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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL03090101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇シンガポールの医療事情

シンガポールの医療レベルは東南アジアの国々の中ではかなり高い事が知られています。今年から更にその医療レベルを維持、増進させるためにシンガポールでは政府に登録されている医師全員に強制的に医学を勉強させることを目的とした法律が作られました。これは大病院等で常に勉強できる環境で働く医師よりは、個人クリニック等で働く医師を主に対象としているようです。

 医師として働くためには2年毎の政府への申請が必要ですが、その際勉強したことの証明にある点数が必要になったのです。必要な点数は2年間に50点以上で、一回2時間程度の講習が1点で、1日が4点、2日コースが8点となっています。この他にも自学学習として指定された論文を読むと1論文につき1点となります。この自学学習で認められる点数は基本的には2年間の内10点しか認められませんが今年は、前半SARSのため多くの講習が中止になった経緯があり特別措置として自学学習で取得できる点数が大幅に増加しています。

 日本でも医師の卒後研修の必要性が言われていますが、この様に学会への参加や論文を読んだりすることをある程度強制する事はよいことだと思います。特に個人で開業している場合には強制的に勉強させることは重要だと思います。日本でも医師免許が更新制になり、その時に一定の条件が必要になることも遠い未来では無いかもしれません。



◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇破傷風の予防接種

 日本では、小児期に三種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日咳・破傷風)の定期接種が実施されています。1回では十分な免疫ができないので、乳幼児期にまず3回接種し、さらに追加接種を1回します。さらに長期にわたる免疫をつけるために、小学校高学年から中学校で、二種混合ワクチン(DT:ジフテリア・破傷風)を1回追加接種します。
 生後3ヶ月~1歳までに3回接種、1年~1年6ヶ月後に追加接種を1回、11~12歳に追加接種1回をします。
 前回の接種後10年を過ぎた人は、追加接種が望まれます。
 (11~12歳で破傷風を接種後、10年が過ぎた20歳前後の大学卒業時(就職前)が追加接種の目安になります。)

 上記時期に接種したかどうかの確認を母子手帳などで必ずしてください。
 実施していない方は、3回の接種を海外赴任前にA及びB型肝炎などの予防接種と共に完了出来るよう各企業人事担当の責任者の方は右配慮の上、前広に本人に其の異動の内定通知をするようお願いします。
 海外赴任後にすれば良いと甘く考えないよう願いあげます。

 赴任後は各人の業務に専心できるよう、推薦されている予防接種は日本で全て完了するよう重ねてお願い致します。
 海外赴任後のワクチン接種は、日本で認可されていないもののみを対象とし、本邦で受ける事ができる予防接種は全て接種完了してから、赴任せしめるよう関係者は周知徹底していただきたい。

 尚、当国国立感染症センター長JUAN LOPEZ医師に昨日お尋ねしました結果では、昨年2002年一年間の破傷風症例は新生児200例、非新生児例1,002合計1,202例とのことでした。
 因みに日本では2003年8月10日までの症例報告数は40件と本日9月3日接受した日本医事新報4140号に掲載されていました。
 最後に破傷風に罹患しますと約半数以上の例で死亡するという事を肝に銘じてください。



◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
横内 敬二

◇下痢

 下痢を主訴に来院する人は一年中多く、全受診者の一割強を占めます。胃、小腸、大腸などの消化管には大量の液体成分が存在し、飲食物からの水分と胃液や消化液などの分泌液を合わせると約9Lにもなります。水分の70~80%は小腸で、残りは大腸で吸収され、食物残渣は集合して固形便になりますが、何らかの原因でこの分泌と吸収のバランスが崩れると便は泥状からさらには水様性となり下痢症状が出現します。当地ではその原因はほとんどが細菌や原虫などの腸管感染症で、病原体による粘膜の障害や毒素のため分泌異常や吸収障害が起こり腸管のぜん動も亢進して下痢となります。

 また一般に感染性腸炎は発熱、腹痛、吐き気や食欲不振も伴います。この場合の下痢は病原体や産生された毒素を排泄する重要な自己防衛反応で、むやみに下痢を止めるのは好ましくありません。現地の医療機関では下痢止、解熱剤、腹痛に対して鎮痛剤(鎮痙剤)がよく処方されますが、いずれも腸炎に対しては逆効果なので注意を要します。

 抗菌薬に関してもアメーバ症など一部の感染症を除いて必ずしも必要ではありません。

 水様性の激しい下痢であっても喪失した水分や電解質の補給が経口摂取で十分可能であれば重篤になることはほとんどなく自然に治癒します。しかし特に小児や高齢者は脱水になりやすいので経過を十分観察し、咽喉の渇きや尿量の減少などの脱水症状が出現するようなら点滴などの全身管理が必要です。消化吸収を助ける消化酵素剤、乳酸菌製剤などの整腸剤は胃腸の働きを整え、急性下痢だけでなく慢性下痢にも有用です。

 診断には便検査は必須で、たとえ水様便でも検査には全く支障はないので、受診の際にはなるべく持参するように心掛けて下さい。むろん採便は来院後でも結構ですが、下痢が止まってしまって検便ができないことがしばしばあります。便は専用の容器にいれる必要はなくビニール袋などで構いません。医療相談室では10分程で検査結果は判明します。



◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇大連の天候

 今年は日本も冷夏ということでかなりの異常気象だったようですが、当地大連でも普段なら水不足がひどく節水の呼びかけがされています。しかしながら今年は7月下旬より8月上旬までおよそ2週間雨が降り続けて観測史上初めての降雨だったようです。従って、水不足は今年に限ってはありませんでした。また、日本と違い雨が降ればかなり気温が低くなるために日本と同じく冷夏でした。今回の異常気象を体験してやはり夏というのは暑くなければと感じています。この記事を書いている現在ではもうかなり涼しくなってきており、日が沈めば長袖の服が必要になってくるくらいです。

 実際に冬になってしまえば大連のマンションやショッピングセンターなどの人のいるところすべてセントラルヒーティングが敷かれているために寒さを感じることはありません。実際には新年の頃は零下5~10度くらいにはなるのですが、昨年帰国した際には大阪のほうが寒く感じたくらいです。しかし、中国の特徴ですが変なところで規則に厳しく既に寒くなっていようが決められた時期が来なければ暖房は入らず(逆に言えば寒くなくても時期が来れば暖房が入り暑く感じることも多々あります。)困ってしまうことがあります。実際に感冒が増加するのは当地大連では4月と9,10月です。これは4月には寒さが残っていようと暖房が止められ、9,10月は寒さが出てきていても暖房が始まらないからです。セントラルヒーティングがきちんと敷かれているためにそれが稼動中は他の暖房器具が必要なく、結果として住宅に付設されている暖房器具などはそれほど用をなしませんのでこの時期はひたすら寒くならないように祈り、寒くなれば我慢するといった感じでこの時期をしのぎます。

 当相談室としてもこの時期は感冒にかかりやすいことを広報し、この時期よりうがい・手洗いのいっそうの励行を促しています。しかしながら、実際には患者様はかなり増加してきます。今年はSARSの発生した後、初めての冬ですから再流行するかどうかがかなり心配されています。SARSに関しての情報にも細心の注意を払いながら診察を進めていきたいと感じています。