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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL03080101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇手足口病

シンガポールでは現在、手足口病の患者さんをちらほら見かけます。

日本と違って、シンガポールでは手足口病になると幼稚園や学校を休まなくてはいけませんし、幼稚園に診断書や治癒証明書を提出して、シンガポール政府にも専用の用紙で報告をしなくてはなりません。

どうしてこのような事になっているのでしょうか。

手足口病は主に『エンテロ71型』『コクサッキーA16型』『コクサッキーA10型』等のウイルスが原因となって起こります。熱は無いか、あっても37.5度以下の微熱で、発疹(真ん中に水泡があり周りが赤くなる)が手や足、膝、肘、お尻に出てきます。又、口内炎や上あごに赤い発疹が出る事もあります。舌の横に口内炎が出ると、とても痛くて食べるのが困難になります。

一般には自覚症状は殆ど無いか、あっても軽く(シンガポール政府の方針で幼稚園や学校を休まなくてはなりませんが)子供は家で元気いっぱいといった風です。しかし稀に脳炎や心筋炎を起こす事があり、過去にマレーシアで流行した際には死亡したケースが多く見られたからです。そこで集団感染を避けるため、登校、登園を中止させます。

シンガポールでの手足口病の原因ウイルスは『エンテロ71型』が多く、このウイルスは中枢神経系への感染が多いとされています。手足口病で、38度以上の発熱が2日以上続いたり、元気がなかったり、頭痛、吐き気がする場合は直ぐに医療機関を受診するようにして下さい。


◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇日本脳炎ワクチンについて

下記①のごとく、今年は中国南部で同脳炎が流行しています。
最近フィリピンでも3例報告が当局よりありました。
当国では同ワクチンは通常、一般の病院・診療所にはおいていない為、当地に来られてからは接種できません。
この点、先に報告した(A+B)型肝炎ワクチン「Twinrix」並びに腸チフスワクチンとは逆の事情にあります事にご留意頂きたく、お願い申し上げます。
日本出発前に、同ワクチン接種が強く望まれる所以です。

① 中国南部で流行している日本脳炎の状況及び北京市内の状況について最近、広東省及び広西チワン族自治区の農村部を中心とした一部地区において、日本脳炎が流行しています。6月30日現在、広東省の18の市において日本脳炎患者が報告されており、患者数は310名、うち死亡者27名、疑似感染者は50名となっています。また、中国における発病者のうち、10歳以下が80%を占めています。中国全土での流行状況は低水準を維持していますが、例年中国における日本脳炎の患者の85%以上が7月から9月にかけて発生していますので十分注意する必要があります。

尚、北京市衛生当局によれば、北京市では児童に対する日本脳炎の予防接種が普及していることもあり(接種率約98%)、1999年以降これまで患者発生の報告はありません。

②日本脳炎について
日本脳炎は、主に蚊の一種であるコガタアカイエカを媒介して、主に豚に寄生している日本脳炎ウイルスがヒトの中枢神経に感染することにより、一部の者が発症します。

ただし、ウイルスに感染した場合でも、多くの者は発症しないままの感染(不顕性感染)で終わります。中国では一般的に、西部を除き、衛生状況があまり良くなく、豚や蚊が多い地方や農村部で発生しており、衛生部の統計では、2002年の患者総数は8187人、発病率は0.64 /10万人、死亡率は0.01 /10万人、発病者のうち死亡する者の比率は2.25%となっています。

日本脳炎は約7日~20日間の潜伏期間を経て、突然の発熱、頭痛が起こり、時に食欲不振、嘔吐・吐気、腹痛、下痢などの症状を呈します。感染が進行すると高熱となり、数日間持続します。また、筋硬直や髄膜刺激症状、脳症状(意識障害、ケイレン、異常運動等)が現れます。さらに、後遺症が残ることもあります。上記の症状がみられる場合には直ちに医師に相談されることが肝要です。

日本脳炎の治療法は対症療法となり、現在のところ特効薬はありません。

北京をはじめとする中国の都市部では感染する可能性は比較的低いと思われますが、小さなお子様を連れての長期滞在を予定している方は、予防接種をフィリピンに入国するに受けることをおすすめします。また、旅行等長期滞在でない場合も蚊に刺されないように気をつけて下さい。

なお、夏季は細菌性、ウイルス性感染が増加する時期です。日本脳炎に対する予防のみならず、食中毒をはじめとする感染症にも十分注意して下さい。
(手をこまめに洗うなどの対策は一年を通じ、感染予防のために有効な予防法です。)

