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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL01120101
シンガポール、フィリピン、中国、医療情報

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
大西 洋一

◇シンガポールの漢方医療機関:シンガポールには西洋医学の医療機関のほかに、中国(漢方)医学の医療機関があります。最近、シンガポール市民の中では漢方クリニックの人気が高まってきています。

 これらのクリニックには鍼灸師や漢方医がいて、診察料が無料だったり、有料でも1ドルというところが多数あります。これらの医療機関は運営が宗教団体などの寄付金でまかなわれており、患者を診療している漢方医もほとんどが無料奉仕とのことです。このような無料の漢方クリニックはシンガポール全体で12箇所もあるそうです。

 以前はお年寄りの華人がかかるというイメージであったこれらの診療所には、最近は若者や華人以外の患者が増えており、以前に比べ患者数は15%も増え、1日に500以上も患者が来院するそうです。

 シンガポールも世界的な不況の影響で、景気はあまりよくなく、最近は失業率も上昇傾向です。医療費に関しては日本と違い健康保険の制度はなく、基本的には任意保険でまかなうか自費となります。そんな中、金銭的に苦労する人が増え、それがこういったクリニックの患者数の増加にもつながっているのでしょう。

 ただし何でもかんでも漢方医の診療を受けているわけではありません。たとえば、心臓病と腰痛や手のしびれを患う人のような場合、心臓病に関しては西洋医学の専門医の診療を定期的に受け、病気をコントロールするための薬剤等を服用しているが、腰痛や手のしびれに関しては漢方医の診療を受けているといった具合です。急性期の治療は西洋医学のクリニックで受けて、その後慢性期は漢方クリニックで受けるといった方法をとる人も多いようです。

 上手に使い分ければ、メリットも大きく、医療費も節約できるということでしょう。

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◆マニラ

マニラ日本人会診療所
雨森 明

◇日本人と結核:フィリピンは世界的に見ても非常に結核の罹患率の高い国です。残念ながら行政の遅れにより信頼できる統計がないので、人口あたりどれくらいの罹患率、死亡率があるのかは正確には分かりません。しかし、ドライバーやメイドの検診の経験からは、治ってしまった人も含めて結核病変を持つ人がごく日常的にいると思われます。

 結核に罹患した人を発見し治療することは、その人個人の健康を守るということと同時に、その人の生活する社会を守るということでもあります。貧富の差が激しい国では、生活環境の悪い貧困層に結核患者が多く、結核に罹患することによりさらに貧困が増長されるからです。故に、この国では少しでも結核の疑いがあると、予防薬を投与し結果を観察するという医療が行われます。時にやりすぎの感がなきにしもあらずですが、やりすぎの方が見逃しよりも社会に対して罪が軽い、という医療側の認識があるからでしょう。日本では逆に結核の見逃しが多いといわれています。この辺に社会事情の違いによる医療の違いが表れています。

 日本人が呼吸器系の症状を訴えて当地の医療機関を訪れた場合に結核の診断がなされることが多いという事実はここから来ています。症状のはっきりした結核の診断はそれほど難しくはありませんが、症状のない結核については、予防投与の是非について苦慮します。中には、現地の医師に適当に抗結核薬を処方されている例も確かに存在しますので、抗結核薬の投与が必要といわれたときは、その理由を詳しくお聞きになって納得されるようにしてください。

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◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
渡邊 浩司

◇食べ物にまつわる話-3題

<野菜>
 農業技術の現代化に伴って、農薬の濫用も起こりうることに注意されたい。
 今秋、中国23都市の大規模卸売市場で調査された181の野菜の47.5%から基準値を超える残留農薬が検出されたという報告がなされた。大連の市場に出回る野菜の残留農薬基準不合格率は夏期の調査では18%、この秋の調査では11%となっている。
 この夏に訪れた大連の地方都市近郊の農村病院で、「駆除対策によって近年は寄生虫症が稀な疾患となった。」という説明を聞いている。中国の食生活では寄生虫よりも残留農薬に注意することが重要な時代になっていることが再確認される話である。調理前の水洗や充分な皮むきなど、自己防衛を考える必要がある。

<加工品>
 「味の変わってしまった豚皮をゼラチン、色素、水酸化ナトリウムを使って再生加工、販売をしていた業者」、「工業用の亜硝酸塩などを大豆製品の加工に使っていた食品加工場」などが大連市内で摘発されている。こうした不良な食品は零細メーカーによるものがほとんどだが、有名企業の名前を冠して売られている場合もあるという。中央、地方政府は検査体制を強化し、取り締まりを厳しくしているもののこうした例はどこにでもあるものと心得、吟味して買う物を選ぶよう注意しなければならない。
 テレビ、新聞で不良産品、合格産品の情報がしばしば流されており、こうした情報を見逃さないようにするのも生活上の危機管理と言える。

<海鮮>
 海鮮料理の街、大連では日本料理店で供されていた刺身などの生ものを出す習慣が現地の海鮮料理店にも広がってきている。この生ものを食べる習慣が原因か、大連はA型肝炎の発生が多い地域となっている。冬から春先にかけてがA型肝炎の好発期である。駐在の方は予防接種(大連でも可)をお忘れなきように願いたい。