• ホーム
  • 基金について
  • 海外医療情報
  • お勧めリンク集
  • よくある質問

ホーム > 海外医療情報 > ニュースレター(機関紙)

海外医療相談 (会員用メニュー)

会員ID(半角英数字)

パスワード(半角英数字)

会員用メニュー(海外医療相談)
の内容についてはこちら>

ニュースレター(機関紙)

JOMF派遣医師便り
NL00080101
シンガポール /マニラ /大連 /医療事情

◆シンガポール
シンガポール日本人会診療所
溝尾  朗
◇ヘイズ:インドネシアのスマトラ島における山火事が拡大しており、ヘイズ到来が懸念されています。マレーシアでは大気汚染が不健康レベルに達した場所もあるようですが、幸いシンガポールにはまだ被害は出ておらず、PSIも50前後で推移しています。
 なお、PSIはPollutant Standard Indexの略で、シンガポールでは0-50良好、51-100普通、101-200不健康、201-300非常に不健康、300以上危険という領域に分けています。(詳細は本紙№53(1998.5)の記事「HAZEについて」を参照のこと)

◇看護の日:8月1日はシンガポールにおける看護の日で、優秀な看護婦3人に大統領賞が送られるなど、各地で様々な催しが行なわれました。日本でもEBM(Evident Based Medicine=科学的根拠に基づく医療)の考え方が普及しつつありますが、最近ではEBN(Evident Based Nursing=科学的根拠に基づく看護)が注目され、今月シンガポールではEBNに関するフォーラムやワークショップが幾つか予定されています。

◇近視:シンガポールだけでなく日本、台湾、香港でも近視人口が増え、近視開始年齢の低齢化が進み問題となっています。シンガポールでは5歳までに10%の子供が近視にかかり、その後7歳で15%、9歳で34%、18歳では80%にまで達します。近視の原因は、環境因子(近仕事)や遺伝因子などが挙げられていますが、依然十分にはわかっておらず、治療法や予防法もはっきりとしたものはありません。眼鏡やコンタクトレンズ、角膜の屈折矯正手術などの矯正に頼っているのが現状です。
 今度シンガポールでは厚生省のバックアップにより、1960年代から習慣的に使われているアトロピン点眼治療の研究が始まる予定で、現在研究に参加してくれる子供を募集しています。古くからある薬ですが、近視に対ししっかりとした科学的根拠があって使われているわけではなく、今回はそれを2年間にわたって効果の有無を実証する試みです。これもEBMを重要視しているシンガポール医療政策の一つの姿勢と思われます。
-----------
◆マニラ
マニラ日本人会診療所
須田 秀利
◇異常な薬の値段:ともかく薬の値段が高い。最も値段の安いアモキシリンでさえ世界一といわれる日本の薬価より高い。これに対し、政府は比国に比べ薬価が20分の1であるインドからの輸入を決定しました。当面は国立病院に限定されるようですが、いずれ民間病院にも出回ることが予想されます。インド製は質に問題があると指摘されています。
 比国の薬が高い理由としては、薬局の独占(mercury drug)、保険省の恒常的腐敗、医師側へのみかえり(キックバック)等が考えられています。

◇身近な感染症:マニラ日本人会診療所の比人医師と子供がデング熱に罹患。同診療所の邦人医師の家族は全員ランブル鞭毛虫症に罹患。幸いデング熱の流行は限定的で大流行時の10分の1程度です。しかし、ランブルなど寄生虫疾患は珍しくありません。
-----------
◆大連
大連市中心医院日本人医療相談室
渡邊 浩司
 7月20日に大連森ビルで「中国での医療と衛生事情」と題して大使館の青山医務官による医療講演会が行われました。講師の了解を得ましたので、講演内容の一部を抜粋して紹介します。

◇飲料水について
・高層の建物では、水は一旦屋上のタンクに貯えた後給水され、水タンクの管理が行き届いていない可能性があるため、飲料水としては煮沸後使用する方が安全である。

◇寄生虫について
・近年、化学肥料、農薬の使用により激減し、むしろ残留農薬が問題化してきている。野菜はよく洗って食べること。
・住血吸虫は、95年からの撲滅運動が奏効し、都市部では心配なし。
・中国南部ではマラリアが発生している地域がある。(海南省、雲南省ほか)

◇エイズについて
・国連の推計では、中国で50万人以上がHIVに感染していると推定されている。(中国の表記は「艾慈病(アイズビン)」。)淋病、梅毒などの性行為感染症も増加しており、無防備な性交渉は危険である。

◇ウィルス性肝炎について
・A、E型は経口感染、B、C型は血液(体液)感染。いずれも中国で感染のリスクあり。症状は初期は風邪に似ているが後から黄疸が出てくる。
・B型肝炎ウイルスのキャリアは中国では人口の10%(1億2千万人)を占める。
・予防法は、A、E型は、生水を飲まない、洗いを励行する、食物は加熱し熱いうちに食べる、魚介類の生食は避けるなど。
・B、C型については大都市部の大手医療機関の注射針は使い捨てでありまず安全。食器、便座等の日常生活での感染も心配ないが、安い理髪店では剃刀の消毒を実施していない所もあり要注意。
・輸血による感染もリスクが高い。輸血用血液は、2割が献血、4割が売血、4割が供血(国営企業、学生等に割り当てて採血するもの。)。売血のチェックが十分でない。
・B型のキャリアは10%もいるため、A型とともに予防接種を薦める。
・ウィルス性肝炎は中国ではすべて伝染病扱いで、専門の伝染病病院に隔離される。伝染病病院の医療環境は極めて劣悪である。