③日本脳炎ワクチン接種方法
日本脳炎ワクチンは初回免疫として1-4週間の間隔で2回接種、初回免疫後1年後に追加免疫として1回接種します。Ⅱ期として、小学4年生、Ⅲ期として中学2年生で接種します。

現在まで日本脳炎ワクチンによる重篤な副反応の報告はなく、接種箇所の発赤、腫脹、疼痛等が稀にある程度で、比較的安全なワクチンと考えられています。

最後に、インターネット環境にあられます方は下記サイトを参考にしてください。
http://www3.johac.rofuku.go.jp/infection/drugs/vac-je.html



◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
横内 敬二

◇生活習慣病

厚生労働省は生活習慣に関連する病気をまとめて「生活習慣病」と定め、生活習慣の改善に心掛けるよう呼びかけています。これらの疾患には肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などやそれに起因する心筋梗塞、脳卒中、喫煙による肺癌、飲酒と関係する肝障害、食道癌などが含まれます。

このうち高血圧、糖尿病、高脂血症は潜伏して慢性に進行し、初期においては自覚症状は全く現れません。そのため早期発見、早期診断には毎年の定期健康診断を受けることが重要です。医療水準の低いインドネシアでは自分自身で健康管理をしなければならず、健診結果は大切に保管し医療機関を受診する際には常にデータを持参するようにして下さい。慢性疾患では病状の経過が問題で、以前のデータと比較検討し今後の生活に活かすことが必要です。医療相談室のあるクリニックメディカロカには臨床検査室があり、血液検査はいつでも受付可能です。

気温の変化のない熱帯地方では一般に高血圧に関しては良好に経過しますが、糖尿病、高脂血症は増悪傾向にあり注意を要します。その要因としては暑さに対処する生活の知恵としてどうしても揚げ物や糖質に富んだ食事になりやすく、また車社会で歩く機会がほとんどないためと考えられます。

日本人の一日の平均歩数は男性が8,200歩、女性が7,300歩といわれていますが、こちらではせいぜい3,000歩位で、健康によいとされる推奨歩数の一万歩には程遠く、慢性的運動不足の結果血糖値やコレステロール値は高くなります。積極的にプールやフィットネスを利用し体を動かすことに努め、食事についてはなるべく油物を控え、衛生面にはくれぐれも注意を払いながら野菜を十二分にとることが重要です。



◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇大連の近況

今年の大連は気候観測が始まって以来といわれるほどの雨の多い天気が続いています。7月末よりほぼ一週間以上晴天がなく、雨も毎日のように降り続き、まるで日本の梅雨のようです。昨年の夏はほとんど雨は降らず、取水制限が実施されるほどの渇水でしたが(これは基本的に毎年のことのようですが)、今年は例年にない降水にて水自体は確保できているようです。

大連の夏というのは日本とは違い湿気が少なく過ごしやすいと以前にも書きましたが、今年は日本の夏と同じく過ごしにくく、冷房を入れなければ眠りづらいような天気です。(日本でも今年は梅雨が長く続き冷害なども出ているようですので地理的にも近い大連の異常気象もなんらかの関係があるかもしれません。)

さて、毎年のことですがこの時期になると非常に下痢の患者様が増加してきます。これは一つはやはり夏は食べ物が早く悪くなりやすいという状況もあるかと思います。中国の中では近代化が進んだ大連にあっても未だに日本のスーパーマーケットらしきものは出現してきたばかりで、一般には市場で買い物ということになり、食べ物の保存状態は日本のようには良くはありません。また、物流に関しても恐らくは冷凍車・冷蔵車の類の特殊な車両はそれほど多いとは思えません。

外食に頼ることの多い駐在員の方々にとってはやはりこの時期は食べ物に注意が必要でしょう。出来ればこの時期は特に注意をして火の通ったものを食するようにするべきでしょう。夏ほどではないですがもともと中国大連では水が合わない方が多いのか、もしくは中華料理の油分が多いのか下痢などの消化器症状は非常に多く冬になってもかなりの数の患者様が下痢にて来院します。

今の診療所の状況ですが、上記のように通年の下痢に加えてこの時期はいわゆる「食べ物に当たった」と考えられる下痢が増加するわけですが、SARSが収束したばかりの中国では未だに発熱外来というものが存在し、結果発熱の原因が恐らくは下痢であろうとも発熱している患者に関しては診察することはできません。これは当相談室にとっても患者様にとっても問題があり、中国衛生部(日本の厚生労働省に当たる。)も今冬のSARSの流行までは規制を緩和していただければありがたいのですが現状としてはなかなか難しいようです。中国に出張される方々も上記事項には注意していただきたいと思います。