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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL05040101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
日暮 浩実

◇シンガポール日本人会診療所をとりまく医療事情

  シンガポールでは日本人の医師数として15人という取りあえずの枠組みが出来ていました。しかしながら、より専門性の高い医療へのニーズに応えようとする要望に答えるべく、医療側からの要望もあり、この枠は現在取り払われようとしております。もともとこの枠はシンガポールに邦人医師を受け入れて頂く際に、シンガポール側も交換条件としてシンガポール国籍の医師を日本で働けるようにして欲しいとの申し入れがあり、その際に日本側がシンガポール人の医師の数に対し枠を設けさせて欲しいと申し入れたのが発端でシンガポール側から枠の申し入れがあった訳ではないようです。枠は取り決めた頃の邦人医師の数プラスアルファで15人と一応決められたもので実際に有病率や、人口構成などから理論的に割り出された数字ではありません。ですからもともとあまりこだわる理由はない数字です。

 実際に邦人医師が増える事は日本人社会からみますと選択肢が増え、好ましいことではありますが、病院、クリニック経営の面からは厳しいものがあります。
また、在星邦人の半数は日本人会の会員ではないことを考えますとかなりの数の邦人が現地の医療機関を直接利用していると考えられます。大資本や専門性の高い医師を擁する他の医療機関、地理的優位な地元の医療機関と伍していくにはいったいどうすればよいか、かなり深刻な問題です。邦人を取り巻くシンガポール医療界は厳しい競争の時代に入ったと言えると思います。こうした中で昨年同時期に比べ受診患者数が増えた事は吉報でしょう。増えた理由は今の所明確ではありませんが。

 現代は医師の人間性だけで患者を集められる程、プリミティブではありません。その医療機関が全体として魅力的(設備、人間、サービス、その他)であるかにかかっています。

 今後、日本人会診療所が何らかの個性的な魅力を発揮できるか否か、これはなかなか大問題です。

 来星したばかりの日本人の感覚からすると日本人会診療所の魅力は日本人会館の中にあること、日本語が通じるだろうと考えられる事、日本人会と言う名前が公的な感じがして何となく信頼できそうだという点でしょう。

 患者さん方にいかに満足して頂くかが今まで以上に大きな今後の課題です。


◆マニラ

マニラ日本人会診療所
宮本 悦子

◇マニラに着任して

 マニラに赴任し、もうすぐ一ヶ月が経とうとしています。私にとって海外引越しのストレスは予想以上に大きく、到着直後は猛暑の中、日中に外でほんの近距離を歩いただけでも体力が消耗し、ついつい忙しさの中、水分をとることも忘れ、立ちくらみや脱水症状になりかけました。また一家全員下痢の洗礼も受けました。とにかく一つの用事をしようと思うと移動、交通渋滞、手続きのやりとりなどでいつの間にか時間がたち、1日がかりになってしまいます。やっと最近、マニラのペース、環境にも慣れてきて、周りが見えるようになり、少しずつ生活を楽しめるようになってきたところです。
 
 3月下旬に診療所を引き継いだ時期、ちょうどフィリピンではイースターの国民休日と重なっていました。その期間中、休暇をとり短期間日本に一時帰国されたり旅行に行かれた方が多かったようで、日本や旅行先でひいた風邪を悪化させたり、下痢、脱水、膀胱炎症状、アレルギー症状や持病を悪化させて来院される方々が集中しました。また赴任直後は疲労、不安、気候の変化で体調を崩す方も多いようです。

 自分自身の赴任直後の下痢や脱水の経験も含めますと、これから来比しようとしておられる方、及び一時帰国や短期出張を予定されている方、到着直後は予想以上に体力を消耗しますので、数日間はゆっくり体を休められるようなスケジュールを組まれることをおすすめいたします。そして自分自身の体調とよく相談しながら、無理な行動はなるべく控え、フィリピンでの生活をゆっくりスタートされることをおすすめいたします。
 


◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
菊地 宏久  


◇転倒・転落―腹部・胸部外傷(内臓障害) 

先月号で頭部の外傷について述べました。
今回は腹部の外傷について考えて見ましょう。

ジャカルタの床は浴室を含めて石やタイルでできているところが多いようです。
滑って転んでバスタブのホーローに腰や腹部を打撲した方、家の中で滑ってテーブルに腹部・背部をぶつけた方、滑り台やブランコ、鉄棒などから転落して腹部・背部を打撲したお子さんも数多く受診されました。

