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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL01020101
医療事情 /シンガポール /マニラ /インドネシア /中国

◆シンガポール
シンガポール日本人会診療所 溝尾  朗

◇手足口病:昨年9月、10月に大流行し4人の死亡者を出した手足口病が、今年1月から再流行のきざしをみせています。3日には4歳男児が1人死亡し、解剖の結果昨年の流行株と同じエンテロウイルス71が検出されました。
 しかし、手足口病の新患者発生数は昨年に比べればまだ少なく、現在はむしろインフルエンザと思われる感染症が急増しています。

◇デング熱:昨年1年間のデング熱発生患者数は658人で、昨年に引き続き例年に比べ極めて少ない発生数でした。

◇医師問題:シンガポールでは、公的病院から民間病院に流出する医師(特に若い医師)が増え問題化しています。
 厚生省は昨年、公的病院に勤める医師の給料を約25%上げるなどの対策を実行しましたが、この傾向の歯止めにはなっていません。現在は、公的病院勤務医の民間病院でのアルバイトや民間病院医師による公的病院の施設利用を認めること等を検討しており、政府と民間との垣根を低くしようと努めています。


◆マニラ
マニラ日本人会診療所 須田 秀利

◇政権交代:漸く大統領が替わり、治安状況も今後安定するのではと期待されています。あまりにも露骨な身内優先主義、賄賂政治では長く持ちません。さらに、前大統領はアルコール依存症ともいわれますので、閣僚も軍隊も呆れてついて行けなくなるわけです。確かに、最初の1年はラモス元大統領の流れを受け継いでいたために評価されていましたが、2年目からの変化はひどいものでした。国を私物化しているような印象でした。
 アロヨ新大統領は本来エコノミストですから、前大統領により破綻に瀕した国家財政を世界銀行、国際通貨基金の援助で解決していくでしょう。日本からの投資を呼び込むような政策も推進していくものと期待されます。


◆ジャカルタ
ジャカルタ日本人医療相談室 熊野 浩太郎

◇イスラム教と医薬品:2001年、インドネシアは味の素事件で始まりました。日本国内でも大きく報道されていましたので、ご存知の方も多いでしょうが、簡単に説明します。イスラム教では豚を食することは禁じられていますが、味の素を作る過程で豚からとった酵素を使用しているということが判明し、大事件となりました。最終的に味の素に豚の酵素は含まれないのですが、イスラム教徒は豚に嫌悪感を示しているため、比較的緩やかな戒律のインドネシアでも大騒ぎになったと考えられます。
 同様のことが医薬品でもあります。以前、当地に進出している日系の製薬会社の方からお聞きした話ですが、日本国内で使用されている一部のワクチンには豚から精製したゼラチンが使用されているそうです。したがって、そのワクチンをインドネシアに輸入することはできず、現在、豚を使用しないワクチンを開発中だということでした。
 宗教と医療に関してはエホバの証人と輸血の問題が一時日本でも問題になったことがあります。今後、グローバル化が進むにつれて医療の世界でもこのような問題が起こってくると予想されます。

◇インドネシア在留邦人の性病:1999年10月から2000年12月までの14カ月間に、ジャカルタジャパンクラブ医療相談室で診療した性病について報告します。
 最も多いのは尿道炎(クラミジア、淋菌性含む)で139人(1カ月平均10人)でした。クラミジア尿道炎が淋菌性に比して約2倍の頻度でした。その他、梅毒、急性B型肝炎、性器ヘルペス、軟性下疳(疑い)、毛じらみ、疥癬、尖圭コンジローマ、陰部カンジダ症などがありました。
 昨年7月頃までは、クラミジア抗原を検査する方法があったのですが、以後、検査キットの輸入が途絶えたということで、検査ができなくなっています。現在は症状から推測して治療を行っています。尚、淋菌に関しては、直接菌を顕微鏡で確認しています。
 上記ほとんどは薬物療法で改善しますが、尖圭コンジローマは、切除が必要なため、当医療相談室のあるMedikalokaクリニックの皮膚科医(Dr.Fredi)に依頼し液体窒素を利用して治療しています。


◆大連
大連市中心医院日本人医療相談室 渡邊 浩司

◇注射器の安全性:注射器などの医療用具について、都市部の大病院であればディスポーザブル製品が一般的になってきています(当地では「一次性」器具と呼ばれます)。注射器のほかに大連市中心医院の歯科では、よく使う器具をワンセットにしてトレーに入れたディスポ製品を患者ごとに取り替えて使用しています。
 注射器持参で病院に行かなければならない時代は、中国の都市部からは去りつつあるように思われました。
 ところが、昨年の新聞で、地方の一僻村で使用済みの注射器を再生していたことが取り上げられました。また最近のテレビでは、ある地域の工場で点滴に使うチューブをクリーンルームのない施設で組み立て・包装して広域に販売していた事実を放送していました。チェックの甘い下級病院にはこのような製品が流れ込んでいるように思われます。当局も、基準を満たさない工場の取り締まりなど、対策強化を行っているようですが、自己防衛に越したことはありません。
 大連市中心医院の場合は、市衛生局の3段階のチェックを受けた製品のみ納入を許可しているとの確認を行いました。当相談室ではさらに念のため、日系メーカーの製品を指定して使用することにしました。基本的に中国では、辺地での治療を極力避け、都市部の中核的な病院で治療を受けるように心がけるべきだと思います。

◇PPA(フェニルプロパノールアミン):多くの総合感冒薬に含まれていたPPAについて、中国国家薬品監督管理局は昨年11月16日の時点で同成分を含む薬品の服用と販売を停止するよう呼びかけています。
 広く使われていた薬剤成分ですが、新たな副作用の可能性について論文発表されたのを受けた緊急措置でした。日本の厚生省が曖昧な姿勢をとったのに比べ、明快でスピーディーな対応だと思われます。医療の世界でも国家的決断力においては中国の方が上と思われる場合があります。

◇餃子で一年を占う:中国では旧正月を春節と呼んで盛大に祝い、その大晦日に一家を挙げて餃子を食べる習慣はよく知られた事実です。別に旧暦の7日、17日、27日にも餃子を食べる習わしがあり、それぞれ子ども、成人、老年がその年の健康を占う日なのだそうです。
 晴れた日に餃子が食べられればその1年は健康に過ごせるということです。今年の旧暦1月7日の大連は穏やかな日和でした。当地の子どもたちは健やかな一年を過ごせそうです。