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ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL01010101
医療事情 /シンガポール /フィリピン /インドネシア /中国

◆シンガポール
シンガポール日本人会診療所 溝尾  朗

◇最近の流行疾患:現在シンガポールでは、マイコプラズマ(呼吸器)感染症、ウイルス性胃腸炎、ウイルス性急性上気道炎(RSウイルスなど)が流行しています。
 RSウイルスは、6カ月未満の乳児がかかると、細気管支炎を起こし入院が必要なほど呼吸状態が悪くなることがありますので、兄弟からの感染などに注意して下さい。

◇インフルエンザ:インフルエンザと思われる患者さんが来院し始めました。喘息などの呼吸器疾患や心臓病を持病として持っている人、高齢者の方にはワクチン接種をお勧めします。去年11月からシンガポールでは、高齢者1万人にインフルエンザの予防接種が無料提供されています。

◆マニラ
マニラ日本人会診療所 須田 秀利

◇セブ医療の断面について:昨年の9月、11月にセブ日本人会に依頼されて医療相談を行い、もの寂しいセブ医療の邦人犠牲者に会いました。
症例1:単純ヘルペス感染による視神経炎の合併の40代の女性に対して、視力低下の理由から角膜円錐手術を勧める眼科医、と、ヘルペス感染による眼輪部の発疹を見落として眼輪部の痙攣に対して漠然と抗パーキンソン病薬を3カ月も処方している神経内科医、がいました。視力低下と記憶力低下がかなり進んでいました。
症例2:野良犬に噛まれてかかった医者に、狂犬病ワクチン接種に3万ペソ以上を要求され、何もしないと3日以内に死ぬと威かされた。しかも噛まれた指に狂犬病のワクチンを筋肉注射されて指が倍以上に腫れたそうです。(1ペソは約2.3円)

 症例1はフィリピン医療における過度の専門医制の影響の一面で、視力低下があれば、原因を考えずに今はやりの近視手術をやろうとし、神経内科医は皮膚病変を診れないということです。
 症例2は本当に医師免許があるか疑わしい。最近、新聞に偽医師のことが載っていました。一般に狂犬病ワクチンはせいぜい1,000ペソ程度ですし、狂犬病は早くて発症は1月後です。また、噛まれた指に筋肉注射などは禁忌です。フィリピンの現地社員に紹介された医者であり、日本人は誰も知らない医者でした。もしかしたら、すべて仕組まれた企みであったのではないかとさえ疑ってしまいます。
 このようなセブ医療に対して、セブの邦人は家庭医学書を頼りに、もし不安が解決されないなら、週5便ある成田便ないし週2便ある関空便で帰国しています。
 マニラの医療でもいろいろ問題はありますが、偽医者のような話は競争の多いマニラでは考えられませんし、神経内科医が1人しかいないセブと違いマニラには沢山いて選択することもできます。

◆ジャカルタ
ジャカルタ日本人医療相談室 熊野 浩太郎

◇ジャカルタにおけるA型肝炎の頻度:2000年1月から12月までの1年間に当ジャカルタ日本人医療相談室を受診されたA型肝炎の患者数は5人でした。内訳は20歳代1人、40歳代2人、50歳代2人であり、男性3人、女性2人でした。全員が駐在者(1年以上駐在)であり、かつ大手企業の社員及びその家族です。
 全員A型肝炎のワクチン接種歴はありませんでした。うち4人はジャカルタに駐在するにあたってA型肝炎の予防接種が推奨されているということを知りませんでした。すなわちワクチンに関する情報をもっておりませんでした。1人は知ってはいたが接種をしていないという方でした。
 ジャカルタにはほぼ同数の邦人患者を診るクリニックが他に二つあり、今までの情報から各疾患ともおよそ似たような傾向をとっており、さらに邦人患者はほぼ全てこれら3つのクリニックを受診しています。そこで、単純に約3倍としてもそれほど大きく違った結果とはなりません。したがって、ジャカルタ在住邦人約9,000人のうち年間約15人前後がA型肝炎に罹患すると推測されます。単純には年間罹患率は15人/9,000人として600人に1人(0.17%)となりますが、小児の多くが不顕性感染であること、多くの駐在員がA型肝炎の予防接種を受けていることを考慮すると、ワクチンを接種していない場合の成人の罹患率はもっと高いと推測されます。
 尚、WHOは1999年の報告で、発展途上国に1カ月間の滞在をした場合のA型肝炎罹患率は0.2~0.3%と報告しています。日本でも年間約10万人が罹患すると推定されており、人口1億2,000万人とした場合の年次罹患率は0.08%となります。ただし、日本の場合はワクチンを接種していないこと、及び海外での感染者も含まれています。

◆大連
大連市中心医院日本人医療相談室 渡邊 浩司

◇大連の救急医療「救急車」:1957年に創立し1992年に現在地(蓮花山路)に移転された「大連市救急センター」を見学した(2000年11月)。救急の電話番号は「120」(日本は119)。救急センター4階の司令室につながり、5キロ半径ごとに設けられた支所(救急分站)に救急車の出動司令が出される。医師が同乗して現場に向かうドクターカーが基本である。同センターに入る「120」の呼び出しはおおよそ1日60~70件。司令室では市街区4施設に所属する全救急車の現在位置がGPSを使ってコンピューター画面の地図上に示されている。必要な場所に最寄りの支所から救急車を出動させ、適切な病院へ搬送するよう地図上で位置を把握しながら指示を行なうわけだ。
 実際に救急車に同乗することができた。乗員は医師、看護婦(2名)、運転手の4人。救急車内の装備はシンプルなものであり、病状などに応じて高装備の車を使ったり、必要な機器を積み込むなどするようだ。センターから4キロほど離れたアパートに10分足らずで到着。ひとりの看護婦が心電図を取り、別の看護婦は血圧を測り、酸素を与える。酸素は大きな空気枕のようなものに入れられており、容量はともかく携帯には便利なように見えた。家族の了解を取ったうえで、直近の医科大学病院へ急行。担架で救急室内へ運び込むと、連絡を受けて待機していた看護婦たちがあれこれと処置を始める。救急室は時代掛かったイメージではあるが、スタッフの動きは思ったほど悪くはなかった。
 「120」では大連市街区に限定すれば、基本的には日本の都市部に近似した形の救急搬送を実施しているようであった。現場および移送中から治療が開始できるのはドクターカーのメリットである。救急搬送が有料サービスであるのも日本との違いである。なお上記のような救急ネットワークは大連市全域で一様に実施されているわけではないので、郊外および遠隔地での救急医療体制・状況については地域ごとに調査しておく必要がある。