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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL03110101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇日本高血圧学会にて

10月の終わりに日本で行われた高血圧学会に参加してきました。海外邦人医療基金では年に一度日本での学会出席を義務付けていますが、確かに良い刺激となりました。

中でも高血圧に対する治療が日本と世界とでかなり異なる事が気になりました。アメリカではコストを考え高血圧の治療に利尿薬を中心に使用しています。

日本では高血圧の治療指針に確かに利尿薬が入っていますが、実際にファーストチョイスとしてはあまり使用されず、カルシウム拮抗薬やアンギオテンシン変換酵素阻害薬が使われることが多いです。コストの差を考えてもこれらの薬の方が効果があるのでしょうか。現にアメリカで行われた高血圧患者4万2千人を対象に利尿薬、カルシウム拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬を使った研究では3剤の効果に大きな差は無かったようです。

アメリカでは心疾患が多く日本では脳卒中が多かったり、人種的な薬物効果の相違などあるかもしれませんが、それを本当に吟味するために日本でもこのような研究が行われるのが望ましいでしょう。日本で高血圧症の患者は3000万人ぐらいと推定されますからその治療にかかる費用は莫大だからです。

医療経済が問題となっている今、国民の負担を上げる事も大事ですが、薬の使用法を見直すことも必要でしょう。どこかの大学の教授が私は利尿薬は嫌いだから使わないと言っていましたが、臨床医学を先導すべき権威のある人達の発想にコストの概念も共存させるべきだと思いました。


◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇狂犬病ワクチン

フィリピンでの狂犬病の発生は当国保健省の作成しました狂犬病ガイドライン(Guidelines on RABIES Prevention & Control Oct.16,2002)によると毎年300~600人の比国人が死亡していると明記してあります。

狂犬病は発病すれば致死率が100%近い、恐ろしい病気であるということを認識する必要があります。日本では近年発生していませんが、下記の地図(JOHACのホームページより)を参考までに見ていただいておわかりのとおり、先進国でも狂犬病ウィルスが存在します。

世界では狂犬病が発生していない地域(日本、ハワイ、オーストラリア、イギリス、ノルウェー、スエーデンなど)の方が例外的であり、年間死亡者数は約三万と推定されています。
犬だけではなく、猫、蝙蝠、狐、狼、アライグマ、スカンクなど多くの動物が媒介する点ご留意ください。
前述の如く日本では最近狂犬病が発生していないので、旅行、出張、海外長期滞在などで出かけてもその危険性を認識していない人が多く、犬猫などに不用意に近寄り噛まれる例が後を絶ちません。


海外でイヌなどに噛まれたら、傷口を石鹸と水でよく洗った上で(犬などの唾液にウィルスが含まれます)、急いで医師に相談して下さい。これが予防の基本です。

標準的予防接種方法は3回の接種を2回目は1回目の1カ月後、3回目はその6カ月から1年後とされています。
生後6カ月以降であれば接種は可能とされています。

感染から発病までの潜伏期間は平均1~2カ月間で、その間の診断は不可能だ。突然発病して1週間から10日で死に至る。人に対する有効な治療法は、動物にかまれた後、上記に述べた如く、傷口をかまれた後すぐに当該部を洗い、アルコールなどで消毒の上できるだけ早くワクチン注射をすることである。抗狂犬病免疫グロブリンを併用すれば、治療効果が高まるが、日本にはない。しかし、フィリピンでは同グロブリンは認可され、発売されています。


◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
横内 敬二

◇インドネシア薬事情ー10月度

インドネシアでは完全医薬分業制がとられていて、薬はすべて薬剤師が取り扱い、医師は処方箋の発行だけで、直接薬を発注したり購入することは原則としてできません。

医薬品は保健省で管理され、
 1)最も厳しい監督下にある麻薬類
 2)処方箋が必要な薬(包装紙に赤い丸印)
 3)薬剤師のいる薬局で購入可能な薬(青丸)
 4)スーパーなどでも買えるいわゆる大衆薬(緑丸)
の四つのクラスに分けられています。

それぞれの代表的な薬としては、
 1)咳止め(コデイン)
 2)睡眠薬や精神安定剤、生活習慣病の薬、抗生物質、痛み止め
 3)かぜ薬、普通の咳止め、胃腸薬
 4)ビタミン剤、消化剤や整腸剤など
が挙げられます。

薬局は医療機関から完全に独立した採算事業のため、たとえ2)の薬でも実際には睡眠薬以外は処方箋なしで販売しています。抗生物質や痛み止めにはアレルギー反応を起こしやすいものが多く、中には妊娠中の胎児に悪影響を及ぼすものもあり、また高血圧、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病の治療薬についても自己判断で内服するのは大変危険です。必ず医師の診察を受けて処方箋をもらってから薬を購入するように努めて下さい。

また、「当地の薬は強い」といわれますが、それは薬理作用が強いのではなく「一錠の用量が多い」ということです。欧米の薬がそのまま納入され、欧米人の体格に合った分量のため、ほとんどの薬が日本人の常用量の2倍となっていて、服用の際には十分な注意が必要です。

いずれにせよ、薬には多かれ少なかれ必ず副作用がありますので、医師に相談してから服用するようにして下さい。


◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇最近の大連事情

最近の大連事情

ここ最近中国での反日機運が盛り上がっている。8月のチチハルでの毒ガス騒動や9月の珠海での買春問題や10月の西安での留学生による寸劇問題などによってである。これらの問題に対しての個人的な感想に関してはおいておくとして、大連でも「日本人は…」と眉をしかめる中国人も少なくはない。それらの原因は反日教育による影響があるというような報道が日本で時に見かけられる。僕もその点に関しては賛成する部分もあるが実際には問題のある行動も多いように見受けられる。

その最たるものは売買春問題である。経済格差があればどのような地域でも起こりうる問題というのはおそらくは事実であろうし、また日本人のみがそのような問題に関わっているわけではないことも事実ではありますが。大連では日本人は外国人であり、とりわけその中でも中国人にとっては過去の歴史から特殊な感情を抱いている民族であることも確かである。

私は大連に住み始めて1年半であるが私が住んでいる間ですら以前にも増してこのような状況がひどくなっているように感じる。今のところは大きな問題とはなっていない原因としては中国人というのは日本人よりもおおらかな部分も持ち合わせているという面もあるが、ほとんどの理由は大連の経済は外資企業とりわけ日本企業に依存していることだと感じる。

大連は日本人にとってなじみの深い町であるし、中国の中では日本人・日本企業にやさしい街ではあります。しかし、今後は進出企業の増加による在住日本人の増加や中国旅行の際のビザ免除規定により観光客の大幅な増加が予想されます。今後さらなる状況の悪化も考えられますが、大きな問題とならないか心配しています。出来れば日本人として後ろめたさがなく生活できる環境を作り出していかなければとも思います。