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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL04040101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇タバコについて

シンガポールではタバコを吸う場所や価格が日本に比べて高く困っている方もいると思います。この機会にタバコが止められるといいとお考えの方もいるでしょう。今回はタバコの害について少しお話します。

タバコといえば皆様は直ぐに肺癌等を思い浮かべることでしょう。確かにその通りですが、癌ではない疾患もタバコにより肺に発生します。その中でゆっくりと進行して息切れを起こし普通の日常生活が送れなくなる、肺気腫という病気を説明しましょう。

肺は肺胞という小さな袋が無数に集まったものです。その小さな肺胞で酸素を血液中に取り込み二酸化炭素を排出しています。肺気腫ではその肺胞が破壊され酸素の取込み不足が生じてきます。このため症状としては動いた時の息切れが重要です。最初の段階では階段を登った時に息切れがする程度ですがやがて、平地を歩いている時にも息切れが生じてきます。更に進行すれば服を着替えたり、食事をするだけでも息切れが生じてきます。こうなって来ますと、家でも酸素吸入をしなくては生活できなくなります。外出する際は酸素ボンベを持っていきます。そしてこの時に後悔しても、この破壊された肺胞は不可逆性なので根本的な治療法はありません。

肺気腫は1日20本吸っている方の約15%がなると言われています。WHOの発表でも死亡原因として上位の方に入っていて、日本でも年々増え続けています。肺気腫の予防は出来るだけ早くタバコを止めるしかありません。少しでも早く禁煙を実行しましょう。



◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇A型・B型肝炎ワクチン

小生当地勤務を開始して丁度一年が過ぎました。
今回は、一年を振り返り当診療所で小生の受診者で印象に残った例を簡単ですがお伝えします。それは、いずれもA型肝炎の例で、一人は日本で2回予防注射を受けているものの当地で罹患し、当地で入院加療した例、残る二人は同疾患の予防注射はしていなくて、当地でやはり罹患し入院した例と、初期に受診した例で日本に一時帰国して、本邦で入院加療を受けて当地に戻ってきた例の三例です。幸い三例とも劇症肝炎に移行しなかったものの、一ヶ月以上も仕事を中断しなければならなかった上に、職場、家族等の心配をかけた上、医療費も少なからずかかり、三回の予防接種で防ぎ得たであろう疾患に罹患した事が口惜しい気がします。これが仮にB型肝炎であっても同じことが言えるものと思います。

小生はかってアフリカにいたときに、邦人でA型肝炎に罹患し劇症肝炎となり、血漿交換をして助かり、パリ経由でご家族と共に帰国した例と、パリにいたときに、やはり邦人がアフリカでB型肝炎に罹患し、劇症肝炎となりパリに移送され市内某病院で肝臓移植をした例に関わった事があるので、上記3例のA型肝炎の例が非常に気になっておりました。
どうぞ産業医、或いは人事管理者の方々は、海外に派遣する職員と同伴家族には派遣前にA・B型肝炎抗体の有無の検査をした上、必要に応じその予防注射を3回全て終了してから赴任するシステム作りをしてくださいますようお願いします。
海外派遣の可能性の有る職員は予めこれらの予防接種を破傷風の追加接種と共に、職場での定期健康診断の際に必ずするよう強く薦める次第です。

尚、当診療所でも上記ワクチン接種を予約なしで実施しております。
A型肝炎ワクチンにはベルギー製(GlaxoSmithKline社)のHavrix1440(成人用)と720(小児用)を使用しております。B型肝炎ワクチンには同Engerix-Bを使用しております。日本でも同ワクチンが認可されて10年近くなるわけですのでここに改めて同ワクチン接種の意義を再認識していただきたく重ねてお願いします。
次に参考までに当診療所での各種予防接種の月別合計実績をお示し致します。

2003年度(括弧内は2002年度です)
 4月   65 (116) 
 5月   84 (121) 
 6月  101 (112)  
 7月  122 ( 82)   
 8月  110 (126) 
 9月   91 (105)
10月  162 ( 93)
11月  683 (115)
12月  327 ( 71)  
 1月  173 (111)                 
 2月  125 ( 90)
 3月   84 ( 92)
 合計 2127(1234)

