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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL02010101
シンガポール、フィリピン、インドネシア、中国、医療事情

◆シンガポール


シンガポール日本人会診療所
大西 洋一

◇シンガポールの生活と生活習慣病
 シンガポールに赴任中の邦人の方々から、赴任後に体重が増えたという話をよく聞きます。実際当院での健康診断でも、年々体重が増加傾向にある人が少なくありません。
 
私自身も実感することですが、日本にいたときに比べて、シンガポールでの生活では圧倒的に運動量が少なくなります。多くの人は自家用車での通勤で、しかも雨が多く、国土も狭いシンガポールでは駐車場は建物の中にあるのが普通です。高層ビルが多いためか何処でもエレベーターで、階段を使うことも少ないです。結果的に歩く量が極端に減ります。屋外は暑く、日中は日差しも強いので、歩いたり走ったりするには不向きな環境です。スポーツといっても、精々たまにするゴルフぐらいのようです。

 食事に関しては、ローカルの屋台からホテルのレストランまで、食事をするところは、至る所いつでもやっています。比較的高カロリーで、油ものが多いです。スーパーの食料品売り場などにも世界中から仕入れられた、西洋化された食材が並びます。その上、つきあい上会食の機会も多く、飲酒量も増えるようです。

 そう考えてみると、体重増加もなるべくしてなったといえるでしょう。

 人口に占める糖尿病患者の割合は、シンガポールは香港、パキスタン、チェコに続き第4位です。ちなみに米国は8位、日本は9位です。シンガポールの成人糖尿病患者数は30万人で、糖尿病予備軍は40万人を数えます。人口比でみると、1975年には1.9%でしたが、今では10%を超えます。世界の平均の20人に1人に比べると2倍以上です。その多くは生活環境に起因しているようです。

 糖尿病だけでなく、高血圧、高脂血症も多いことが明らかになっています。シンガポールの専門家は、原因は脂肪と炭水化物の多い食事と運動不足にあると分析しています。

 同様のことはシンガポールで生活する外国人にもいえるわけで、自分の健康管理には自覚を持って生活に気をつける必要があります。なかなか難しいことですが、治療よりまず予防が大事ということです。


◆マニラ


マニラ日本人会診療所
雨森 明

◇年末クリスマスシーズンの日本人会診療所
 クリスマスシーズンになって、フィリピンでは休日も増え、何となく街全体が浮き足立っているような印象を受けます。カトリックの国フィリピンでは、クリスマスが一年中でもっとも大事な行事で、様々なところでクリスマスパーティーが催されています。プレゼント交換もそのたびにしなければならず、人によっては少々辟易している様子もあります。

 爆弾事件が首都圏で一件有りましたが、未然に爆弾の除去ができたようで、現在のところ、その他には心配されていたイスラム教徒のテロ事件はありません。普段から銀行や公共機関の建物はもちろんのこと、デパートや商店の玄関には必ずガードマンが控えているものですが、新聞の報道と違って特に警備を強化しているような様子も有りません。

 ニューヨークワールドトレードセンターのテロ以降、米軍のアフガン侵攻に関係してフィリピン全土で危険度が高く設定されましたが、首都圏でもセブ市でも市民生活は何ら変わり有りませんでした。日本人学校の修学旅行は中止になりましたがこれはやむを得ないこととしても、実際に生活していて特に街が危険になったという印象は有りません。在比邦人の間でも危険度に関して動揺なく、診療所の活動もいつもと全く変わりなく行われています。


◆ジャカルタ


ジャカルタ・ジャパンクラブ医療相談室
横内 敬二

◇ジャカルタ医療相談室の現状
 医療相談室は、17階建てのテナントビル、グラハイラマの2階メディカロカクリニックの一室にある。ジャカルタの中心街から南へ少し離れた位置にあり、緑も多く静かな所であるが、道路はいつも渋滞で交通の便はあまりよくない。現在の当地の治安は、予想よりずっと良く、特別な注意を必要としない。日常生活、日常業務に支障はまったくない。クリニック全体としては、外来通院可能な疾患には十分対応できる体制になっている。

