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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL04120101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇受動喫煙

シンガポールでは毎週18人が肺癌で亡くなっていて、シンガポールの癌死の内一番多いものです。ご存知のように日本でも肺癌による死亡者は癌死の内一番多いもので2002年には5万6千人でした。

肺癌と喫煙との関係はよく知られていますが実に肺癌患者の90%は喫煙と関係があります。そしてこのうちの20-30%は受動喫煙によるものだそうです。受動喫煙とは自身は非喫煙者ですが、例えば重喫煙者の妻や喫煙者のいる職場で長時間勤務している方で、タバコの煙を無理やり吸わされている方です。喫煙者は自分が好きで吸っていますが、周囲の非喫煙者にこんなに多くの影響があるとはちょっと驚きです。受動喫煙には二つの煙が関係しています。

1.副流煙(燃えているたばこから出る煙)
2.主流煙(喫煙者により吐き出される煙)

問題は1.の副流煙で、これは喫煙者により吸入されるものと同じ合成物で肺の上皮や他の組織を刺激する化学物質やホルムアルデヒド、ベンゾピレン等の発癌物質を含んでいます。しかもフィルターを通さない分、主流煙よりも濃度が高いようです。これらの発癌物質は体内でDNAに結合し、遺伝子複製時にDNAに変異を起します。このような変異が癌遺伝子や癌抑制遺伝子に起こり肺癌が誘導されます。

癌以外にも影響があるのでしょうか。ここでは子供への影響を見てみましょう。

1.小児における急性下気道感染
2.小児における喘息の誘導と悪化
3.小児における慢性呼吸症状

子供の気道にも大きな影響があるようです。

受動喫煙による被害が少なくなるといいですね。


◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇爪白癬

最近胸部の皮膚にかゆみを伴う皮疹を訴えてきた患者さんの二例が白癬菌によるもので、しかも本人によく聞くと二人とも爪白癬の持ち主であったことが判明しました。

この爪白癬はちゃんと治療しないとなかなか治りにくく、放置してしまっている例が多く見受けられます。所謂水虫といわれている皮膚の病気はきちっと治療すれば殆ど治る病ですのでここに認識を新たにして欲しいと思います。

この白癬菌は皮膚の一番外側の角質といわれているところに住み心地がよく、これを好みます。角質層の厚くなっている足の裏や手のひらはかれらの絶好の住処となります。

治療によりかゆみなどの自覚症状がなくなっても、白癬菌は死滅したわけではありません。
角質層にどっこい生き残っているのです。再発する理由がそこにあります。

爪白癬は治療を続けていても治りにくいものですが、多くの場合は患者さん自身が治療を途中でやめてしまうことにも原因があります。現在では内服薬も併せ使用いたします。

再発予防には治療を継続することです。足などの患部を清潔に保つことも大切です。長時間靴などを履き続けていると、足は、特にフィリピンなど暑いところでは汗や脂で想像以上に汚れてしまいます。靴下は出来るだけ通気性の良い綿素材のものを選ぶこと、事情が許せば室内では靴を脱いで、スリッパ履きにするなど出来るだけ足を清潔で乾燥した状態に保つよう心がけてください。帰宅後は直ぐにシャワーを浴び、足をきれいに洗いましょう。
水虫は患部に直接接触することにより感染するのではなく、切った爪やぽろぽろとはがれた皮膚を介して感染すると考えられていますので、同居の家族など他人にうつさないようにするためには、切った爪が飛び散らないようにする事や足を拭いたバスマットやタオルの共用は避けて、専用のものを使用することにご留意ください。

ある統計によれば日本国内に500万~1000万人もの爪白癬の患者さんがいると報告され、60歳以上の4割の方は患っているとも推計されていますが、実際に治療しているのはわずかに5人に1人に過ぎないということですので、この機会にお心当たりの方は根気よく、治療に励まれてはいかがでしょうか。

