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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL03120101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇インフルエンザ流行

シンガポールの新聞では最近インフルエンザの事が大きく取り上げられました。アメリカやヨーロッパでインフルエンザが散発的ですが流行していて、そのウイルスの種類が今現在使用されているワクチンでの有効性が低いインフルエンザA型のFujian(福建)株というタイプだそうです。現在の所そのタイプはシンガポールには入ってきていないそうですが、シンガポールとしては何時入ってきてもおかしくはない、とのことです。そして有効性は低いもののやはり接種した方が症状が軽くすむとしてワクチン接種を呼びかけました。当日からシンガポールの病院に大挙してシンガポール人が訪れ、あっという間にワクチン不足の状態になったようです。

インフルエンザが流行している事自体も脅威ですが、Fujian株が今のワクチンに対して有効性が低いというのもまた気になる所です。実はこのFujian株は既に今年の夏のインフルエンザ流行時(南半球)に流行ったものでWHOもこの冬に北半球でも流行ることは予測していました。しかし、今の所Fujian株に非常に有効なワクチンは存在しないため、ある程度有効なものを選択し、推奨としています。

この冬はSARSの影響のためインフルエンザワクチンが各国で今まで以上に勧められていました。しかし今の所SARSはその姿を現していません。しかしインフルエンザは例年以上に世界で流行しているようです。Fujian株に有効なワクチンは存在しませんが、ある程度の有効性はあると思われます。例年以上に積極的なワクチン接種を勧める必要があるでしょう。また日頃の健康管理にも充分ご注意下さい。



◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇髄膜炎菌ワクチン

細菌性髄膜炎の内、ワクチンで予防可能な対象細菌は現在つぎの3つであることは、産業医の方は既にご存知でしょう。

1:インフルエンザb菌 2:肺炎球菌 3:髄膜炎菌

1のワクチンに就いては、既にこのニュースレターで報告していますので、バックナンバーを参照下さい。

上記3つのワクチンの内、日本が認可しているのは、現在2のみとなっています。

当国フィリピンでは既に上記ワクチンすべてが認可されていますので、これらの予防接種を受けることが可能です。 勿論、主要先進国においてもフィリピン同様上記ワクチン全てが認可されています。日本の国立感染症研究所感染症情報センターが毎週取り纏めて報告している資料によれば、本年11月9日までの5類感染症の一つである髄膜炎菌性髄膜炎の累積症例数は16となっており、日本でも発症が皆無ではないことを再認識すべきであると考えます。

さて髄膜炎菌ワクチンは、現在判明中である13種類の血清型群のうち、A,C,Y,W-135の四つの血清型群による髄膜炎に対して有効でありますが、欧州でみられるB群に対しては効力がありません。目下イタリアを始め各国で同ワクチンの開発を急いでいるところであり、一日も早い完成が待たれます。

髄膜炎菌は現在13種類の血清群に分類されるものの、A、B、C、Y型、W-135での症例が多くを占めていることにご留意下さい。 又、この菌による髄膜炎の予後は5歳以下の乳幼児では5%、成人では10~15%の致死率であることにも記憶に留めて頂く必要があります。

本ワクチンはA型菌とC型菌の各単独ワクチン、A+C型混合ワクチン、A+C+Y+W135型混合ワクチンがあり、フィリピンではA+C型混合ワクチンが認可され、当診療所において、1,580ペソの費用で接種が可能です。

実施回数は1回で良く、約3年間有効です。但し、本ワクチンの有効性はインフルエンザワクチンと同様、接種後約2週間経た後に出てくる事、並びにワクチン接種後に得られる免疫抗体の低下の速さは、成人より乳幼児の方が早いとされる点などに注意が必要です。

世界中を飛び歩く日本企業戦士の皆様の健康管理に当る産業医などの関係者の皆様におかれましては、本ワクチンをも彼らの予防接種プランを立てる際の候補としてご一考願えれば、誠に幸いです。