11月及び12月に数字が多かったのは、インフルエンザワクチン接種のためです。
 


◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
菊地宏久

◇着任にあたって

はじめまして。
4月3日にジャカルタへ着任いたしました菊地宏久と申します。
これまで埼玉県内の病院で内科の勤務医として働いてきました。
病気には、急激に症状が発生・悪化する急性疾患と慢性的に病態が維持・進行する慢性疾患とがあります。その中で私の接してきた患者さまの多くは、心臓疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、消化器疾患などの急性疾患でした。急性疾患の中には、普段の生活習慣から引き起こされる病態も多く、診断、治療、再発予防をしていくためには患者さまの生活環境を理解することが大切であることを学びました。
このたびジャカルタの地を踏みしめて以来、そのことを強く再認識しております。疾病の種類こそ異なるかもしれませんが、インドネシアにお住まいの皆様方の衣食住・生活環境・自然環境・地球規模での公衆衛生なども視野にいれて医療に取り組まねばならないと肝に銘じております。

こちらに来て間もないのですが、デング熱、チフス、アメーバ赤痢、マラリアなど日本では鑑別診断にもなかなか出てこないような病気について、患者さまから不安げな顔で、何度もご質問をいただきました。生活習慣病、肺炎、結核なども日本と当地での診断・検査法・治療法に違いがあることも学びました。

日本との気候の差、生活環境の差、医療制度の差、言語の違い、文化の違いなどはあると思いますが、逆に共通点も多いのかもしれません。長く居住されている皆様方にこれらの点を含めてご指導をいただきながら医療面での勤めに励んでゆきたいと思っております。

私は主に循環器内科、救急医学を専門として学んできました。
生活習慣病は進行すると、心臓・脳・腎臓などの臓器を中心とする循環器系の障害を引き起こします。特にこれらの疾患についての予防対策や、糖尿病、高血圧症、高脂血症、高尿酸血症などで不安をお持ちの方はお気軽にご相談ください。
ジャカルタジャパンクラブ医療相談室のあるClinik Medikalokaには心臓・血管系の病態評価が可能なカラー・ドップラーエコーやトレッドミルも設置されています。各種専門医・スタッフ一同、力をあわせて、皆様の健康を守る一助となるよう努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。


◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇海外派遣に際しての注意点

最近中国が経済発展していく過程で中国に進出してくる企業が非常に多くなってきて、当相談室にも大連もしくは中国の医療事情の調査ということで見学にいらっしゃる方が多くなってきています。
見学にいらっしゃる方々にはいつもお話しすることなのですが「ハード面は日本と変わりませんがソフト面では非常に問題がありますよ。」とお話しています。例えばCTやMRIなどの機器は日本の大学病院と同等のものが入っていますし、γナイフなど日本でも普及率がそれほど高くないものまで揃っています。それに比べるとそれらを使いこなす側の医療技術やパラメディカルの対応、病院の受付などの非効率さや医療制度の問題点などが日本に比べて問題点があると感じずにおれません。

ただ、大連では北京や上海のように外国人向け専門に病院が開設されているわけではないのでこの非効率な制度の下で不条理ながらその制度の改善を期待する前に「自らが自らを守る姿勢が必要です」と訴えています。今までに2年間当地で医療を行っていますがこの国の人々にソフト面でサービスという精神を理解してもらうには相当の時間が必要であると感じます。医療というのは日々必要なものでありますから、その変化を待っているわけにはいきませんのでやはり自らが備えるしか方法はないでしょう。

この点に関しては「できる限り会社として海外傷害旅行保険に加入すること。」「加入した場合は必ずそのコピーを携帯すること。」「大きな病気・けがなどが発生した場合はできる限り速やかに信頼できる医師と連絡を取れるように会社として体制を整えておくこと。」などをお話しています。
上記のような前提で当相談室も在住日本人向けの健康面の安全の一助となるように日々努力しています。