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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL03050101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
吉田 泰司

◇肥満に関連して

シンガポールへ赴任以来約1か月が経過しました。赴任早々SARSのことがあり非常に気掛かりです。

当地へ来る前はほぼ赤道直下の国なのでさぞかし暑いだろうと考えていましたが、実際来てみるとさほどではありません。日本の千葉の夏は冷房をかけた家の中でも暑くて動けず1日中横になっていました。今年は雨が多いのでしょか、雨期が過ぎた後でも結構激しい雨が降ります。

シンガポールに限らず、海外赴任中は食事やお酒が多くなり肥満になることが非常に多いようです。この時、コレステロール、尿酸値が上昇したり、脂肪肝になったりしますが、今日は肥満と関係のある睡眠時無呼吸症候群のお話しをします。

睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に呼吸が止まってしまいます。このことにより血液中の酸素が低下し、心臓などに影響を与え不整脈や高血圧症、心不全をおこすことがあります。また、血液中の酸素が低下して覚醒してしまうことから夜間よく眠れず、昼間に異常な眠気を来す事があります。酷いときは交通事故をおこすこともあるようです。身体的な特徴として、高度の肥満、扁桃腺の肥大、鼻腔の通りが悪くなる病気等があるようです。

以下に簡単なテストを示します。
あなたの生活の中で、次のような状況になると完全に眠ってしまうことはありますか(眠くなるだけでなく)。

1. 昼間、座って読書をする時
2. 昼間、テレビを見ている時
3. 会議中
4. 乗客として1時間程度自動車に乗っている時
5. 午後に横になり静かにしている時
6. 座って人と話をしている時
7. アルコールを飲まずに昼食をとった後静かに座っている時
8. 自動車を運転中に信号や交通渋滞で数分止まった時

あてはまるものが多い時は注意が必要です。


◆マニラ

マニラ日本人会診療所
土田 穣

◇赴任のご挨拶

小生去る4月10日当地マニラに家内と共に着任したばかりで、右も左も解かりませんが、住居もマニラ首都圏のMakati Cityに定まり、診療にも漸く慣れてきたところです。

これまでの5大陸8か国(ラオス、ナイジェリア、パラグアイ、タイ、ブラジル、コートジボワール、メキシコ、フランスの順)での医療活動の経験を生かし、少しでも当地の在留邦人の医療問題に御役に立てればと思います。

どうぞ皆様のご協力とご指導を宜しくお願いします。
以上簡単ですが、今月は就任の挨拶で終わらせていただきます。


◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
横内 敬二

◇痛風

熱帯地方で特に多い疾患ではありませんが、痛風発作で来院する人は日本より多い傾向にあります。痛風は高尿酸血症を基礎に発病し、関節内に尿酸塩結晶が析出し急性関節炎を起こした状態です。30歳以上の男性がほとんどで、また家系的に高率に発生することから、生活習慣病というよりむしろ遺伝的素因の方が強い疾患です。

症状は関節部の疼痛、腫脹、発赤が特徴で、部位としては足の母趾の付け根に最も多く発症しますが、足関節や膝関節にも起こります。ゴルフ当日の深夜か翌朝に突然の激痛に襲われ、医療相談室を受診する場合が大部分です。炎天下でのプレーは著しい発汗のため脱水となり血液は濃縮し血中尿酸値が上昇し結晶が沈着しやすくなります。また運動後のアルコール摂取がさらに結晶化を促します。

治療はまず患部を挙上し安静にし、マッサージは絶対してはいけません。発作時には強力な消炎鎮痛剤の大量投与を要すことがしばしばありますが、通常1週間程で症状は消失します。炎症が治まってから高尿酸血症の治療を実施します。日本痛風・核酸代謝学会では、尿酸値が7.0mg/dl以上を高尿酸血症と定義して、生活指導や薬物療法の対象としています。尿酸はプリン体の代謝産物で、4分の1は食物から4分の3は体内の新陳代謝によって生じます。プリン体を多く含む食品にはレバーや干物などがあり、むろんこれらの摂り過ぎには気を付けなければなりませんが、ほうれん草や大豆、米などにもかなり多量に含まれ、食事だけでプリン体の摂取量を減らすのは難しく、食事全体の量を減らすことが重要です。ビールは麦芽にプリン体が多く含まれるため、他のアルコールと比べプリン体の含有率が高く控えた方が好ましいのですが、アルコール自体に尿酸を増やす働きがあり、飲酒には十分注意を要します。

高尿酸血症の内服治療は長期間にわたりますが、痛風などの症状が全く無い場合はすぐに内服治療を始める必要はありません。尿酸の約7割は尿中に排泄されるので、日頃からできるだけ水分を多く摂り尿量を増やすことが大切です。


◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
横矢 佳明

◇SARSについて

今回のSARS騒ぎで中国というのは噂などの口コミ情報が非常に大きな比重を占める社会なのだと実感しました。大連は中国の中では経済的に見ても非常に大きな都市であり、東北地方の経済の中心といっても過言ではないですが、そのような都市であっても口コミ・噂というのは一般の人々にとって非常に大きな情報源であり、かつ、行動の指針を決める際の大きな材料になっているようです。そのような情報に振り回されているのは中国人のみならず、在住日本人も同じであり、噂に関しての質問が今回の騒動で相当数発生しました。

例えば「どこそこでSARS患者が発生したようだ。そのために消毒を始めた。」「どこそこで患者が5人発生し、2人が死亡した。」「SARSにはこのメーカーの酢が殺菌に効果がある。」などです。そのたびにそのような事実はありません、と打ち消してはいるのですが次から次へと噂が出てくるのです。

今回の騒動で如何に正しい情報を伝えていくかということの重要性を痛感しました。同じようなことが昨年度のインフルエンザウイルスに対してのワクチン接種に関しての広報についても起こりました。当地の日本人会を通して「インフルエンザワクチンはインフルエンザ罹患の確率を減らし、かつ、罹患した場合の予後を改善する。」旨を明らかにしたにも関わらず、「インフルエンザは毎年型が変わるので効果がない。」「インフルエンザワクチンを接種したにもかかわらずインフルエンザに罹患した。どういうことか。」など、今回ほどの頻度ではないが質問を受けました。広報した事実を正しく理解していただければ誤解は生じないはずですが、小さな日本人社会に対しての広報も難しいものだと感じました。ましてや、これだけ大きな大連という都市全体に正しく情報を伝えることの難しさは十分理解できます。

このような中で私としては、地元日本人向け雑誌2誌に理解しやすいように医療情報を掲載しています。大連在住の日本人の健康を守るためには日常診療のみならず、このような広報活動も非常に重要であることを今回の肺炎騒ぎで十分に理解することができました。