以上述べてきましたように水虫は現代人なら誰でもかかる恐れのある生活病の性格を持った疾患で、先の小生のニュースレター(2004年9月発行No.128)で触れたような蜘蛛膜下出血の如く命に関わるものではないにしても一度かかると長期に渡って悩まされる代物です。従って、対応の基本としては早く治そうと焦っていかがわしい治療に飛びついたりしないで、その人の症状にあった適切な治療を根気よく続けることが肝要であると愚考いたします。

産業医を始め、人事及び労務管理に当たられておられる方々には、右之件につき職員の方々に、是非今一度海外派遣前に上記疾患を治癒完了させるよう、注意喚起をしてくださいますようお願い申し上げます。
 

◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
菊地 宏久  

◇人工呼吸・心臓マッサージ講習会がジャカルタで実施されました

「日本赤十字社・救急法講習会」がインドネシア赤十字本社(ジャカルタ)にて12月3日実施されました。対象はインドネシア在住邦人。参加者は20名弱でしたが、参加した方々は皆非常に熱心で、とても密度の濃い講義と実習が朝から夕方まで行われました。
ご指導は日本赤十字社愛知県支部、大脇睦彦先生。すばらしいお人柄であることも感じました。

午前中は心肺蘇生法の講義、午後からは二人一組buddyとなり「意識障害の人が倒れている」という設定で、「一次救命処置」の訓練をしました。マネキンを使用しての人工呼吸法、心臓マッサージなど、参加者皆が非常に熱心に勉強されていました。
さらに三角巾を用いた包帯法、副木を用いた骨折や捻挫の手当てなども実習しました。
日本赤十字社が海外でこのような講習会を開くのは初めての試みであったとの事ですが、実に有意義な講習会だったと思います。

海外勤務のご家族の皆様方は飛行場や公共の場、多くの人々が集まる場所などに行く機会が多いと思います。飛行機に乗る機会も多いと思います。
今回学んだことを“使うことがない”のが一番良いのですが、いざというときに必ず役に立つと思います。ご家族が、友人がもしも緊急の事態に遭遇したときには自信を持って行動してください。

今回の講習会は日本赤十字社、インドネシア赤十字社、日本大使館、ジャカルタ・ジャパン・クラブの協力で実施されました。大変ありがたいことだと思います。

残念なのは、日本でも機会の少ないこのような貴重な講習会に、参加者がたった20名弱しかいなかったことです。
皆さんにとって興味があれば、今後はジャカルタ・ジャパン・クラブ医療相談室としてもこのような勉強会・講習会を開いていきたいと考えています。ご意見をお聞かせください。


◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇医療情報交換会に出席して

11月の医療情報交換会に出席しての感想ですが、毎年のことながら他の地域で医療をされていても同じようなトラブルがあることに驚きました。薬の使い方、検査の方法など日本で当たり前と思っていたことが海外ではそうではないことに気づかせてもらいました。

悩みなども同じようなものがあり、保険で慢性疾患などは適用外になることをご存知の方が少なくてその対応に非常に苦労することがあります。基本的には日本の健康保険が適用にはなりますが、一度は全額支払になるために日本で診察を受けるよりも随分と高額に感じるために誤解をされることがあります。

予防注射に関しても打つ時期や打つ回数が日本と違っていたりと結構患者さんが戸惑うこともたびたびです。上記に関しての質問などは非常に多く受けることがあります。もちろんできる限り丁寧には説明するのですが、診療中であったりすると説明がなおざりになり結果的に誤解を生むことにもなりかねません。

医療情報交換会でもお話しましたが、今後海外に赴任される方に対して本人だけでなくご家族などにも是非海外での海外旅行傷害保険の適用範囲や日本の健康保険の使用方法及び海外での精算方法などの医療の事務的事情も赴任前にオリエンテーションしていただければと思います。

中国の病院ではどうしても検査・治療などが雑になりがちですが、逆に中国への不信感からか投薬などに関しても過敏になりがちな方も多く見受けられます。基本的に薬に関しては使用経験からすれば特に大きな問題が起こったことはありませんので、中国の処方薬に関しての不信感をなくすようにお話いただければとも感じております。