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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL03100101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇引っ越し中の風邪症状

 世界中で都市部を中心としてアレルギー性疾患が増加しています。大気汚染や幼少時期の感染状況や治療状況の変化、住居の変化等が増加の原因と考えられています。

 シンガポールでは日本で多く見られる花粉症の方はあまりいませんが、時々アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎の方が来ます。発症原因としてあるのが引っ越しのためホコリをかぶり発症するケースです。

 つい先日も結膜炎と鼻炎の症状で外来にいらした方がいました。咽頭痛もあったため風邪かと考えていたようです。アレルギー性を疑い、環境要因を問診していると現在引っ越し中とのことでした。引っ越しでホコリをかぶりアレルギーを起こしたものと考えられました。以前にいらした方は、引っ越し中に気管支喘息が久しぶりにおきて外来にみえました。

 アレルギーでも咽頭痛を起こすこともあるので、引っ越し中に風邪症状が出現した時には、風邪の他にアレルギーも考慮して下さい。


◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン

 先に日本で認可されていないワクチンを紹介したA+B型肝炎混合ワクチン(Twinrix)、腸チフスに加えて、標記ワクチンがあります。

 この対象となるヘモフィルス‐インフルエンザb菌感染症は「インフルエンザ」という言葉を含んでいるため紛らわしいのですが、日本を含む北半球世界で冬に流行を起こすインフルエンザとは全く関係がありません。
 この菌は髄膜炎、肺炎、化膿性中耳炎、鼻咽頭炎などの原因の一つとなる病原体の細菌です。
 この名前が長いために単にインフルエンザb型菌、Hib(Haemophilus influenza Type b)という略称がしばしば使用されています。

 小児の細菌性感染症(特に細菌性髄膜炎)では特に重要で、生後3ヶ月~3歳が感染のピークとなります。欧米では殆どの地域で、乳幼児を対象として通常の予防接種スケジュールに組み込まれていますが、日本は未だ認可されていないのが現状です。

 フィリピンにおいてもAventis Pasteur社のACT-HIB、GlaxoSmithKline社のHIBERIX、Wyeth社のHIBTITERの単剤製品が認可されている他、「HEXAVAC」という6種混合ワクチン(ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎、ポリオ、Hib)の中に入っているのも発売されています。

 毎年日本では数百人もの子供達が髄膜炎の後遺症を残したり、急激な経過で死亡したりしているという某日本人小児科医の報告を考えますと、BCG、ポリオ、DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、風疹、日本脳炎、麻疹などと同様に、任意接種ではなく、国家の責任による勧奨接種として、日本においても全ての子供達にHibワクチンの接種が可能になるよう切に望むものであります。
 
 フィリピンにこられた機会に対象になる乳幼児の同伴される方には、是非お薦めする予防接種の一つとしてここに紹介致します。
 通常の接種時期は生後2ヶ月~6ヶ月の間に3回、追加接種を3回目の接種の1年後にします。
 
 マニラ日本人会診療所では2003年9月26日現在上記ワクチンを1回935ペソで実施しております。


◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
横内 敬二

◇性感染症

 性感染症は性行為または性交に類似した行為により接触感染する疾患です。病原体としてはHIV(エイズウイルス)、B型肝炎ウイルス、性器ヘルペス、尖形コンジローマや伝染性軟属腫の原因となる「ウイルス」や尿道炎、そ径リンパ肉芽腫などを起こす「クラミジア」、梅毒、淋菌、軟性下疳菌などの「細菌」、膣トリコモナス、アメーバなどの「原虫」、「ケジラミ」や「ダニ」等が挙げられます。

 医療相談室での性感染症としては尿道炎が最も多く、月に2~3人、性器ヘルペス、軟性下疳がそれぞれ年に3~4人位となっています。受診者は20代~50代の男性で、排尿時症状や局部の皮疹が出現したため来院しています。感染はすべて女性性産業従事者からの感染です。

 女性の場合、一般に性感染症の多くは感染していても症状が現れにくく、感染しても自分で気がつかないことが多く注意を要します。一つの感染症に罹っていると他の感染症にも罹りやすく、感染症チェックは定期的に受け、早めに治療を済ませておくことが必要です。むろんパートナーの治療も重要でこれを怠ると再び感染することになります。

 これらの内、クラミジアや細菌、原虫、シラミやダニなどには有効な治療法がありますが、ウイルス性疾患は根治的治療法がなく一度感染すると取り返しのつかないことになります。特にHIVは、エイズ(後天性免疫不全症)を発病すると極めて死亡率が高く、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬も開発されてはいますが、継続して服用しなければならないため、手間も費用も莫大なものとなります。

 最も大切なのはHIVに感染しないように注意し対策を講じることです。飲食物から経口感染する腸管感染症と違い、感染経路が性交渉の場合には確実に自分自身で予防することが可能です。それはコンドームを正しく適切に使用し、感染者の粘膜との直接的な接触を絶つことです。
 但し、重要なことは、避妊とは異なり、コンドームは必ず性交渉の最初から最後まで使用することで、途中からの使用では全く意味がありません。


◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇SARSとインフルエンザ

 先月も書いたように10月の大連は暖房が入らない為に最も寒く感じる時期です。この時期は非常に感冒の患者が増加してくる時期のために忙しいはずなのですが、今年はSARSのおかげで発熱患者を診察できないことになっており、結果的に患者数は減少しています。

 本来ならばSARSが発生した時点で患者の制限を行うべきであるとは思いますが、今年の大流行で政府指導部もかなり神経をとがらせており、もしSARSの流行がなくても来年春まではこの体制を続けるようです。

 当診療所としても診療はできないもののSARSに対して出来る事であるうがい・手洗いの励行、インフルエンザワクチンの接種などを商工クラブを通じて大連在住日本人社会に訴えかけています。インフルエンザワクチンの接種はSARSには直接関係しないものの、当地大連では発熱する事により発熱外来を受診し、その後SARS感染の担当病院に入院させられる事もあるために非常に重要になっております。

 しかし、日本以上に当地ではインフルエンザワクチンの不足がひどく10月半ばにはもうワクチンが不足してきているようです。これに関しては日本からワクチンを持ち込むわけにはいかず非常に苦労しております。日本へ12月初旬までに帰国予定にあるものに関しては日本での接種を呼びかけています。

 また、インフルエンザの簡易検査キットやインフルエンザの特効薬なども当地には存在しない為に昨年は非常に苦労しました。今年も検査キットや薬は用意されていないようなので今から頭を抱えています。

 今冬に中国に出張・赴任予定の方は是非日本でのワクチン接種をお願いすると共に、当地で不足気味であるうがい薬などは日本より持参する事をお勧めします。