回目が生後7-11カ月の方は3回、12-23カ月の方は2回、24カ月以上9歳までの方は1回となっています。つまり年齢が高ければ1回で済むわけですが、年齢が低い方が重症化の危険は高いので、病気の予防の面からは早めに打ち始めたほうが良いことになります。

また、DPT,MMRなどと同時に打つことも可能となっています。ご希望の方は医師と良く御相談したうえで、接種をしていただければ幸いです。

*1: “b型インフルエンザ菌”はウイルス性疾患の“季節性インフルエンザ”や“新型H1N1インフルエンザ”とは全く異なるものです。ちなみに、b型インフルエンザ菌(Hib、ヒブ)ワクチンは日本では漸く1年ほど前から打つことができるようになりました。



◆マニラ

マニラ日本人会診療所
小栗 千枝

◇花粉症の治療

現在、日本では5人に1人が花粉症と言われている。花粉症の人にとっては毎年憂うつなこの季節、戦後のスギの拡大植林が原因であり、それを何とかできれば話は早いが、そうなると国の政策などにも関ってくるし、今日明日どうにかなるものでもない。仕方なく薬などで何とかこの2、3ヶ月をやり過ごすしかないのが現状である。

※1 花粉症・アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、くしゃみ、鼻水、鼻閉などを主徴とし、IgE抗体が関与するⅠ型アレルギーの代表的疾患である。季節性と通年性があり、季節性アレルギー性鼻炎の代表的なものに花粉症があり、その代表的なものにスギ花粉症がある。通年性アレルギー性鼻炎の代表的なものはハウスダストによるものである。

※2 対症療法・根治療法(Wikipediaより)
対症療法:表面的な症状の消失あるいは緩和を主目的とする治療法。一般にあまり望ましくない、とされている治療法。
根治療法(原因療法):症状や疾患の真の原因となっているものを直したり取り除いたりする治療法。対症療法と対置される概念。

病院で花粉症と診断されて処方される抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などは、この対症療法に当たる。
では、それ以外の治療には何があるのだろうか?

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<減感作療法>

症状を引き起こす原因のアレルゲンを徐々に体内に入れ、体を慣らして、体質を改善していく治療法。
スギのエキスを極めて薄い濃度から週に1~2回皮下注射し、少しずつ増量していく。半年ほど続けて維持量になったら、その量を1ヶ月に1回で続ける。濃度の調整は、熟練した医師によることが望ましい。根治まで個人差はあるが、3年~数年かかる。
スギ花粉症に対しては7割有効と言われている。
しかし、スギ花粉症の人は、ヒノキ、ハウスダスト、イネ科など別のアレルギーもあることが多く、複数のアレルギーを持つ人には効果が得られにくい。また、長期の通院が必要であるし、副作用で、まれにアナフィラキシーなどのショック症状を起こすことがある。
日本では保険適用となっていて1回500円程度(3割負担の場合)、耳鼻科やアレルギー科などを専門とする病院で受けられる。

舌下減感作療法(SLIT)は、注射ではなく、経口用に調合したスギのエキスを毎日口に含む(舌下に吸収させる)方法。自宅で簡単に続けられ、3~4週間に1回の通院でよい。注射による減感作療法と同等の効果があり、ショック症状などの副作用もほとんどない。世界保健機関(WHO)も花粉症治療のひとつとして推奨している。2年程度は続けなくてはならないし、また一部の病院でしか取り扱いがなく、現在まだ日本では保険適用外なので費用がかかる。

<レーザー治療>

アレルギーを起こす鼻粘膜を減らすのが目的で、外来で行うことが可能(10分程度)。効果には個人差がある。通常、副作用はない。術者の技量にもよるようである。信頼できる病院を選ぶことが大切である。花粉症でないアレルギー性鼻炎にも保険適用とされている。
粘膜が再生すると再燃し(1~3年後)、永久的な効果はない。また、頻回の照射は安全性が確立されていない。

<手術>

鼻の通りをよくするための、粘膜下下鼻甲介骨切除術や鼻中隔湾曲矯正術などがある。
アレルギーを治すものではないが、空気の通り道を広げることで、アレルギーが起きても鼻づまりが軽くなる。
粘膜下下鼻甲介骨切除術は、湾曲で肥厚した下鼻甲介粘膜の下の骨を切除するもので、粘膜を縮小させ空気の通りをよくする。鼻中隔湾曲矯正術は、鼻中隔の湾曲部分の軟骨を切除し真っすぐにする。2つを併用して手術を行う病院もあり、その場合は約1週間の入院が必要である。

