• ホーム
  • 基金について
  • 海外医療情報
  • お勧めリンク集
  • よくある質問

ホーム > 海外医療情報 > ニュースレター(機関紙)

海外医療相談 (会員用メニュー)

会員ID(半角英数字)

パスワード(半角英数字)

会員用メニュー(海外医療相談)
の内容についてはこちら>

ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL01050101
医療事情 /シンガポール /フィリピン /中国

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
大西 洋一

◇シンガポールの夜間診療事情:最近になりシンガポールでは公営のクリニックが夜間診療を始めています。これに対して、今まで夜間に患者を診てきた周辺の民間開業医は仕事を奪われると反発しています。しかしながら保健省では昼間の診療では公営と民間が診療に当たっており、それとなんら変わりはないとコメントしています。シンガポールでは夜間の救急病院としては従来からシンガポール国立大学付属病院(NUH)の救急外来がありますが2時間以上待たされるのはあたりまえです。そんな中、このような夜間診療の病院が増えることは大変望ましいことです。

◇喘息について:シンガポールでは喘息が軽くみられていることが、アジア、太平洋諸国の喘息患者の調査でわかりました。喘息患者は14万人おり、毎年約100人が喘息で命を落としています。子供のうち5人に1人が喘息であるとのことです。多くの人は喘息に対する知識に乏しく、原因や治療に対して十分な理解がなく、入院や救急病院での手当を受けています。邦人についてはシンガポールにきて喘息が軽快したという話も多いですが、喘息患者は少なくはありません。ほとんど日本と同じ薬が手にはいるので、治療に関しては、しかるべき専門医にかかれば心配はありません。しかしながら前述のように夜間救急体制は十分ではないので、喘息発作については予防が大事であることはいうまでもありません。

◆マニラ

マニラ日本人会診療所
雨森  明

◇気をつけたい自分で防げる病気 =性病=
 日本人会診療所で診察をうける男性の中に性病感染者が多いことに驚かされました。40代後半から50代後半にかけての年齢がほとんどで、企業からの派遣者で仕事に責任を持つ立場の人に、今でも無防備に買春を行う人がいるということです。マニラ近辺在住の日本企業人の年齢構成はわかりませんが、それにしてもクリニックを訪れる性病罹患者が案外に高年齢です。
 性感染症とは主に性行為を媒介として感染する病気のことです。性行為の様に他人と濃厚接触を行えば、いわゆる性感染症以外の感染症、上気道感染症や皮膚感染症、一部の寄生虫症も感染します。発展途上国での生活で誰でも飲み水や食事に気をつけると思われますが、同様に性的接触にも注意を払ってください。なぜなら、性行為に関連する感染症はほぼ予防可能なのですから。以下に、感染の機会が多いいわゆる「性病」を列記します。

〔淋病〕
 潜伏期一週間を経て、男性の場合は尿道炎で初発しますが、女性の多くは感染しても自覚症状がありません。男女とも咽頭や直腸も感染巣になりますが、やはりほとんど自覚症状を欠きます。従って、パートナーの診断と治療は必ず必要になります。
 時に精巣上体(精巣に付随する器官)炎になって陰嚢の腫大を来したり、バルトリン腺膿瘍となって強い症状を呈することがあります。

〔クラジミア〕
 淋菌よりは男女ともに症状が軽く、無症候性の感染が持続しやすい特徴があります。女性の場合は卵管に炎症を起こし、日本では卵管性不妊症の60%がこれに原因するものです。比国のマニラでは、日本と同様検査は尿で行えますが検査日が限られています。
 上記、二つの性病は重複感染していることが多いとされています。

〔性器ヘルペス〕
 初感染部位(性器、口腔等)に数個の小さな潰瘍として初発しかゆみや痛みを伴います。ヘルペスウイルス属の特徴として、一度感染すると人の一生涯にわたり体内に潜伏します。体調が悪いときに再発し、女性の場合、出産時に病変があるときは母子感染をさけるために帝王切開となります。

〔尖形コンジローム〕
 ウイルスによる感染症で、潜伏期間数週から数カ月を経て外陰部に小さな疣の集まりとして出現します。再発を繰り返し治療に難渋します。子宮頚癌の原因となります。

 そのほかにもB型肝炎、梅毒等、性感染症と分類し得る感染症は多々ありますが、はじめに述べたように予防は簡単なことです。
 恐れることはありませんが、東南アジアの性感染症は薬剤耐性のものも多く、はじめにちゃんと治療することが重要で、素人療法は症状のない感染を長引かせる可能性があります。おかしいなと思ったときは検査を受けてください。そして、何より予防を。


◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
渡邊 浩司

◇大連のA型肝炎事情:6年ごとに訪れるA型肝炎の当たり年とあって、大連の伝染病院は満床状態が続いているという。大連市中心医院では今年から全職員にワクチン接種を行うことにした。海鮮料理が盛んなために大連は発生件数が多い地域となっていると聞くが、明らかなデータはない。今年に入って当相談室を受診したA型肝炎患者は既に10人を超え、他院への入院者の情報もいくつか入っている。日本人は海産物の生食を好むために感染の機会が多いとの推測もあるが、これも定かではない。いずれにせよ、中国がA型肝炎の流行地であることをよく認識し、駐在・出張者には周知して予防対策を講じることが重要である。
 付言であるが、中国本土でA型肝炎は隔離入院の対象であり、伝染病院(療養条件は良くない)に入院となって、最低3週間は退院できない原則である。

◇大連の予防接種事情:大連では一般に病院で予防接種を受けることができない決まりになっており、邦人駐在者は一時帰国の機会を利用して日本で予防接種を受けるのが一般的であった。
 もちろん、当地でも予防接種は広く制度化されており、居住地域の「防治站」(保健所のようなもの)で受けるように決められているが、施設環境およびワクチンの品質面で不安があるため推奨しにくいという事情があった。
 このたび、当地邦人社会の強い要望を受ける形で、数種の予防接種について国際的に利用されている輸入ワクチンを用い、外人向けクリニック並みの施設で行って頂けることになった。
 この措置で大連の邦人駐在者は予防接種をより受けやすくなるわけだが、大連市関係者の特別なご好意で実現したことを改めて強調したい。