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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL01030101
シンガポール /マニラ /ジャカルタ /大連

◆シンガポール

シンガポール日本人会診療所
溝尾  朗

◇医療過誤:日本では最近毎週のように医療事故や医療過誤が報道されていますが、シンガポールでも医療事故は年々増加しており、2000年の賠償件数はおよそ150件で賠償金総額は300万ドルに達しました。
 ちなみに日本では、年間約500件の医療に関する判決が下されています。
◇生活改善薬:ここ数年日本と同様、シンガポールでも生活改善薬が発売され話題になっていて、臨床的効果もはっきりしてきました。  性的不全改善薬であるVIAGRAの効き目は、インド人、マレー人に比べ華人が最も効果が高く、副作用も対象をきちんと選んでいるかぎり問題ありません。
 また、やせ薬の1つであるXENICALは、食事に含まれる脂肪分の吸収を阻害する薬ですが、体の中には1%前後吸収されるだけですので、他のやせ薬と違い、全身的副作用はほとんどありません。おもな副作用としては、油分を多く含む便が出る、お腹が張る、下痢で急にトイレが必要になるときがあることなどですが、3カ月以上長期にわたって内服するときは、脂溶性ビタミンが不足することがあり、そのときは栄養補助剤(サプリメント)を使う必要があります。

◆ジャカルタ

ジャカルタ日本人医療相談室
熊野 浩太郎

◇使用人の結核:当医療相談室では2000年9月よりジャカルタ在住の邦人家庭および一部企業の使用人や従業員などの結核検診を行ってきました。(本紙№78、81、82に経緯既報)
 2000年9から11月までに実施した196人について、結果の概要を報告します。
 検診総数196人の内訳は、メイド110人、ベビーシッター8人、運転手67人、企業の従業員など11人です。性別には男72人と女124人、また平均年齢は32.4±9.4歳(男39.3歳:20~58歳、女28.4歳:16~50歳)でした。
[結果1]:レントゲン上肺結核と思われるものは16人(総人数の8.2%)でした。内訳{(女8、男8)、(メイド6、運転手6、ベビーシッター1、従業員3)}
 うち、活動性の肺結核(他人に感染させる可能性のあるもの)と思われるものは6人(総人数の3.1%)、内訳{(女4、男2)、(メイド3、運転手1、従業員2)}で、邦人への感染が疑われた例が1例(運転手)ありました。このうち、咳などの症状が見られたものは2人、その他4人はレントゲン上活動性肺結核が疑われましたが無症状でした。
[結果2]:陳旧性肺結核(既に治癒しており他人に感染させる可能性のないもの)と思われるものは10人(総人数に対する割合;5.1%)、内訳{(女4、男6)、(メイド2、運転手4、ベビーシッター1、従業員1)}でした。
 これから活動性、すなわち感染の危険性がある結核と思われるものは約3%ということがわかります。

 上記において、思われるとか疑いなどと表現し、結核と断言していない理由には、大部分の例では疑いの段階で解雇してしまい追跡調査ができないこと、本来であれば入院したり精密検査を行うケースでも使用人に対しては一般にそこまで行わないこと、またインドネシアの医療レベルの問題から確定診断が困難であるということが挙げられます。したがって、上記統計はレントゲン写真のみからの統計結果です。ただし、レントゲンだけでもおよその判断はつきますので、ほぼ実情を表していると考えています。
 尚、参考までに1996年から97年までフィリピンのマニラ日本人会診療所で同様の検診を行っています。これによると検診総数624例のうち、肺結核は7.9%に認められたそうです。(陳旧性か活動性かなどの詳細は不明:本紙№45参照)
 毎年のように、使用人から結核が感染し発病したという邦人例を経験あるいは耳にします。例数は年間5人前後ですが、感染経路を特定できたもので、私の知っている4例は全員が家庭の運転手からの感染でした。狭い空間で毎日のように接触するので危険性が高くなると考えられます。
 また、結核を発病してしまった、または感染した邦人の話から、それら運転手は皆、咳をしていたとのことです。
 今回の使用人検診で見つかった結核のうちで咳などの症状があったものは2例のみでした。その他の活動性肺結核と思われる4人は、症状の出る前に偶然に見つかっています。症状はかなり進行してからでないと出てきませんので、無症状、元気で健康そうであるという理由からは結核でないとはいえません。
 今回のうちの1例は、無症状でたまたま検診を受け、レントゲン上活動性肺結核と診断されました。すぐに解雇されてしまったのですが、その1カ月後に田舎に帰って病院に行きたいということで本人が以前撮影したレントゲン写真を私の元へ取りにきました。そのときに激しい咳をしていましたので、偶然にも早期発見が出来、邦人への感染が防げたと考えております。

◆大連

大連市中心医院日本人医療相談室
渡邊 浩司

◇A型肝炎:大連でも冬から初夏にかけてはA型肝炎の発生が多い季節です。私の所へも今年の1、2月中に3例の邦人発症者の情報が入りました。
 ご存知のとおり、ウイルスに汚染された水・食物が原因です。大連のように海産物が豊富な場所では生ものが食卓に出される機会があり注意を要します。魚介類の生食は避けるようにすべきでしょう。
 外食先は調理場の状態まで勘案して選ぶべきです。現地の一般食堂での手洗いやまな板の洗い方などは日本の料理店では考えられないようなずさんさであるのが普通です。高級ホテルや名の通った店を利用するのが賢明です。
 日本では衛生環境が良くなったために発生数は減少しましたが、中国ではまだまだ一般の衛生状態が良くありません。1カ月以上の長期滞在の場合は感染のリスクが高いと考えて予防接種を受けておくようお勧めします。特に駐在員を派遣する企業は帯同家族を含めて3回以上のワクチン接種を指導すべきでしょう。未接種の駐在員を時々見かけますので念のためご注意申し上げます。
 大連での予防接種は法的に、一般の病院ではなく、居住地域の防治站(小さな保健所のようなもの)で受けることになっています。使われるワクチンは多くが中国産ですが、A型肝炎については希望により輸入ワクチンを指定できます(HAVRIX賀福立 、接種料を含めて1回200元強:1元は約14円)。
 中国ではA型肝炎発病者の入院先は伝染病院(大連では第六人民医院)と決められていますが、一般的に療養環境はあまり良くありません。また、運悪く劇症肝炎となった場合には日本のような十分な治療は期待できません。
 A型肝炎は一過性の病気ですが、たいへん身体に負担のかかる病気であり、家族などへの2次感染も起こしますので予防が重要です。食べ物や水への注意、手洗いの励行など個人の注意も大切ですが、多発地域ではワクチン接種が有効な防御策です。未対策の企業担当者にはご一考をお願いします。

◆マニラ

マニラ日本人会診療所
須田 秀利

◇診療所の近況:私の当診療所任期はこの3月で終わり、新たに雨森明医師が赴任されます。雨森医師は大学卒業後13年で、今は医師として脂の乗り切った時期です。これまで内科全般、消器内科、救急医療に携わってこられました。私とは違ったスパイスが加わり、マニラ日本人会診療所が一層発展するものと確信しています。
 さらに、当診療所は拡張工事も終了し、アメニテイも一層充実します。邦人の皆さんに利用されやすい診療所として評価されると思います。