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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL02030101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療情報

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
大西 洋一

◇シンガポールでのアレルギー疾患の状況

 よく聞く話に、日本でひどい喘息発作や花粉症のあった人が、シンガポールに来てからすっかりよくなったということがあります。実際、患者さんでもそういった傾向にある人を時々見かけます。これは、シンガポールに来てから、原因となる抗原に暴露する機会がなくなったからなのかもしれませんし、ストレスが減少したからだとの意見もあります。

 しかしながら、そういった幸運な人たちばかりでなく、シンガポールに来てから喘息発作が始まった人たちやアレルギー性鼻炎に悩まされる人たちも少なくはありません。

 日本では子供の喘息やアトピー性皮膚炎が増加傾向にあるといわれていますが、シンガポールでも同様のようです。

 シンガポール大学病院の調査によると、シンガポール国内での13歳から14歳の子供の4人に1人が喘息患者だとのことです。1991年当時の調査では21%でしたが今回の調査では24%であり、この10年の間の増加傾向がうかがえます。

 大学病院を含めた各種医療機関の調査結果を集計すると、シンガポールの喘息罹患児童の割合は1967年の5.5%から1987年には13.7%にまで上昇していました。

 その原因については、環境汚染が進んだことや、一般世帯にカーペットが普及し、室内のほこりが増加し、住居の密閉度が高くなり空気の入れ換えが行われなくなったことなどがいわれています。エアコンの普及率も関係があるといえるでしょう。この傾向は英国やオーストラリアの調査結果とも一致しています。

 さらに衛生条件が改善され、きわめて清潔な環境下で生育する最近の子供たちの免疫システムが過敏になって、ほこりなどによるアレルギーが引き起こされる確率が高まった可能性も指摘されています。

 日本においても、シンガポールにおいても、環境の整備がなされ、その結果として感染症などの疾患の頻度が減少したのは喜ばしいことですが、逆に現代病とも言えるアレルギー疾患が増加傾向にあるのは困りものです。

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◆マニラ

マニラ日本人会診療所
雨森 明

◇海外へ行く人たちへ

 (海外在住の人、これから海外へ行く人、社員を海外へ派遣されている会社へのお願い。)

 フィリピンに派遣されてくる各会社の社員は、もともと大きな病気を抱えた人はほとんどいませんが、中には糖尿病など生活習慣病を発症してしまう人、過去に入院歴のある人などをしばしば見かけます。医者が診察する上でご本人の過去のデータが、時に大切な資料となります。また、患者本人が自分の過去のデータを知ることで、健康に対する意識も高まります。

 医者が診察するときにはまず、患者一人一人に対して既往歴を聞くわけですが、入院歴のある人については、どんな病気で入院したか、退院時に病態や今後の生活に注意することなどの説明を受けたか、入院時の経過などの報告書はあるか等々について患者本人が全く知らないことが多いことに驚かされます。この原因は、一つには、医師側が説明をしていないことから来るものであり、もう一つには患者自身が自分を人任せにしていることから来るものだと思います。同様に、日本で高血圧や高尿酸血症、糖尿病などの慢性疾患で外来通院していた患者にしても、その経過やデータを全く患者自身が把握していない場合が少なくありません。海外で患者を診る側としてはあまりに資料が少なく、治療、検査方針に困ってしまうこともあります。何より、患者自身が一番不利益を被ります。

 ですから、海外に派遣されている人で日本に一時帰国される人や、これから派遣される人は、日本医療側から紹介状をもらうことはもちろんのこと(英文が望ましい)、外来や入院主治医から病態に対して納得ゆくまで十分な説明をしてもらい、できればデータのコピーももらってください。また、社員を派遣される会社は、社員が受けた健康診断のデータ(レントゲン、血液データ、心電図等)を是非一人一人全ての社員に持たせてください。

 案外、こんな単純なことが海外で生活する人たちの健康に対する意識を高め、お金もかからず健康を保つ上で役に立つことなのだと思います。

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◆ジャカルタ

ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
横内 敬二

◇ジャカルタ大洪水

 1月下旬から2月中旬にかけて、ジャカルタでは、本格的な雨季をむかえ長雨が続き史上最大の洪水に見舞われました。

 一般庶民の住む郊外では、死者30人、30万人が被害をうけました。

 洪水は、ジャカルタ中心街にも及び高層オフィスビルや高級ホテルも冠水し、又日本人の住む高級住宅街でも浸水したところがあり、高層アパートに引越された方々も数多く見うけられました。

 気象庁の発表では、今後このような豪雨はないとの予報で一安心しています。

 政府は、洪水による伝染病対策が緊急課題であるとして、ジャカルタのすべての病院に対して被災住民の無料治療を要請しました。

 今後懸念される伝染病としては、赤痢、コレラ、腸チフス、寄生虫症、A型肝炎など水を介して感染する病気が考えられます。これらはいずれも経口感染で、空気感染はしませんので、個人レベルの自己管理で十分予防が可能です。

 邦人社会においては、直接水害による伝染病の被害は報告されていませんが、飲料水に注意しまめに石鹸で手を洗うという基本的な衛生管理には十分留意する必要があります。

 今回の洪水は、衛生意識の低い使用人を含め、もう一度感染症に対する衛生面上の注意事項を確認するよい機会と思われます。


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◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
渡邊 浩司

◇有病者の管理

 心電図異常があり、階段での息切れや時には胸の不快感を訴えていた方。連日休みのない仕事にも堪え、ストレス解消はタバコという生活。生活指導はしたものの、仕事優先の毎日ではとても理想通りの健康生活は期待できない。精密検査が必要な心臓とお話ししたが、結局その時間は取れなかった。

 ある朝、勤務中に心筋梗塞を起こして入院。幸いカテーテル治療で一命を取りとめた。入院中の検査では余病も見つかったという。社員健診にも制限があり、ここ数年は人間ドックにも入っていなかったようだ。

 病気やけがは思いがけないものであるが、このように予想のつくケースもあり、なぜ防げなかったかと悔やまれる。社員の健康管理に対する会社の姿勢・関心度には差があるようにおもわれる。健康チェックおよび不調時のサポート体制がきちんとしているかどうか、会社として再度問い直してみる必要があろう。

 有病者が再派遣された後のフォローアップは現地担当者に任せきりとならないよう、本社サイドでも要注意者のリストアップと定期的なチェックシステムを作られるようお勧めしたい。外地で重症者が出れば本社も対応に追われることになる。そうした事態への対策・対応が危機管理のひとつとしてマニュアル化・標準化されているかどうかもポイントである。言うまでもないが、事が起こってから慌てるよりも未然の対策の方がより大切である。

◇予防接種の管理

 2月の末のある日、1日のうちに4人のA型肝炎診断があった。当たり年だった昨年を上回るという当局の予想は当たっていたと痛感した。

 大連では冬季に流行するA型肝炎だが、日本では忘れられた病気の扱いのように見える。「自分は大丈夫と思っていた。」という人が多いが、曖昧な知識に基づいていることがほとんどだ。当地への駐在者等に対しては繰り返し予防接種を勧めているが、徹底されていない印象だ。会社として方針を出さなければ動いて頂けないのが実際である。経費削減のために数カ月単位の出張派遣を繰り返す形態も増えており、より予防接種についてはあいまいになっているようだ。

 海外派遣を行うにあたっては派遣地域に応じた健康管理計画をきちんと立てるべきである。予防接種もその計画に必ず含めて頂きたい。備えあれば憂いなしである。