多くは筋肉や骨の打撲・骨折ですが、内臓の損傷を伴ったものもありました。
表面的な外傷や皮下出血は放っておいても自然に治ることが多いですが、内臓の損傷を伴うと、生命に関わることもあり得ます。
また、子供の場合は受傷時点の説明が自分でできないこともあるので誰も見ていない時の打撲には注意が必要です。

受診したら医者に臨床所見を十分に診てもらうことは言うまでもありません。
擦過傷や皮下出血があればその直下や周辺の内臓が損傷を受けている可能性もあります。
血液・尿検査はいうまでも無く、画像検査(レントゲン、超音波、時にはCT・MRIなど)も必要です。これらの検査結果により病態を把握し、適切な治療をしてもらいましょう。

血液検査により筋肉、肝臓、すい臓、腎臓、脾臓の損傷、出血の程度などが推定可能です。

尿検査により腎臓、膀胱などの尿路損傷の検出が可能です。

レントゲンは必ず撮ってもらいましょう。
胸部レントゲン検査で肺、心臓、大動脈、肋骨、鎖骨などの損傷がわかります。
外傷性気胸(肺が包まれている胸腔に外傷が原因で空気が入り込み、肺がつぶれてしまう状態)や血胸(肺が包まれている胸腔に出血した血液が溜まり肺がつぶれてしまう状態)があれば緊急処置が必要です。
心臓や大動脈に異常があれば直ちに命にかかわる病態かもしれません。
右肋骨骨折があれば肝臓や腎臓損傷、もちろん肺損傷の可能性も考えないといけません。
左肋骨骨折は脾臓や腎臓損傷、肺損傷の可能性も考えないといけません。
骨盤骨折は尿道損傷を疑わなければなりません。
また腹部レントゲンの異常ガス像により腸管穿孔(胃・腸に穴が開く)が推測されることもあります。
いずれにしても外傷に対してレントゲンは必須の検査です。

さらに超音波検査も重要です。
心臓・血管エコーにより心臓、大動脈、肺の損傷がわかります。
腹部エコーにより腹腔内出血や内蔵の損傷がわかります。

さらに必要があればCT・MRI検査により精密検査をしてもらいましょう。

これらの検査は何のためにするのでしょうか?
そうです、上にも述べましたが、病態を的確に把握し、適切な治療方針を決定し遂行するためです。

外側から見て外傷がある場合や意識障害がある場合はもちろん診察を受けてください。
痛みが強い、皮下出血がある、呼吸をすると胸部・腹部が痛む、打撲後「咳」が出る、吐き気・嘔吐がある、立ちくらみがする、血尿が出るなどの症状がある場合も信頼できる医師に必ず診てもらって下さい。

(最後に)
前回、頭部の外傷のときにも書きましたが、傷があって不潔である場合には必ず破傷風に対する処置もしてもらいましょう。



◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
星野 眞二郎

◇大連に着任して

 中国大連市中心医院日本人医療相談室の星野眞二郎と申します。

 本年の3月より大連に赴任しております。私は3月まで東京大学医学部附属病院老年病科に勤務し、内科、老年病科、内分泌代謝、糖尿病を中心として外来、病棟、研究、医学部学生ならびに研修医の指導をしてまいりました。応募の一番の理由は、もう一度、医師としての原点に立ち返り、専門にとらわれることなく幅広い知識を得たいということです。二番目の理由は日本を中心とした外国企業進出のめざましい、そして北京オリンピックを前に活気づいている中国の空気を肌で感じたいということです。

 実際にこちらに赴任以来、角膜の高度外傷、性行為感染症(ヘルペス、クラミジアなど)、交通事故多発外傷、パニック障害、うつ病、熱性けいれん、成人や小児の予防接種相談など内科以外の疾患も多く、勉強させていただいております。また、私は、経済技術開発区という市内から30分位離れた製造業を中心とした大工業地帯の一角に住んでおります。

 企業の最前線で働く方々といろいろな交流が持てて非常に光栄に感じております。
中国語も含め、まだまだ勉強するべきことが多いと実感するこの頃です。引き続き御指導のほど何卒宜しくお願い申し上げます。