 内科、外科、小児科、産婦人科、眼科等各科の専門医も大体そろっている。邦人以外の外国人の受診者も多く、医療レベルに関してはそれなりの評価を受けていると思われる。

 検査に関しては、一般的な生化学、血算等の血液検査、便検査、尿検査は当日可能であり、20分程度で結果がでる。CT、MRI等の大きな機械は無いが一般X線撮影装置はあり、画像は鮮明である。エコー装置、心電図もあり、入院設備はないが、点滴用のベッドは2台ある。設備は平均的な日本の開業医より整っている。薬は当地では、医薬分業であるが、院内に薬局がありそこで薬を購入できる。薬の種類に関しては、多くは無いが、日本で使用している薬は大体手に入るようである。

 アメニティに関しては十分とはいえない。受付カウンターは日本人専用ではないし、待合室も非常に狭く、隣の診察室の患者さんと入り混じる。診察室も手狭であり、診察デスク、シャーカステンも小さく、診察も効率よく行えない不便さがある。

 当クリニックで手におえない疾患、入院の必要な患者さんの対応についてはまだしっかりとした後方支援体制はできていないようで、当面の課題と思われる。病院は完全なオープンシステムをとっており、当地で良い医療を受けられるかどうかは契約している医者自身の技量にかかっている。設備の整った病院と密接な連携を持ってもそれだけでは十分な医療を受けられるとは限らない。行政の医療体制に関わる事なので、大変厄介な問題である。


◆大連


大連市中心医院日本人医療相談室
渡邊 浩司

◇防寒
 昨冬の大連では零下20℃の寒さを記憶しているが、この冬は年末まで零下10℃が最低と穏やかな冬である。また雪の降る回数も少なく交通渋滞に巻き込まれることが少なくて助かっている。

 しかし、零下の気温というのはやはり身に応える。ダウンの中に冷気がしみ込み、露出した頬などは痛みを感じ始め、ちょっと風の強い日には外を歩くのがつらい。

 11月、12月と寒さの深まりとともに風邪引きの患者さん、胃腸を壊す患者さんの来院が急増している。室内には温湯の流れるヒーターが設置されており暖かいのでついつい外の寒さを忘れて不用心となりがちだが、現地の方々は長袖シャツもも引きなどの下着を2重に着けた上、ファッションを度外視した厚地の重ね着で身を守っているのが普通である。寒さから身を守るということは寒冷地での基本として、現地のスタイルも参考にすべきであろう。

 なお、大連より更に北の瀋陽では24時間の温湯供給がなされているが、大連は中途半端な寒さなためか、夜間の温湯供給はなく夜更かしをしていると家の中でもしんしんとした寒さを味わうことになる。

 また、路面も凍結と融解を繰り返す程度の気候であり、転倒やスリップなどへの注意を忘れてしまうときがあり注意が必要だ。湿度が極端に低いのも日本人には盲点だ。このために風邪をひきやすく治りにくいとも言われており、加湿器の使用、水分摂取に心掛けるなども日常的な注意事項である。

◇A型肝炎
 日本ではずいぶん少なくなったA型肝炎は中国、東南アジアなどではまだまだポピュラーな伝染病であることは肝に銘じて頂きたい。

 既に11月の頭に大連の在住および出張邦人にA型肝炎患者が出たと聞いている。冬から春にかけてが流行期であり、大連市ではこの2~3月が流行の極期で、昨年を上回る発生があると予測している。

 食物、水が重要な伝染経路であり、加熱したものを食べる、不衛生な店では食べないといった基本的な注意が必要であるが、こうした方法だけで完全に防ぐことは難しい。

 劇症化した場合の生命の危険、業務・生活のロスなどを考慮し、当地への駐在や長期出張など長期滞在者には予防ワクチンの接種を強く推奨したい。出国前に1回でも打っておくことをお勧めする。

 なお大連市でも世界的に使われているA型肝炎ワクチン(Havrix)を接種することが可能である。