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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL04050101
シンガポール、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇内臓脂肪症候群

 シンガポールで生活していますと、体重が増加してくることが結構あります。食事内容や運動不足に起因するものと考えられます。体重増加が激しければやがて肥満となり、高血圧、高脂血症や高血糖等の生活習慣病を起こしてきます。肥満からこれらの症状が現れると心筋梗塞や脳卒中を起こす確率が数十倍高くなることが知られています。

 肥満の定義としては簡易的にBMIという指標が用いられます。BMIは体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)として計算されます。この値が25以上の時肥満といえるでしょう。正確には腹部の内臓脂肪の蓄積の程度が問題になることが分かっていますのでウエストサイズが大きくなるのは要注意でしょう。この蓄積された脂肪から放出される物質により直接的あるいは間接的に高脂血症、高血糖、高血圧が発生してきます。一つの疾患では心筋梗塞や脳卒中のリスクは数倍程度ですが、疾患が重複するにつれそのリスクは数十倍にもなっていきます。男性であれば女性よりも、喫煙者は非喫煙者よりも、また年齢が上がるにつれてリスクはどんどん上がっていきます。

 最近ではこの内臓脂肪が多くなるとインスリンに対して抵抗性が出てくると言われていて、この抵抗性が高脂血症、高血圧、糖尿病を引き起こすと考えられます。内臓脂肪による肥満がこのような生活習慣病を引き起こし、心筋梗塞、脳卒中を最終的に起こすのです。血糖が高い、HDLコレステロールが低い、中性脂肪が高い、血圧が高い人は要注意です。

 遺伝的なものもありますが、治療としては摂取カロリーを少なくする事と、運動が重要です。特にシンガポールでは運動不足になりがちです。体重の増加と伴に、血糖や中性脂肪が上昇し、HDLコレステロールが下がってくる事がないよう、日頃から体を動かすようにして下さい。運動は直接内臓脂肪を減らす事が出来るだけでなく、インスリンの感受性を上げることができます。このことにより、生活習慣病への移行を減らす事が出来るのです。


◆マニラ


*休載
 


◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
菊地宏久  


◇医者との接し方

ジャカルタに赴任して、1カ月が過ぎた。この間、当地の病院に2名入院をお願いしたが、「当地の医師は病状の説明を患者さんになかなかしてくれない」という。なぜだろうか。本当だろうか。
言葉の違いもあるだろうが、インドネシア語がぺらぺら話せる日本人が一緒についていってもなかなか説明してくれない、という。

入院した患者さんの一人は、日本から来て3日目の26才男性。41度の熱発と強度の脱水状態で当クリニックを緊急受診。悪寒戦慄。あっという間に意識混濁へと増悪。血液検査上、著明な炎症所見を認め、血圧も低下した。脱水、敗血症性ショック疑いにて近くの総合病院へ救急車で搬送した。日本の病院と負けず、劣らずの検査を受けたが病状の説明や検査データの説明は無かった。後日、会社の方によれば、「病名、治療内容は不明、4日後退院した」。退院処方を見せていただいたところ、抗生剤、消炎鎮痛剤、胃薬であった。保険病名は「急性腸炎」とのことであったが、なんとなくすっきりしない。会社の方々は、すぐに会社に出てよいのやら、休むべきやら、心配していた。

二人目は22才男性。腹痛、38度の熱。症状改善せず同じ日に2回受診した。2回目受診時(深夜)に救急当番の医師が診察し、入院精査が必要と考え近くの総合病院へ入院となった。次の日病院に出向き、入院担当の医師に説明してくれるよう申し出た。主治医はいないが、ちょうど窓口にいた女医さんが、検査結果を棒読みし始めた。そちらも、こちらも不慣れな英語でやりとりし、「血液検査、腹部超音波、腹部CTをしたが、異常所見は血小板減少のみ。」「血小板が減少しているのでデング熱が疑わしい」とのことであった。そのあと、患者さんの部屋で様態をお聞きしていたところ、上級の医師らしい人が入ってきて、先ほどの女医さんと同じことを言って帰っていった。この患者さんも幸い元気になり5日後退院できた。デング熱ではなかったようだ。

今回の2名とも、私の取り越し苦労のみで、病態は改善し退院された。
何も説明を聞けず、いつ改善するか分からず、知らない言葉ばかりが飛び交う異国の病院で入院しているのはさぞかし不安であったろうと、反省している。

しかし、このようなことはインドネシアだけでなく、日本でも同様にある。
私の伯母がくも膜下出血で倒れ、東京の有名大病院に救急車で担ぎ込まれた。入院した夜、担当医に、「くも膜下出血です。死ぬかもしれません。」といわれた。家族は毎日、変わりばんこに朝から晩まで付き添った。意識障害は改善せず、MRSA肺炎になり看護師さんからも煙たがられた。1カ月が経ち、人工呼吸器はやっとはずれた。家族は、これからどうなるのだろうと、不安でいっぱいだった。そんな時、主治医から入院後2回目の説明があった。1カ月の間にたった2回である。「当院は救急専門病院ですので、慢性疾患病院へ転院してください。これが次の病院のパンフレットです。」
日本語がぺらぺら話せる日本人同士なのに、コミュニケーションがまったく取れていない。「医者の資質の問題だよ」、「家族がもっと聞けばよかったのに」と色々言う人はいたが、支えになってくれた人は誰もいなかった。

ここMedikaloka Health Care Centerに赴任して1カ月、おどおどしていた私も、最近は他科のインドネシア人医師と日本人患者さんのことで相談ができるようになってきた。一度心が通うと、とても親身になってくれる。適切なアドバイスもしてくれる。当院のみならず、インドネシアには優秀なスタッフも多くいることを知った。
インドネシアの社会に不満を言いながら生きていくよりも、こちらの医療スタッフの力を最大限に提供してもらえるように努めることが大切だ、と考え始めている。
そのためには、信頼関係を築く努力をせねばならない。心を通わす努力をしなければならない。「言葉が違うから」、「文化が違うから」、というのは言い訳に過ぎない。



◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇自己責任について感じたこと

日本では話題になったイラクでの3人の日本人拘束の事件ですが、当地でもそれなりに話題にはなっています。しかしながら反応は随分と日本とは違うようです。

まず、3人に対しては報道では同情論が非常に強いと感じます。それは中国自体が反米思想が強い国であり、そのために親米政策(この場合は自衛隊派遣)を批判的に見ているから3人の行動を肯定的に見ようとする傾向があるからでしょう。(もちろん自衛隊の海外派遣自体を反対する世論も強い。)日本では「自己責任」論が結構叫ばれているようですが、中国の新聞にはあまり出てきません。それは一つには中国は「自己責任」が当たり前のような国だからでしょうか。

当地での友人や相談室のスタッフに聞いてみてもやはり同情する人が多く、「自己責任」を問うような声は聞こえてきませんでした。国による保護が当たり前の国と自己責任で何事も通さねばならない国での反応はこんなに違うものかと驚きました。

私自身はもう中国にも慣れてきて、かなり感覚的には中国的にはなったとは思いますが、やはり彼ら3人の「自己責任」を問いたい気持ちではあります。海外での企業の危機管理も同じことだとは思いますので、会員企業様をはじめ海外進出企業は是非危機管理の一環としての現地の医療視察なども考えていただきたいものです。