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上記のうち根治療法と言えるのは、減感作療法だけである。それでも症状のひどい人は幾つかの治療を組み合わせることが必要になるかもしれない。舌下減感作療法の保険適用が待たれるところである。

また、ディーゼル排気などの大気汚染とアレルギーとの関連も指摘されている。ディーゼル排気による大気汚染については、ここマニラも例外ではない。外来でも、こちらに赴任してから風邪のあと咳が長引くようになった、という話をよく聞く。市民の足となっているジプニーからの排気が最大の元凶と思われるが、今すぐ解決できる問題でない以上、ふだんから体力、免疫力をつけておく(規則正しい生活、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動などにより)ことが大事になるのだろうと思う。



◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
原 稔  

◇自己紹介

はじめまして。原と申します。12月15日付で赴任。前任の山本医師より引き継ぎ後、19日(土)より実際に医療相談を開始致しました。

大分県の生まれで43歳。医者になって16年目です。熊本大学医学部を卒業後、心臓外科医を目指し上京しましたが6年目で方向転換。救命救急室勤務を経、総合診療科医として熊本県天草を拠点に僻地医療に携わって参りました。その間、2度の南極越冬(医療隊員として)と1年間の船医を経験致しました。

初めての南極越冬の時、予防医学の観点から、「おれは偽医者だ」と隊員に触れ回りました。2回目の越冬時には「やぶ医者」にしました。その甲斐あってか、何れも全員が無事に帰国しています。ジャカルタでこの手を使うわけにはいきませんので、今回は正攻法で疾病予防に努めたいと思います。健康診断で異常を指摘された方、異常値はないが不安のある方、健康診断を受けていない方…ご予約をお待ちしております。また、不幸にして具合が悪くなってしまった方は、いつでも遠慮なくご相談ください。全力で対応致す所存です。

医療相談室、Medikaloka内だけでは解決、完結できない疾患をお持ちの方もいらっしゃいます。ジャカルタは大都会ですが、邦人人口は7000人くらいと伺っています。同人口の僻地と考えることも出来ます。ただし、周りには設備の整った医療機関があります。これまでの経験を生かし、高次医療が必要な場合は迅速に対応し、状況に応じた最善の医療のお手伝いが出来たらと存じます。
ジャカルタの医療機関、周辺国や日本国内の医療機関との連携、連絡が重要です。様々な医療関連情報を収集し、今後の邦人医療にフィードバックすることは課題のひとつと考えています。
総合診療に携わってきましたが、得意な分野(疾患)もあれば苦手な分野もあります。患者さんが受診されたとき、分からないことは分からないとお伝え致します。少しお時間を下さいと申し上げることもあります。足りない知識、技術は適宜補っていきます。

新しい職場に着いてすぐは何かが起こる、と私は勝手に思い込んでいます。相談室を切り盛りしている日本人看護師にこのことを話すと、「勘弁してくれ」という感じでしたが、案の定その「何か」が起こりました。その午後、何れも重症で緊急性のある疾患の方が3名立て続けに来室されました。具体的な内容は書けませんが、周辺の邦人数、普段の相談者数を考えると、これは異常事態です。これも思い込みですが、最初の波を超えた後は平穏な日々が続く…と期待しています。

インドネシア特有の疾患、言葉、文化、習慣…と学ぶことが多く興奮しています。初の異文化圏での活動です。職場の内外を問わず、予期せぬこともあるでしょう。「和を以って貴しと為す」の精神でやっていきます。不束者ですが、ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

2010年を、皆様が健康に過ごされることを心より願っております。



◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
星野 眞二郎

◇ダイエット体験記-食事編(その2)
          
前回のニュースレターのテーマは、ダイエット体験記-食事編(その1) (キーワードは“減らすカロリー”)でした。今回はその続編(その2)です。
今回のテーマは、ダイエットの際に“減らすカロリー”以外に“どんな点に注意したら良いか”というものです。キーワードは“体重や体脂肪が変動する理由”、“体重や体脂肪の評価の仕方”、“栄養のバランス”、“運動後の甘い誘惑”です。

“水を飲んでも太るという体質は存在するか?”
入浴後、通常、体重は少し減りますが、健康な方の場合には、水分をどんなに摂取したとしても、通常、必ず元の体重に戻ります。それは、体内の水分量を一定に保つ調節機構が備わっているからです。
ただし、尿の生成に関る“腎臓”が悪い方や体内の“水分調節”に関るホルモンに異常が有る方の場合には体に水分が貯留してしまい、顔や足が浮腫んだりする可能性が有ります。

