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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL04060101
シンガポール、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇携帯電話を使った病院サービス

 シンガポールでは病院が携帯電話メールサービスを使っていろんな情報を患者や患者の家族に情報を送っているようです。例えばICU(集中治療室)に母親が入院した方の話が新聞に載っていました。母親は心不全による呼吸困難にて入院したそうですが、毎朝治療に対する反応がメールで送られてくるそうです。これにより彼は状態が日増しに良くなって来ているという情報を病院に行かずして得られるのです。彼は、この情報によりもし状態が悪くなっていれば病院に駆け付けられるし、非常に便利だと言っています。

 病院では毎朝の回診のあと、医師がこのメールを書いて患者家族に送っているとのことです。この方法によれば毎朝病院に家族が集合しなくても知りたい人全員に同一の情報が送れることになります。勿論、直接病院で受ける医師からの病状説明を全て置き換えるものではないですが、うまく使えば非常に有効な手段でしょう。

 この携帯メールによる情報伝達は入院だけでなく、外来患者向けにも使われているようです。患者は外来の受付で自分の携帯電話の番号を登録しておけば、自分の順番まで近くなるとメールで知らせてくれたり、薬局で薬が出来ると知らせてくれるようです。これにより、長時間待たなくてすむようになっています。また自分の予約日近くになるとメールで知らせてくれ、また最近では予約日に行かないと新しく予約せよとのメールも送られてくるそうです。

 携帯電話を使った病院サービスの一つを御紹介しました。


◆マニラ

*休載
 

◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
菊地宏久  

◇女性におけるアレルギー/気管支喘息について

インドネシアに転居してから、咳がとまりづらい、喘息が悪化した、という声を聞きます(若い女性に多い)。気管支喘息を例にとり、「女性のライフサイクルと病状の変化」について考えてみましょう。

小児
アレルギー性疾患は小児期に高頻度に見られる疾患で、年令とともに発症する疾患が移行します。食物アレルギー、アトピー性皮膚炎は乳児期に発症し、気管支喘息は6才頃までに、アレルギー性鼻炎は学童期に増加します。小児期の生理的な消化管、皮膚、気道の発達過程と関連していると考えられています。

思春期
心理的、肉体的に不安定で生活習慣も安定しない時期です。ストレスによる病態の悪化や喫煙による悪化も問題となります。

月経
月経で悪化する例があります。周期にあわせて予防治療を強化しましょう。

結婚
新たな環境への適応努力が要求され、精神的にも不安定な時期になります。病態の悪化予防には御家族の協力が極めて大切です。

妊娠
喘息は妊娠により1/3が悪化するといわれています。喘息発作による低酸素血症は胎児の発達に極めて不利ですので、十分に治療することが大切です。薬の副作用も心配でしょうが、まず喘息のコントロールをつけることが大切です。非妊娠時の治療継続で心配ありませんが、吸入ステロイドとベータ刺激薬を主体として治療できていれば更に安心です。内服薬や詳細については主治医と相談してください。

転地
転地の効果は一定していませんが、引越し後に改善する例もあります。花粉、大気汚染や排気ガス、新天地でのストレスにより悪化する例もあります。能動喫煙や受動喫煙を機に発作が誘発される例もあります。

閉経
悪化する例が多いとされています。ステロイドを内服している例では骨粗しょう症に注意しましょう。ビタミンDの摂取と適度な運動も大切です。

喘息発作予防対策
○アレルゲンと思われるダニ、カビ、食物(牛乳、卵、魚介類など)、ペット(犬、猫)などで避けられるものは試みてみましょう。しかし、安易な除去食による栄養障害には注意しましょう。嗜好品の香水も刺激があるので注意しましょう。タバコは家族全員で止めましょう。御家族の協力が大切です。

