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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL01060101
医療事情 /シンガポール /フィリピン /中国

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
大西 洋一

◇小児の予防接種:今回はシンガポールでの小児の予防接種について説明します。
 まずはBCGですが日本では通常3カ月ぐらいにツベルクリン反応施行後、陰性であることを確認してから行います。シンガポールでは他のアジアの国々に多くみられるように出生直後に行います。ツベルクリン反応は行いません。また接種方法も日本で行うスタンプ式ではなく、皮内注射です。BCGは局所の反応が強くでることがあるので、こちらでは腕に大きなBCGの跡のある人をたまに見かけます。当診療所では日本式の接種法を取り入れております。また、日本人学校では、日本に準じて小学校1、2年および中学校1、2年でツベルクリン反応を行い、陰性者にはBCG接種を行っています。
 次にポリオと三種混合(DPT)ですが、日本ではポリオは3カ月ぐらいから2回の経口ワクチンを、DPTは6カ月ぐらいから初回接種を3回、1年後ぐらいに追加接種を1回行います。そして2期として11、2才でDTを接種します。ポリオは生ワクチンなので日本では他とは同時接種しませんがシンガポールではポリオと三種混合は同時に行うのが普通です。従ってポリオも三種混合と同回数行います。スケジュールとしては3カ月ぐらいから初回接種を3回、1年後に追加接種を1回行います。そして6才と11、2才でDTとポリオを接種します。日本に比べポリオの回数は多く、DTも6才で行う分が多いです。また、最近では一部でポリオも経口ではなく不活化ワクチンの注射が行われています。
 麻疹、風疹、おたふくかぜはMMRとして1才ぐらいから行われています。日本のようにそれぞれ単独で接種しようとした場合、現在シンガポールでは麻疹単独のワクチンは入手できません。単独での接種を希望される方は、麻疹をまず日本で済ませておく必要があります。MMRに関しては副作用の報告はほとんどありません。
 日本脳炎、水痘については日本と同様のスケジュールで行います。
 そのほかA型肝炎、B型肝炎ワクチンも接種可能です。シンガポールではA型、B型同時接種できるワクチンもあります。


◆マニラ

マニラ日本人会診療所
雨森  明

◇フィリピンで手に入る薬、手に入らない薬:日本の医療機関を通じて処方してもらう薬はほとんどフィリピンにもあります。日本では、同じ薬でも数種のメーカーからでていることが多くメーカーによって名前が違います。そういう意味ではフィリピンの方が商品としての薬の種類は少ないでしょう。
 フィリピンでまず手に入らないものとして、漢方薬があります。我々西洋医学を学んだ医師は、治療あるいは検査すべき病態についてデータや所見など客観的事実を得るようにつとめます。そしてその証拠に基づいて、精神的肉体的疾患を分類します。明らかな病気といえない患者に対しては証拠に基づかず、主観に従って「とりあえず」漢方薬を出しておくことが多いのです。本来の漢方医学ではそのような発想の仕方で処方するのではないのでしょうが、私も含めて多くの日本の医師は漢方医療に対して正確な知識がなく、従ってこのように漢方薬を使っていることが多いと思います。
 ほとんどの国では患者の治療は「客観的な証拠に基づいた」西洋医学で行われているので、日本で漢方薬を処方されている方は、その同じ病態で外国の医療機関にかかってもおそらく納得するような治療は受けられないでしょう。
 フィリピンの薬は強い、と一般的に思われていますが、実際に医師が処方箋を使って出す薬に関しては日本の場合とほとんど変わりません。たとえ一錠あたりの有効成分量に違いがあっても医師が少ない量で処方すれば同じことです。一方、処方箋なしに買える大衆薬についてはこの限りではありません。また、日本では大衆薬でないもの(抗生物質、降圧薬等)が、フィリピンでは普通の薬局で買えることがあります。大量に飲めば自殺に使える薬もあって医者の目から見れば危険なことだと思いますが、そういう意味ではフィリピンの薬は強いといえるかもしれません。
 ちなみに、血糖降下剤や降圧剤、解熱剤等の大量服用では薬の作用で死に至り助かっても後遺症を残すことがありますが、精神薬の大量服用による死亡は薬の直接作用によるものではありません。寝ているうちに吐物を吸引して窒息したとか、人知れずいたために脱水やら低・高体温になって死に至るのです。呼吸が止まるほど服用するのは物理的に難しいのです。また、大量服用しても早期に適切な治療(ほとんどが入院しての経過観察だけです)がされれば死ぬことはありませんし後遺症を残すこともありません。


◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
渡邊 浩司

◇大連の環境政策:大連市の都市環境対策は進んでいる。「緑にしよう、明るくしよう、高くしよう」というスローガンのもと、高層ビルの建ち並ぶ街を作り出し、各所に芝生を植えたり噴水や街路灯の新設などで町並みを一変させた。一方、老朽化して排煙を吐き出す工場は郊外に移転させ、また経済開発区の新設工場には厳しい環境対策を課すなど都市整備の中に強く環境対策を位置付けている。
 昨年からの目標は「青い空、碧い海」となり、環境投資を更に増やした結果、全国的にも評価の高い環境水準を達成していると伝えられている。
 大連理工大学には環境工学の技術者の育成コースがあり、1986年以来400名近くの専門人材を育成している。環境科学・環境保護理論が全学生の基礎必修科目になっており、「緑色大学」を名乗り始めたという。
 小学校でも環境保護教育活動を熱心に取り入れ、自然に触れさせ、工場や農場などの社会見学をさせるなどの努力が進められている。
 大胆でスピーディな取り組みは我々も大いに学ぶべきであり、一方、進んだ公害防止技術の提供などで日本が協力・交流すれば更に発展が望まれる分野になると思われる。

◇中国の禁煙政策:宴会ではタバコを勧めるのが礼儀の国であった中国でも、いまやタバコの害に対する認識は進んできており、タバコの広告は原則禁止となっている。公共施設での喫煙が法律で禁止されているのは言うまでもない。大連市では5月31日の世界禁煙デーに合わせて1日の禁煙が市民に呼び掛けられ、監視員が街を回るという徹底ぶりであった。実際には喫煙の習慣から抜け出せない人をまだ多数見掛けるが、「健康のためにタバコを吸わない」と言う人が確実に増えているのが実感され、いずれは日本よりも早くタバコのない国になるかもしれないと思われる。何より、タバコによる健康被害を国家の損失と考えて国を挙げて喫煙を抑制する方向にあり、今後の変化は更に目を見張るものになろうと思われる。