自分が、“水を飲んでも太る体質”だと勝手に判断し、運動後や入浴後などで体の水分量が不足しているにも関らず、水分を取らない方がいます。夏場では、熱中症になる危険が有りますし、生活習慣病をお持ちで、動脈硬化が認められる方の場合には、脳卒中や心筋梗塞が起きる危険性が増すため、注意が必要です。
また、起床時の体重が、前の晩よりも500g減っていたとしても、減った体重の大部分は汗などの水分の喪失によるものです(体重75kgの方が睡眠中に消費するカロリーは体脂肪に換算すると約69g程度とされています)。

女性の場合は、月経周期の時期によって体重が変動しますが、その変動の大部分は体内の水分量の増減によるものです(女性の体は排卵後に女性ホルモンの働きにより体内に水分を留めようとするので、排卵期には一般的に、貯留した水分の分だけ体重は増加します。
 
“体重・体脂肪率は毎日計る必要は無い?”
通常の食事内容を分析した実験によると、食事として摂取した食物の約8割は“水分”であるとされています。従って、食事後に増えた体重の大部分は“水分による増加分”です。食事後や運動後に体重が大きく増減することがあっても、年に1度の健康診断の際に、ほとんど体重が変化していないのは、“1日の体内水分量の変化(概ね1~2kg)の方が、1年間での体脂肪量の変化より大きい”ことを表しています。  

食事を減らした後は、特に、その効果が気になりあまりに、頻回に体重を測って一喜一憂しがちです。しかし、体重が変化する時に、体内でどんな現象が起きているかを考えると、あまり意味が無いことが分かります。
また、体重は水分の出入りにより、1日の内でも大きく変動するため、体重は、1週間に一度、曜日と時間帯を決めて測る位でも良いかも知れません。
例えば、幕の内弁当やとんかつ定食など、“定食型”(960kcal前後)の食事を摂った場合には、(平均的な食事1kcalは1g程度なので)体重が約1kg増加します。しかし1000kcalを純粋に体脂肪量に換算した場合には、理論上の体脂肪量の増加分は140gのみです。この140gという量は、発汗(不感蒸泄:運動を全くしなくても汗や呼気中の水蒸気として1日700ml~900ml前後は体から排泄されています)、排尿量(飲水量や食事量により変動しますが一般には1000ml~1500ml前後)、排便量(200~300ml前後)と比較した場合には“変動幅”の中に十分含まれてしまう程度の量です。また、これ以外に、体内では常に“様々な化学反応(代謝)”が起きており、その化学反応の結果“代謝水(200~300ml前後)”が産生されることがわかっています。

一般成人の水分の出納の目安(ml/日)

水の摂取量水の排泄量
飲料水1000~1500ml尿1000~1500ml
食物中の水分800~1200ml200~300ml
代謝水200~300ml不感蒸泄700~900ml
合計2200~2500ml合計2200~2500ml


“週に一度、体重・体脂肪率を測定する”
“減らすカロリー”を決める際には“体重方程式(http://www.w8eq.com)”に体重や体脂肪率などを入力する必要が有るため、これらを定期的に測定することはとても大切です。また、体重が急に減っているにも関らず、体脂肪があまり減っていない場合には、①食事の蛋白質を減らしすぎて筋肉や内臓の重さが減っている可能性が有ります(この時、体内の蛋白質は“異化”、つまり“分解”されています)。或いは、②何か“別の病気(悪性腫瘍、つまり癌などの慢性疾患)”が隠れている場合も有るので注意が必要です。体脂肪率を測っていると、そのような事も分かりますので、1週間に1度体重を測る際に、体脂肪率も記録しておくと良いでしょう。しかし、一般の体脂肪計は、皮膚のインピーダンス(簡単に言うと電気抵抗のようなもの)を測定することにより、体脂肪を“推定”しているに過ぎません。

従って、皮膚の状態(体が濡れた状態など)や膀胱での尿の貯まり具合により影響を受ける場合が有るために(特に体重と体脂肪を同時に測定する“体重計一体型”の場合)、毎日、或いは極端な場合では、1日に何度も体脂肪率を測定するのはあまり意味が無いと思われます。

“体脂肪計の誤差に注意する”
人間の体は、大半が水分(50~60%)であり、他の成分として、筋肉や骨(20~30%)、脂肪(15~25%)から構成されています。一般の体脂肪計は、水分が電流を通しやすい(脂肪は電流を通しにくい)という原理を利用して、体脂肪率を測定(推定)しています。電流が良く通る場合には、体に水分が多い(脂肪が少ない)と判断して、体脂肪率として少な目の数値を表示します。