○気道感染対策としては、うがい、手洗い、スポーツによる鍛錬も有効です。横隔膜挙上による気管支収縮予防のため、睡眠前の食事は避けましょう。

○薬剤では非ステロイド系消炎鎮痛剤によるアスピリン喘息が有名ですが、他に高血圧治療薬の一部(気管支収縮作用のあるベータ遮断薬など)、緑内障治療薬(眼圧を下げる薬でベータ遮断作用のあるもの)、胃腸薬の一部(副交感神経刺激薬で消化管運動や分泌促進作用のあるもの)などに喘息発作を誘発するものがあります(*)。不安をお持ちの方は、主治医と相談をしてください。皆様の健康を一緒に考えましょう。  

(*)薬について
1)気管支はベータ刺激薬によって拡張します。そして、その反対の作用であるベータ遮断薬によって気管支は収縮します。したがって、高血圧の薬でベータ遮断作用を持つもの、眼圧降下剤でベータ遮断作用を持つものによって、気管支は収縮し、気管支喘息が誘発されます。
2)気管支は交感神経刺激により、拡張します。そして反対の作用である副交感神経の刺激により気管支は収縮します。また消化管の運動や消化液分泌は副交感神経刺激で起こります。したがって、消化管の運動をよくしようとして副交感神経刺激薬を飲むと、気管支は収縮して喘息発作が誘発されます。

1)、2)に分類される薬はたくさんあります。
ベータ遮断作用降圧薬:テノーミン、インデラル、ケルロング、セロケン、他。
ベータ遮断作用緑内障治療薬:チモプトール、ミケラン、他。
副交感神経刺激消化剤:アボビス、アクチナミン、アベダイン、他。

最後に、アスピリン喘息はアレルギー反応でなく、アスピリンによる代謝障害、とされていますが、詳細はわかっていません。



◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇大連の時間外診療について

機会あるごとに中国の医療システムの複雑さを話してきましたが、実際に時間外診療を受診して初めて外国人にとって難しいものだと感じました。

① どこで受診してよいのかわからない
これは2つの意味があります。まず、どの病院を選択すればいいのかわからない。これは病気によっても違うが、時間外診療というからには急いでいる場合や重病な場合が多いはずであり病気によっては病院の決定に時間がかかったり、選んだ病院の体制によっては非常に重大な結果を残しかねない。もうひとつの意味は、やっと選んだ病院でもその中でどこの場所に行けばよいのかわからないということが起こるのである。つまりきり傷であれば外科に行けばよいであろう。大きな病院の救急外来に行けば外科医はいるはずであるからなんとかなるだろうと。これは日本の常識からすれば当然この判断で問題ないということになるが、中国では時により問題が起こりうるのである。これが次の問題に続いていく。

② 受診システムがわかりにくい
大きな病院に行けば救急外来もあるし、外科医もいる。これは正しい。しかし、まずは受診するためにカルテを買わねばならず、このカルテを売っている場所が救急外来から離れていたりすると非常にわかりにくい。また、やっと見つけてカルテを買っても中国の人々の中にはマナーのよくない人もいるために順番が平気で抜かされたりする。これは外国人で中国語を話せないと特にひどい場合が多い。また、治療の段階になって縫合する、点滴する、注射をする、などそのたびごとにお金を先に払わなければならず非常にいらいらする。

③ 当然のことながら日本語を理解してくれない。英語も理解しない場合がほとんど。
これもこちらが言いたいことが医療従事者側にうまく伝わらない。また、治療方法が日本と異なる場合が非常に多く見られ、これもストレスの要因となる。もちろんこちらの意見を中国語で相手方に伝えるのは不可能に近い状態である。

このように普段から中国で医療活動を行っている私ですら困難が付きまとうために、医療関係者以外の方が急病に対応するのは非常に困難なことだと思います。しかしながら、大連などは外国人が非常に多いために、また所得水準が高い都市であるため、医療環境が中国の中では非常に整っている方であるので、内陸部に赴任されている方々の苦労は推して知るべしといったところでしょうか。今後中国に進出してくる企業は非常に多くなってくると思いますが、上辺だけの医療視察だけでなく、実際なんらかのケースを想定して視察しておくといざという時動きやすいのではないでしょうか。