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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL04090101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇鳥インフルエンザ

シンガポールでは8月中旬にマレーシアで発生した鳥インフルエンザのおかげでほとんどマレーシア産の鶏肉や卵はありません。特に卵は主にマレーシアから輸入されていたため店に置いてあっても数倍の値段になっています。

今年の始めの流行時にはベトナムやタイで27人の死亡者を出した鳥インフルエンザですが、幸いにも今回の流行では現在まで死亡者はいないようです。この鳥インフルエンザは人から人への直接の感染は認められていないようです。

それにしてもアジアはインフルエンザの発生地となることが多いですがそれはどうしてなのでしょうか。
まずアジアに住む人の数が非常に多い事が挙げられます。そしてアジアの人達は鳥や豚等と習慣的に一緒に住んでいる事が多いのです。新型インフルエンザの発生には鳥と豚と人間が近くにいることが条件と言われています。

ここでは少しそれを説明します。インフルエンザは基本的に種を超えて感染する事は稀ですが、鳥だけは色々な種に感染するインフルエンザウイルスを持っています。一方豚は人のインフルエンザウイルスと鳥のインフルエンザウイルスの両方が感染します。すると豚の体内で人インフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスが混ざり合い人に感染力を持った鳥インフルエンザウイルスが発生することになります。それため専門家も豚には注目していたのですが8月の終わり頃、中国で豚から鳥インフルエンザウイルスが検出されました。この事は今後人に感染する鳥インフルエンザが発生する可能性を大きくしました。

今年の冬は昨年のSARSよりも強力な鳥インフルエンザ(SARSよりも感染力はかなり強い)が流行するかもしれません。日本も鳥インフルエンザに有効な治療薬の備蓄を開始するそうです。

今年も昨年同様避けられる疾患を避けるためインフルエンザワクチンの接種をしておく事をお勧め致します。



◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇蜘蛛膜下出血

先月マニラで標記疾患により死亡した日本企業駐在員がおりました。
この疾患は脳卒中の5%から10%を示すといわれていますが、出血は通常動脈瘤か動静脈奇形の破裂が原因とされています。特定の原因が判明できない場合も20%位あるといわれています。わが国日本での年間発生率は人口10万人当たり20人で諸外国と比べ高くなっています。脳卒中全体の比率は少ないものの、致死率は10~50%と高く注意を要する疾患です。

いずれにしても海外駐在員又は海外出張者を問わず、海外で上記疾患が発生した場合関係者の関わりが大変なことは目に見えています。
従って、産業医あるいは労務管理に当たられている方々は、職員並びに配偶者の定期健康診断には対象者には必要に応じ、所謂脳ドックを加えていただきたく思います。

蜘蛛膜下出血を予防するには、今のところ脳動脈瘤を未破裂のうちに発見し、予防治療する以外に方法はないことを留意すべきであると愚考いたします。

即ち蜘蛛膜下出血の原因の一つである未破裂脳動脈瘤は現在マルチスライスCT検査で2mm以上のものは検出可能ですので、是非このCTAをMRAに加えるメニューを可能な限り採用させてくださいますようお願いいたします。

特に海外派遣の可能性のある方、海外出張が予測される方、血縁近親者に蜘蛛膜下出血など脳卒中を罹患した者が居る方、高血圧、喫煙、多量飲酒、高脂血症のいずれか一つの危険因子を持つ方は、是非先のCTA検査をも受けることを薦めます。
この検査は非侵襲的な血管造影ですので苦痛なことはありません。
検査の結果未破裂脳動脈瘤が見つかった場合の対応については、専門医とよく相談されてください。

産業医、労務・人事管理担当者はその上で海外出張、海外駐在などを決めていただきたく重ねて願いあげます。
上記企業派遣駐在員である40歳男性の死亡例を無駄に見過ごすことのないよう、今後の海外医療対策に役立てたいものです。 



◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
菊地 宏久  

◇「こんな体調で飛行機に乗れるでしょうか?」

「こんな病気の状態で飛行機に乗っても大丈夫ですか?」
このようなご質問を何度もいただきます。
皆様はMEDIFをご存知ですか? Medical Information Form(MEDIF)と呼ばれる世界共通の診断書フォームのことです。担当医がMEDIFへ病態を記入し、航空会社へ提出します。MEDIFへは診断名、伝染性、酸素吸入の必要性、医療機器の持ち込み必要性、他の乗客への影響、付き添い医療スタッフの要否などを回答します。必要時にはMEDIFとともに問診や検査結果を参考にし、航空会社は飛行中に病状が悪化する可能性がないか、飛行機旅行に耐えられるかなどを考え、搭乗の適否や条件を判定します。

航空機旅行に適していない病態として以下のようなものがあげられています。

・重症心臓疾患        
・重症肺疾患       
・脳卒中急性期
・病状の不安定な神経疾患   
・病状の不安定な精神疾患
・重症貧血          
・吐血、下血
・重症中耳炎         
・手術後で不安定な病態
・他へ感染の危険性が高い重症感染症
・出産後7日以内の新生児   
・出産を28日以内に予定とする妊婦

航空機内は地上と同じ環境ではありません。気圧が低下しています。呼吸器疾患、心臓疾患、貧血、中耳炎、副鼻腔炎などでは病態が悪化する可能性があります。機内は湿度が低く血栓症、脱水、コンタクトレンズによる角膜障害などを引き起こす可能性があります。また時差による睡眠障害や精神的・肉体的なストレスが悪化することもあります。感染症の場合には他の乗客への伝染性も考慮せねばなりません。

これら病態に対する搭乗規定は航空会社によって多少異なります。国内線か 国際線かによっても異なる場合もあります。
ご心配な点、詳細は各航空会社、主治医にご相談ください。



◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇上海の日本人向け医療事情について

先日上海へ日本人向け医療事情を調べに視察旅行へ行きましたので報告いたします。これは毎年一回上海もしくは北京で日本人向け医療事情を看護婦とともに視察し、その結果をできる部分は大連の相談室へフィードバックしようというものです。

2002年より3回目となりましたが、改めて上海の発展及び上海日本人社会の発展には驚かされます。上海日本人社会は年率2割以上のスピードで拡大しており、日本人学校などは早晩2校に分校するようです。在住日本人は常住者・流動人口を含め4万とも5万とも言われさらに増加の一途を辿っているようです。

このような状況の中、縮小傾向の日本国内の医療事情と違い進出を図る医療機関も増加し初めて上海を訪れた2002年に比べても主な日本人向け医療機関が3つから5つへと増加しており、それ以外の一般の病院も日本人向けにサービスを向上させております。

このように競争が激しくなり、患者様向けのサービス・環境などは日本の一般クリニックより上だろうと思われるくらいの医療を提供しているように見えます。また、一般健診も上海で行えるようになりプライマリケアなどは日本と同じ水準で行われているといえる状況でした。

但し、重症患者などのフォローに関しては患者様本人の希望も医療提供側も不十分との認識があるようで、基本的には患者様は日本への帰国を希望し、また、医療機関側も日本への帰国を勧めているようでした。

サービス・環境の点で見習うべき点は多いとは思われつつも、大連ではなかなか難しいと思われました。