逆に、運動した後は、汗によって皮膚の表面を(体の中でなく)通って電流が流れやすくなります。そうすると、体脂肪計は、電流が良く流れているために、水分が多い(脂肪は少ない)と判断(誤判断)した結果、体脂肪率として少な目の数値を示します。このような体脂肪計の誤差(運動後に少な目に出やすいこと)を知っておくと、運動のあとに油断して、食事を多めに摂ってしまうことはなくなるでしょう。
 
“必要な蛋白質は摂れているか”
体が必要とする蛋白質の量を満たすために必要な肉や魚の摂取量はそれほど多くはありません。それは、穀物類にもある程度の量の蛋白質が含まれているからです。
蛋白質を構成しているアミノ酸の中には、ヒトの体内で作ることが出来ない“必須アミノ酸”は食事から摂取しなければなりません。しかし、穀物類には、相当量の必須アミノ酸が含まれているため、あまり神経質になる必要は有りません。
江戸時代の農民は、あまり肉や魚を口にすることが無くても、ほぼ穀物類のみから、必要な蛋白質とエネルギーを摂取していたという文献が有ります。

これを科学的に説明してみましょう。
我々の体は、以下のようにして様々な方法で糖分を利用することが出来ます。
1) エネルギー源として利用した結果、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)に変化する
2) グリコーゲン(糖分の貯蔵庫)に変化し、筋肉や肝臓に蓄えられる
3) アミノ酸に変化して蛋白質の合成に利用される
4) 脂肪酸やグリセリンに変化して脂肪の合成に利用される

糖分が、実際にどのように利用されるかは、炭水化物摂取時の身体状況(空腹か満腹か)に因り、異なります。

カロリーを減らす際には、最低でも、蛋白質を必要量摂取していれば、筋肉や内臓の量が減ることなく、体脂肪のみが減ってきます。
ほとんど穀類の採れないモンゴル高原や極北地方で暮らしていた人種や、現代でも“低炭水化物ダイエット”をしている方々が、脳に糖分が運ばれなくなって、低血糖で倒れるということは決して有りません。それは、蛋白質から必要な糖分が作られるという仕組みが体には備わっているからです。
ただし、三大栄養素以外にも、ビタミン類や微量元素(鉄やカルシウムなど)などが、人体の機能維持のためには必要ですから、あまり極端なダイエットはお勧めしません。

“栄養のバランスは大丈夫か”
人間の体には、蛋白質から糖分を作る仕組みが有ることは一般的にはあまり知られていません。
この原因として、学校の家庭科の授業では、赤の蛋白質は体を作る、緑の野菜は体の調子を整える、黄色の炭水化物(脂肪)は熱を作ると“1対1の対応”で習ってきたことが挙げられます。そのため、“炭水化物を摂らないと低血糖になる”、或いは、“アミノ酸飲料やプロテイン系補助食品は筋肉にしかならない”と思われています。
体内にはこのような仕組みが有るため、全く炭水化物を摂らなくても、低血糖になることは決して有りません。

一方、アミノ酸飲料やプロテイン系補助食品を摂取しても、その後に、有効な運動をしない場合には、摂取したアミノ酸や蛋白質は、最終的には“脂肪”に変化してしまいます。
また、消費される量以上に、過剰に摂取した炭水化物や脂肪は体内で変化して“体脂肪”として貯えられ、エネルギーが必要になった時に消費されます。このように、人間の体には本来、“どのような食物を摂ってもエネルギーが作られる”という仕組みが備わっているのです。

 “運動後の甘い誘惑に気を付ける”
例えば、75kgの人が30分間、テニスやバトミントンなどの中程度の強度の運動をした後に、運動前より体重が2%、つまり1.5kg減っていたとします。しかし、運動による消費カロリーを考えた場合には、約180kcal、体脂肪量に換算して約26gしか減っていません(テニス(6.5kcal/分)/バドミントン(5.8kcal/分)。運動後に減った体重の大部分は、実は汗として出た“水分”なのです。

そのため、運動後に、アイスクリームを1カップ(320kcal)食べてしまった場合、理論上は、体脂肪量換算で45g増加することになります。これでは、食べた後に側定した体重が運動前より減っていたとしても、理論上は、体脂肪は運動する前より増えてしまうことになります。従って、運動後にアイスクリームを食べてしまった場合には、その後、再び運動をしなければならないということになります。

運動を続けても体重があまり減らない方が多いのは、体重が減ったのを見て、運動したから大丈夫と考えて、通常よりむしろ多めに食べたり飲んだりしてしまうのが原因かも知れません。

最後に、本ニュースレターを書くに当たりましては、体重方程式(http://www.w8eq.com)を参考にさせて頂きました。また、本ダイエット法は、医学的には有効と考えられますが、全ての方に100%の有効性を保証するものでは無いことを付記させて頂きます。     

(以上)