日本で未認可のワクチンの日本での接種についての質問等に関してはインターナショナルクリニック(東京都港区麻布台1-5-9、Tel. 03-3582-2646、Fax. 03-3583-8199)へご相談下さい。 叉、海外では、例えば、パリにあるエア・フランスの予防接種センターで受けることが出来ます。その他の国については在外公館駐在医務官にお尋ね下さい。

日本で未だ認可されていないワクチンの内、私がこのニュースレターで言及したワクチンは本ワクチンを含め4つとなりました。
 


◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
横内 敬二

◇インドネシア医療事情

インドネシアで良い医療を受けるには、医療制度が日本とは全く異なるということを理解する必要があります。こちらでは「オープンシステム」といって、医師は医療機関の職員ではなく個々が独立した個人事業主で、クリニックや病院の一室をオフィスとして借り、医療機関の設備や検査器機、看護師や技師などのスタッフを利用して診療を行っています。ジャカルタなどの大都市の多くの医師は、一カ所の医療機関の収入だけでは暮らしていけず、何カ所も掛け持ちしています。

また医療スタッフは直接医師の管理下にはないため、一般に医療知識に乏しく、技術レベルも低く、医療上何か問題が生じても十分な対応や説明を期待できません。受診者自身で自分の病状、診断、治療方針について直接医師に確認し十分な説明を求めないと、適切な治療が受けられないだけでなく、過剰医療が行われてしまう傾向にあります。

そのため、必ず当医療相談室の医師や他の日本人医師にセカンドオピニオンを求めるよう心掛けて下さい。ただインドネシアではシンガポールなどと違い、日本人医師に免許が与えられないため、立場はあくまでもコンサルタントでしかありません。

特に入院を必要とする疾患の場合、設備の整った「良い病院」を探すのではなく、まず「良い医師」を選ぶことが重要で、優秀な専門医がどこの病院で働いているかを調べ、主治医になってもらわないと良い医療は望めません。

医療費については、原則として自由診療のため日本と違って各医療機関や各医師により差があり、優秀な医師の診察費は当然高くなります。

MR、CT、超音波機器、電子内視鏡装置など最新の医療機器が導入されている病院が増えていますが、総合的な医療レベルは30年前の日本の水準と思われます。

さて、任期の2年が終了し、年末をもちまして帰国することになりました。自分なりに邦人医療に少しでも貢献したいと努めてまいりましたが、私自身として大変充実した貴重な経験を積むことができました。2年間本当にありがとうございました。



◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇中国の医療費

私も大連に住み始めてほぼ2年になりましたので中国の事情には随分慣れたつもりではいます。そのため中国の医療事情についてお話してください、などといわれることが多くなってきました。

以前なら違和感があったが慣れてしまったことの中には、医療費の先払い(これらは入院・手術などでも厳格に適応され緊急を要する場合でも医療費を支払わなければ一切の治療は行われません。)や、インフォームドコンセントという考えがあまりないことなどがあります。これらに関しては医療費の支払いについては日本のほうが世界の中では少ない部類に入ることも知りました。

しかし最近中国語がある程度わかるようになり街を歩いていたりテレビを見ているうちに、以前には気づかなかったのかわかりませんが、日本人としては受け入れがたい病院の事情というものに気づきました。

日本でも最近はデフレですが景気が過熱気味といわれる中国でもデフレが進行中です。それが病院にも及んできたのか「病院の開院記念です。(オープニングセール)初診料無料。」とか「期間限定です。診察費20%オフ。」などという広告が至るところにあるのです。それらを友人の中国人におかしくないか?と尋ねてみてもおおむねの答えは「お金を節約したい人もいるし、そのような人には安いほうがいいでしょ。」というものでした。

今までもつねづねむしろ日本は社会主義で中国は資本主義ということは身にしみて感じていましたが、今回の中国人の友人たちの反応を見て少しも驚かないことに未だ中国に慣れていない自分に気づいた次第です。